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ハッピーエンド執行人  作者: いちごみるく
第二章 血にまみれた赤ずきん
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18.歌声 sideカリナ

風に乗ってカナタの歌声が聞こえてくる。

(あいつ、また歌ってる……。まぁ、彼女の歌を聞けば誰だって、金を出したくなる。金を稼ぐには丁度いい。あんな子供だましなウサギの芸よりも……。)

先ほどまでひたすらに町の人を捕まえて、町の人に赤ずきんちゃんについて色々聞いて回っていたのだが、その手を止めて、歌に身を任せる。この歌声はとても好きだ。綺麗な歌声を聞いていると、まるで自分の心も綺麗になるような気がするのだ。この殺人者である自分が救われるような気がするのだ。

彼女は自分の事情を聞いても他の人たちのように怖がったり、避けたり、罵ったりはしなかった。

『君はとても優しいよ。』

いつもそう言って自分を肯定してくれる。

何を思ったか、彼女の歌っている歌を小さな声で口ずさむ。

「♪~Love me?~♪」

彼女と同じ声で、彼女と同じ音楽を歌っても、やっぱり彼女の歌声のようにはならない。

だからこそ唯一無二の彼女の歌声を守らなくては……。童話の世界の人のためじゃない。なにより自分自身のために……。自分自身が救われるために……。

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