エピソード1
さて、まず何をしようか……
ブモォォォォ!!!
!?
ヤベェここ森の中だったわ……
よし、逃げるか
『何で逃げるのさ!』
うおっ
「急に話しかけてくんなよ」
『ごめんごめん、で、何で逃げるのさ!』
「何でって、俺はただの人間だ、くらい森の中で猛獣と戦って勝てるわけがない」
『……あっちゃ~、ごめんね~説明を忘れてたよ~とりあえず『ステータスオープン』って言ってくれるキミの好きだったゲームみたいな感じで』
……何でこいつそんなこと知ってんだよ?
『神だからだよ~とにかく早く~』
チッ
「ステータスオープンッ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前:羽音 甲蛾
種族:ダンジョンマスター
職業:魔王
HP:1280/1280
MP:640/640
STR:52
VIT:68
DEX:48
AGI:60
INT:44
スキル
・迷宮創造:ランクS
・迷宮主:ランクS
・魔王:ランクS
・異世界人:ランクA
・全ステータスUP:ランクB
・蟲使い:ランクB
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「見たよ、見たけど凄いのか?これ」
『凄いよ!大体の種族の平均ステータスはHPとMPを除いて18ぐらいだからね』
「まじか!すげぇな!」
『うん、じゃあチュートリアルとして、はじめの魔物を倒そうか』
そう言えばそうだった……
「なぁ?」
『なに?』
「俺、勝てるよな?」
『余裕だよ、なんたって『魔王』だからね。その気になればデコピンで勝てるよ』
「……分かった、やって見る」
『デコピン?』
「ンなわけねぇだろ、戦うんだよ」
『そう、頑張ってね~』
人事みたいに……
まあいい、行くか
ブルルルルル
ヤベェ、めっちゃデカイ牛見たいな奴がいる。それも2頭。
ブモォォォォ!!! ブフゥゥゥゥ!!!
ナワバリ争いか?
早いとこ仕留めた方がいいかもな。
行くぜ!
『永久凍土の黒吹雪ッッッ!!!』
シーーーーーン
何も起こらん……
「どういう事だ神ィィ!!」
『アハハハハ!!当たり前だよ、そんなスキル持ってないんだから、ヒーー笑ったぁ』
ウゼェ
「んじゃどうやって勝つんだよ!」
『肉弾戦に決まってるじゃん』
「ムリだろ!」
『行けるよ、第一あの程度の攻撃力だったらダメージ1も入らないね、それと、さっきの大声で気づかれてるから。ガンバ!!』
まてぇい!……クソッ、切れやがった。
ブモォォォォ!!! ブフォォォォ!!!
そうか、気づかれてるんだったな。
「しゃあねぇ、来いやデカ牛がぁぁぁ!」
ブルルルルルルルルル!!
リズムゲームで鍛えた俺のリズム、見せてやる!
タイミングを合わせて…………
「喰らえッ『デコピン』ッッ!!!」
ブチィィ…………ビチビチビチャ
「おおおぅスプラッタ?グロイな」
『お疲れ様~いや~良かったよ~』
「急に出てくるの止めてくれねぇか?」
『アレ~もう慣れちゃった?まぁいいよ初めての戦闘での勝利、おめでとう!』
「……おお、サンキュな……」
『キミ、戦闘になったら性格変わるんだね~』
「らしいな、なぁ神?」
『ラノラインでいいよ』
「んじゃラノライン、俺初めて生き物を殺したんだけど、なんも感じねぇんだわ。なんでか分かるか?」
『魔王補正だね、殺す度に心に負担がかかってたら直ぐに気が滅入っちゃうよ』
「そうか……大変だな、魔王ってやつも」
『大丈夫だよ、キミはダンジョンマスターだから、直接手を下すことは少ないよ』
「!ダンジョン!おい、ラノライン!俺のダンジョンは何処だ?」
『ここだよ。もちろん1から作らないとね』
「ここ?」
『うん、だからちょっと開けた場所に近いように扉を開いたんだよ』
そうか、なんかラノラインっていいやつだな。
『そこで、迷宮創造のスキルを使ってみて。あと、ボクとしゃべる時は声に出さなくていいから、さっきまで独り言喋ってる変な人みたいだったよ』
やっぱこいつウゼェ~