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大変お待たせいたしましたm(__)m

 積み込みやその他の連絡用にアキラはビルに小型インカムを投げて渡した。そのインカム見身につければほぼ隠れてしまうタイプのもので、その中にスピーカーとマイクが内蔵されている。もちろんこの手の安心メーカーであるライゼン社製のものなので、音声品質も折り紙付きのものだ。いわばヘッドセットタイプのトランシーバーというやつだ。

 ビルとの通信確率を確認したアキラは、開いたハッチ上部にある赤外線にめがけてリモコンから積み込み用電磁クレーンの電源を入れ、積み込みモードに切り替える。この電磁クレーンきは専用AIが組み込まれており、ビーコンをつけた積み荷を自分自身で検知し、積荷をスキャンすることによってその大きさや重さを計算し積荷をキャッチするとそのまま積み込みを行うという便利アイテムだ。これもアキラがソフィア号を購入するときに惜しまずつけた代物だ。

 電磁クレーンが幅五メートル、高さ五メートル、奥行き七メートル、重量約八トンの黒い金属製のコンテナを電磁固定して積み込みを開始する。積み込みはAIが行なうが、途中ぶつかりそうなところはないか等を確認しながら行う。


 積み込み時の危険箇所を通り過ぎてから、アキラはこちらの様子をじっと見ているビルにインカムで話しかけた。


「どうしたアキラ?」

「あの産業省の役人には気をつけろ」

「何があった?」

「アイツ、親父と母さんを殺した連中と同じ蜘蛛のバッジをつけてやがった」 

「本当か?」

「こんなので嘘をついてどうする」

「確かにな、それでお前はどうする?この仕事降りるか?」

「まさか、なんたってあのスペンサー博士の荷物を運べるだぜ?降りる理由がねぇよ」

「わかった。気をつけろよ?」

「もちろんだ。それと念には念を入れて、アイツに連絡取っといてくれ」

「アイツって」

「アイツってトレイシー・ミュラーか?」

「そのトレイシーだ。まぁあいつに借りは作りたくないんだかな……」

「なんせなぁ……」

「そういうことだ……ま、よろしく頼んだぜ」

「了解した」


 アキラはビルとの通信を切ったとき、ちょうど積み込みの設置するところだった。今回はモノがモノだけに上下からも各六ケ所にレーザーストラップをつけて空中設置をすることにした。まぁ設置は小型ロボがやるのでアキラは面に対しての設置数だけを手元のタブレットに入力するだけである。

 レーザーストラップの設置が完了し、船内からの貨物室の入り口にあるストラップ固定ボタンを押すと、各面に取り付けられたレーザーストラップの各レーザーがそれぞれに固定され、コンテナは貨物室の中央に下から一メートル程浮いた状態で固定された。

 スペンサー博士はコンテナが空中に宙吊りでしかも揺れもせずしっかり固定されたことを非常に興味深い目で見ていた。

 固定がしっかり完了していることを確認したアキラがビル達の元に戻ると、


「あ、あああ、アキラさん、あ、あの……ち、ちゅう……宙吊り固定は、い、いいい、今はしっかり、こ、こ、こここ、固定されているようだけど……シ、シ、シ、シャトルが、ゆ、ゆゆゆ、揺れたり、す、すると……ど、ど、ととど、と、どうなるの?」


 相変わらずのカミカミ口調でスペンサー博士がアキラに聞いてきたので、アキラはシャトルの揺れに対してと揺れずにストラップだけが揺れるようになることを伝えると、「はぁ!」とスペンサー博士は感心していた。

 というか、感心するとこはそこなのか?とアキラはポカンとしているが、まぁこれがスペンサー博士なのだから仕方がない。まぁ好奇心旺盛でなければ発明家なんかにはなれないのだろう。

 そして、終始にこにこしながらスペンサー博士の横に立つジェファーソン。その笑顔の中の目はまるで狙った獲物は決して逃さない蛇のようにアキラをじっと見据えていた。

 

 アキラの指示でスロープとハッチが閉じ、安全確認をアキラとビルの部下で行なった後、ビルがアキラのもとへ行きインカムをアキラに返すと、


「ジェファーソン氏の件はトレイシーに連絡しておく。あとこちらでもそれとなく調べてみるよ」


 とアキラの耳にささやくようにそう言った。

 アキラは小さく頷くと、


「じゃ、行ってくるよ」


 といつものようにウィンク交えてビルに言うアキラ。


「おう、お前は死んてもミレーヌちゃんと積み荷は守れよ」

「ぬかせ」


 とビルが軽口で返すとアキラも軽口で返し、そのままアキラはシャトル搭乗口からシャトルに入っていった。





 コックピットに移動してきたアキラをじっと見つめているクロの喉を数回なでたアキラは、そのまま機長シートに座った。

 数回喉を撫でられただけのクロは喉を鳴らす前に止められてしまったためにかなり消化不良なムスッとした表情をして、出発した後にくるほんの少し無重力状態に備えるためキャリーカーゴの中に入っていった。

 以前そのままでいたところ、ステーションを出てすぐに来た無重力でクロはあっちへこっちへふわふわと漂い、それが内蔵を刺激して思い切り嘔吐物をシャトルコックピット内にぶちまけてしまったことがある。そのための対策として、キャリーカーゴを床に溶接して、吐きたくなったらカーゴから生えているゲロ袋にすることにしたのである。当初は袋から逆流してくる自分の嘔吐物で窒息しかけたこともあるが、猫もそこら辺は学ぶようで何回か窒息死仕掛けてからはうまく吐き出せるようになっている。

 クロ曰く


「こんなの経験積めば猿にでもできるわよ」


 とのことだが――猿の方が賢いかもしれないことはこの際伏せておくことにする。

なんかPVが1000を超えてる。

読んでいただいてありがとうございますm(__)m


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