表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者になりたい!  作者: 花水木出雲
第1章「オズの怪物討伐編」
1/35

1話「オズの国主」

オズと名付けられた珍しい多種族国家。

そこに新たな国主が現れた。それが人間のドロシー・マーテルだ。

母は病死、父は母にも娘にも愛を注いでいたが突如生死不明。

そんな中で育ったにもかかわらず真っ直ぐに育った理由は

環境だった。

両親に代わって子育てをしたのは幹部たちだったのだ。


「魔物ってそんなに年は取らないの?」


ドロシーの疑問は尤もだ。10年近く経っているにも関わらず

あまり大きな変化はない。


「変わる種族だっていますよ。先の戦いでつい最近まで時間が止められて

いましたので。まぁ、俺はそんなに変わらないと思うけど」


そう語った青年の容姿は実年齢に似合わない若々しい肉体を

持っている。実年齢、少なくとも100歳。

吸血鬼と人間のハーフであるダンピーラ、ユベル・エルンスト。


「ユベル、100歳だもんね」

「そうですね。…もしかして馬鹿にしてます?」

「してないしてない」


ドロシーは少し哀し気な表情を見せた。


「グリンダは…」


グリンダ。その名前を聞きユベルも少し表情を歪めた。グリンダという女は

人間でも魔物でも無い。先の国王ストリウスが作り出した魔導人形だ。

魔導人形は何人か存在しているがグリンダはどうやら特殊らしい。


「まだ目覚めていないようです。気長に待ちましょう、貴方が彼女を

信じてあげなければ彼女は喜ばないと思いますよ」

「…そうだね。そうだよね」


魔導人形たちは行方をくらましているストリウスとどこかしらが繋がっている。

彼らが普通に動いているのであればストリウスも生きているという証拠だという。

グリンダは彼と繋がっていないのだろう。だからこそ特殊。





骨を踏み抜き歩き出した男がいた。


「骸を潰して歩かない方が良いと思うけど…地獄に堕ちても知らないぞ」

「ゲヘナ。俺はとっくに立派な大罪人だから、今更徳を積んでも

地獄に堕ちるよ」


ゲヘナと呼ばれた青年は溜息を吐いた。


「娘に会うつもりも無いのか」

「今のところは」

「可哀想な娘だな」

「俺がいなくても他に頼れる奴がいるからな」

「父親の癖に子どもの世話は他人任せかよ」


諦めた。この男は今のところは娘に会うつもりはないという。

男と因縁のある者にゲヘナを含めた者達は玩具にされていた。

平穏に暮らしていた人間が今では人間が恐れる怪物になったのだ。


「娘が国王になったんだってな。おめでとうさん」


オズという国の新しい王、ドロシー。彼女が現在、どのくらい大きく

なっていてどんな性格になっているのか男も分からない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ