第2話
警告。H2プロジェクトを最終シークエンスに移行します。
よろしいですか? ………Y/N
これで、まだ…
まだ、戦える。。。
『あ"あ"あ"ああんん、あ"ああ"ああぁぁおおお。。。フウッっ』
せっかくの初出勤なのだ、
ダンジョンに向かう前に、賢者の心得を再度確認した方が良いと思い
出掛けのいっぱつ…、日課である煩悩に打ち勝つ修行に勤しんでいた。
いつもは寝る前なのであるが、新しいことを始める朝というのは
どうも心が落ち着かない。逞しきイメージ力は日々の鍛錬の賜物である。
ありがとう、武器屋のエリーさん。
ガチャ、
「あ、そうそう今日お父さんも遅くなるって言ってたわ!」
『ああ、わかったよ母さん。わざわざ伝えに戻ってきてくれてありがとう。行ってらっしゃい』
「あんた、そんな恰好でよくそんないい顔できるわね。」
『ああ、母さん。今は賢者の境地だもの。』
「バカ言ってないで早く出かけな!」
バタン。。。
さて、俺も出かけるか。
優雅に下半身の後始末を行い。
下ろしたてのパンツと装備を身に着ける。
さあ、俺の冒険はここから始まるんだ! ~完~
ここで終わってくれたら、めんどくさい訓練など打ち切りになるのにと
心で愚痴をこぼしつつ集合場所であるダンジョンに向かったのだ。
ダンジョンへの道すがら、武器屋のエリーさんに今朝のお礼を伝え、
何のことか分からず困っているエリーさんに得意のアルカイックスマイルをお見舞いしながら
今度は困り顔もいいなあ。などと今夜のオカズさがs…。
さて、ダンジョンについたようだ。
このハジメ村において、勇者、詳しく言えば勇者候補は俺しかいない。
しかしダンジョンの入り口には大勢の人が整列していた。
なんでも、勇者となる者は絶対数が少ない。
勇者だけで編成された軍を作るよりも、
勇者一人に対してサポートメンバーを配置し、
それを一小隊として編成させる。
その一個小隊につき魔族を一体倒せるレベルの戦力になるまで訓練と調整をした方が
効率が良いというのが国の方針である。
したがって入り口に多数いらっしゃる方々は、
俺の小隊の所属になる戦闘員、サポート要員、訓練教官、事務官と様々なメンツがそろっているのだ。
そりゃあいきなり、お金渡されて
さあ!行くのだ勇者よ!
と無責任に放り出すような事するわけないよね。
実は昨日全員と顔合わせを済ませている俺は、隊に合流するのであった。