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第4話

ヒロイン登場です。

パパ。パパ何処にいるの?

ママは毎晩泣いているよ。

パパに会いたくて、寂しくて…

私は…、






その日、人類は思い出した。


「ああああああん!!仄暗い穴の中に入るのってなんだか興奮、し・ちゃ・う・ゾ!きゃるるん。でもあたしは挿れられるのも、す・き・よ?」


巨大なオカマと狭い洞窟に入る恐怖を・・・・


『クリス教官今日も元気いっぱいですね。思わず心臓を捧げたくなりますよ。』

「あらあああん、よくわかんないけどありがとぉん。でも捧げるなら心臓じゃあなくてルーちゃんの童て、、」

『ほら、教官!あそこに開けた場所があります。一度休憩入れませんか?』

「あらほんと!じゃあ、あそこに荷をおろしましょおおん」



皆、満身創痍であった。

歴戦の選び抜かれた強者達のsan値がピンチである。

這い寄るオカマはこれほどなのか。

異常状態耐性スキルが勝手に身につきそうである。


「ルース、ありがとう。ちょっと疲れた。」

『いいのさ、テイル。君は貴重な回復術師で戦闘要員じゃないんだしね。ゆっくり休むといいよ。』


彼女は綺麗な黒髪を束ねたポニーテールを揺らし、微笑みながら腰を下ろした。

目の下のクマはきっとsan値をごっそり持っていかれた為だろう。


テイルは、クリス教官より少し後にこの村に来た小隊の実戦部隊員候補だ。

人の傷を癒すという特殊な魔術を行使する。

何処で覚えたのかと聞くと、物心ついたときには何となく使えて、

その後は独学、というか村の治療院で働きながら徐々に身に着けていったらしい。

現場主義の天才肌である。

歳は俺より二つ下らしいが、印象としてもっと幼く感じるのは

彼女がもつ、人懐っこい性格のせいだろうか。


魔術といえば体内の魔力を攻撃に変換したり、身体の強化を行ったりと、

有り体に言えばオラついた事しかできないはずであるが、

数十年に一度くらいの頻度で、癒しの魔術を使える人が生まれるらしい。

どのようなメカニズムで回復魔術が使えるかは正直わからないとの事。

そもそも調べようにも母数が少なすぎて調べようがないのと、

即戦力として、問答無用で勇者軍に引っ張られてしまうので、

学者先生方は手が出せないんだとか。


確かに、余裕がない人族にとっては致し方のないことなのかもしれない。

そんなことを思い耽っていると、髪と同じ色の黒くきれいな瞳が二つ、こちらをのぞき込んでいた。


「ルース、何を考えているの?お腹すいた?」

『いいや、テイル。ちょっと考え事をしていただけさ。それにしても今日もかわいいね。あれ?少し前髪切った?それで綺麗な瞳がよく見えるのかな。』

「うん。えへへ。ルースいつも褒めてくれるのすき。それと私お腹すいた。」

『テイルのことはいつも見ているからね。何かあったら遠慮せずに言うんだよ。それからほら、このパンをお食べ。』

「ありがとう。すぐに言うね。もぐもぐ」


なんということだろう。

さっきオカマゴリラと同じようなくだりがあったというのに

テイルとの時間は先ほどの苦痛を受けてもおつりが来るほどの充実感である。

魔術を使う前から癒してしまうとは。してやられたり。


他の戦闘職の皆さんも一同に、もぐもぐ姿のテイルに癒されている。


「ああん、休憩した後はいよいよモンスターが出るフロアよおん。皆気合入れてちょうだいん。ルーちゃんは初めから強いけど戦闘ははじめてなんだから、無理しちゃだめよ?何なら今夜ルー君のもう一つのはじめてを…」

『わかりました!油断せずに頑張ります。』

「あーーん。最後まで言わせないのね。このテクニシャンの焦らし上手ぅ。」


休憩前よりも疲れているような気がする皆さんを、教官が叩き起こして次へと進む。

さあ、いよいよ初めての戦闘だ。

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