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ブックマークが11件もあることに驚きと感謝です。

ブックマークいただいた方、ありがとうございます。


完結まで頑張りますのでよろしくお願いいたしますm(__)m

 税関を抜けてソフィア号が停泊してあるH格納庫のある二十三番窓口に行き、アキラとミレーヌそれぞれの掌静脈と両目の網膜で認証を抜けてH格納庫のアキラの運搬船「ソフィア号」にタチバナ号から持ってきた小型冷蔵庫を大型冷蔵庫の隣の冷蔵庫スペースのソケットに持ってきた冷蔵庫のプラグを差し込み、動かないように設置する。またそれぞれの荷物をそれぞれの部屋に入れてから一旦ソフィア号を離れて、マカヴォイトランスポーツの運搬センターに向かう。

 運搬センターでは体育会系な運搬士があっちへこっちへと荷物を抱えて行き交っている。そんな仕事の中、アキラに気づいた社員たちとのハイタッチ旅行が始まる。


 ハイタッチ旅行の波が過ぎ、センターのカウンターにたどり着いたアキラたちは、カウンターにいたスタッフにセンター長のビル・マッケンジーを呼んでもらった。なぜセンター長を呼んだかというと、そのほうが話が早いとのアキラの勘である。

 まぁこのセンターでもアキラは知られた人間でもあるので、すぐにビルがやってきた。


「よう、アキラ。元気してるか❓」

「ああ。ビルも元気そうで何よりだ」


 アキラはビルの握手に応える。

 手を離したビルがミレーヌに視線を移すと、


「ミレーヌちゃんも元気そうだね」

「はい。ビルさんもお元気そうで何よりです」


 挨拶が最後に回されたクロが、


「アタシはミレーヌよりしたってこと?」


 とむくれている。


「ごめんよクロ。クロも元気そうで何よりだ」


 とビルが笑顔を引きつらせながらそういってクロの頭を撫でてそのまま喉を撫でる。撫でられているクロは喉をゴロゴロ鳴らしながら気持ち良さそうにしている。こうしているとクロも猫だなぁと思う瞬間でもある。


「それでさ、ビル。デレクからの頼まれものがあるんだが……」

「ああ、核融合発電装置な」

「そうそう。これがデレクからの書類な」

「おう、預かるぜ」


 アキラが差し出したデレクからの書類を受け取ると、クロから手を離して後ろにいるスタッフに手で合図をする。

 突然ナデナデを中止されたクロは不満そうだが、ここは仕事のために我慢してもらうしかない。


「アキラのシャトルはまだH格納庫だよな?」


 デレクからの書類とスタッフから受け取った書類を確認しながらビルが格納庫を確認してきた。


「ご名答。というか、ここんとこ毎回H格納庫でほぼ固定みたいな感じだけどな」

「まぁ、運送業やってりゃシャトルの格納庫なんて固定されるようになる。うちだって格納庫を固定で借り受けたりしてるわけではないが、みんな固まってるしな」


 ビルはそう答えながらスタッフに輸出手続きに書類を回すよう指示を出した。


「早く専用の格納庫がほしいところだが、先立つものがなぁ……」

「まぁそう慌てなさんな。そのうち掘り出し物が出るだろうさ」

「そうだといいんだかねぇ」

「ま、輸出手続きに十分ほどかかるだろうから、先にH格納庫に行ってるか?ブツはこっちのスタッフ連れてH格納庫に持ってってやるよ」

「そりゃ助かる。じゃあシャトルでのんびり待ってるわ」

「そうしてくれていい――そうだ、お姫様お二人に俺たちからのプレゼントだ」


 と、ビルがミレーヌにはマカヴォイトランスポーツ社の社章バッジと、クロ用に天然生メグロの猫缶三つミレーヌに手渡した。


「あ、ありがとうございます!」

「あら、天然物とは気が利くわね」


 ミレーヌはにっこり笑顔でビルに礼を言い、クロは「当たり前だ」とばかりにふんぞり返っているが、その口はかなりニヤけていた。まぁここでよだれなんぞ出そうもんなら、そのよだれはミレーヌの桃色ブロンドヘアに垂れ落ちることになる。なのでクロは必死に我慢してはいるが、今すぐガッツキたい本能がそのまま表情に出ているところが笑える。




 アキラの船「ソフィア号」に戻ったアキラ一行はスイーツを食べようとタチバナ号から持ってきた冷蔵庫から取り出したスイーツの箱を開けたままミレーヌが固まっている。


「ミレーヌどうした?」


 アキラの問いかけに、ミレーヌはギギギギ……と音がするような感じで首を回してアキラを見る。その目からは涙が滝のように流れていた。


「アギラざーん……ゲーギが、ぐぢゃぐぢゃー――」

「へ?」


 ミレーヌの元にアキラとクロが駆けつけて箱を見る。

 そこには盛大にぐちゃぐちゃにくずれたケーキがミックスされていた。


「あちゃー……シャトル射出時のGにやられたな――」

「あーあ……」

「アギラざーん、どうじよう――」


 まだ盛大に泣き中のミレーヌ。


「あ、皆でこのまま突っついて食べりゃいいじゃん」


 とアキラが手をぽんと打って提案する。

 クロは「アタシ関係ない」とばかりにシートに戻って丸まった。


「ぜっがぐぎれいなゲーギだべだがっだのにー……」


 号泣中のミレーヌを他所に、アキラが崩れたケーキをスプーンで掬って食べてみせる。


「どうでずが?」

「お、うまいよ!」

「ぼんどでずが?」

「マジマジ!」


 ミレーヌも一掬いケーキを食べてみる。


「おいじー!」


 更に泣くミレーヌ。嬉しいのか嬉しくないのか――


「美味いだろ?」

「ばい」


 と、鼻をズズーッと啜る。そんなミレーヌにアキラはティッシュペーパーを渡すとミレーヌはティッシュペーパーで盛大に鼻をかみ、再び崩れたケーキを掬って食べる。


「おいしーですー!」


 と、更に泣くミレーヌ。

 こりゃ駄目だと、クロは大きく溜息をつくと更に丸まって目を閉じてそのまま寝に入る。

 その後、ミレーヌは「おいしーよー!」と泣きながらケーキを完食したのだった。


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