プロローグ
どうも、作者です。
このお話を簡単に説明すると、『何でも屋みたいな部活に女の子が入部する』と言う結構、ありきたりなお話です。
王道な展開も多いです、作者の文章力は低いです。
そして、一次を書くのは初めてです。
それでも、良いと言う人は是非読んでみてください。
それでは、どうぞ。
数日前……この私、月見 瑠花が三年間過ごす事になった高校の入学式があった。
ここ、『私立西南高校』は昔は不良が沢山いて、ケンカとか、事件ばっかりの危ない所だって聞いていたけど……。
不思議な事に、ここ数年で、不良が減って地域の評判も良くなってきているらしい。
でも、その噂を聞いても不安に思っていたけど……入学式の時に周りの生徒を見てみたら普通だった事に驚いた。
……逆に私と同じく驚いてる子も見つけたし。
それに、入学式から数日たったけど、怖いことは起きてないし……正直、ホッとした。
第一志望の高校を不合格になって、この学校に入学する事になった時は、怖くて怖くて……飼い猫のジライヤにずっと慰めて貰ってたのに。
そして、今、私は自分の机で、帰りのホームルームに配られた部活動に関するプリントを眺めていた。
「部活動かぁ……」
小、中学校の頃は特に部活などには、入部せずに帰宅部だった。
部活をするより、お家で家事をしたり、ジライヤと遊んでる方が好きだったし。
もちろん、部活には興味はあったけど……入部をするタイミングを逃したというか……中学生の時は色々とあったんです。
(せっかく高校生になったし……試しに部活でも、入部してみようかな? もしかしたら、仲の良い友達が出来るかもしれないし……)
そして、私は部活紹介のプリントに目を通した。
文芸部とか生物部とか、オーソドックスな部活の他に、色々とおかしい部活の名前もあるけど……。
(…………家庭科部なんてどうだろ?)
私が目をつけたのは、家庭科部だった。
家庭科部なら、怖い人も居なさそうだし……何より女の子が居そうだから、なんて単純な理由で決めた。
「よしっ……!」
行き先が決定したので、私は部活紹介のプリントとカバンを持って、文化系の部室が集まる部室棟に向かうことにした。
未だに、自分の教室の場所が分からず迷うことのある私だけど……プリントには部室棟の地図があるから大丈夫だよね?
これが私の高校生活に、大きな影響を与えることになる『学校救済部』の先輩達と出会うきっかけでした。
―――――――
「えっと、ここが家庭科部だよね……?」
様々な苦難を乗り越えて……私はプリントに書かれている、部室棟の地図を頼りに家庭科部の部室の前にたどり着いた。
……かも知れない。
(……本当に、家庭科部の部室なのかな?)
相変わらずの方向オンチのせいで、色々迷ってしまって……ちゃんと家庭科部の部室に、到着出来たのか不明であり。
その上、家庭科部である事を示してくれる表札的な物もない。
(なんで、部室棟なんて作ったんだろう……。 部室棟まで辿り着くのが大変だったよ……)
この学校は、新館が二つと旧館があった。
新館の一つには、一年から三年の教室が集まっていて、もう一つの新館は、家庭科室とか音楽室の移動授業で使う教室が集まっている。
ちなみに、私の探しているのは、部活の部室が集まっている旧館なのだが……。
部室棟の入り口を探していたら、新館の入り口にたどり着いて、そのまま別の校舎だとは分からずに存在しない部室を探して迷っていた。
……なんで、私は歩いても歩いても、部室が一つもなかった事に気づかなかった!
そんな苦い経験をした、私は部室の前でプリントを見ながら、本当に合っているのか確認していた。
……けど、いくらプリントに書かれている地図とにらめっこをしても、合っているのか全く分からない。
(いっその事、入って確かめる? でも、間違えて入って変な空気になるのも……)
自分の意気地無さと、方向オンチにウンザリとして、今日は出直そうと思った時……上機嫌な鼻歌が聞こえた。
(誰だろ? すごく上手だけど……)
鼻歌がした方を向いてみると……サイドテールの女の人が鼻歌を歌いながら、上機嫌にスキップで移動していた。
(確かに上手いんだけど……なんで、ハンバーガーチェーンのCMソングなんだろ?)
そして、私と目線が合うと鼻歌を止めて、サイドテールを振り回しながら、凄い勢いでこっちに走ってきた。
「どうしたんッスか? そんな、捨てられた子猫ちゃんみたいな目をして~可愛いから、お持ち帰りしちゃうッスよ?」
サイドテールの女の人は、ニコニコと笑いながら話しかけてきた。
……私? 状態異常『恐怖』になりました。
「あっ、大丈夫ッスよ! お持ち帰っても、ちょっと愛でるだけッスから! ハンバーガーみたいに食べちゃったりしないッスから!」
「愛でる? ハンバーガー?」
あまりのテンションの高さとツッコミ処の多さに、どう対処すればいいか分からず立ち尽くしていた。
そして、サイドテールの女の人は、私の態度に疑問を浮かべていたが……すぐに何か思い付いた顔をした。
「あっ、そんなに怯えなくても大丈夫ッスよ! 自分、怪しい人物じゃーありやせん!」
「……そ、そうなんですか」
初対面にお持ち帰りとか、愛でるとか言ってる時点で怪しいんだけど……。
言葉に出ないツッコミを心で消化していると……サイドテールの女の人は、私のリボンを掴んだ。
「な、なんですか!?」
「ふむぅ、このリボンの色は……ずばり! ピカピカ一年生ッスね!」
「は、はい。 そうですけど……」
「んっふっふー、私の読み通りッス!」
私のリボンから手を離して、満足げな表情をしているサイドテールの女の人の胸には、青いリボンが付けられていた。
たしか、『赤いリボンが一年生』で、『青いリボンが二年生』で、『緑色のリボンが三年生』だっけ?
つまり、目の前にいる女の人は、青いリボンを身に付けていたから、二年生で先輩のようだ。
「ところで、随分困ったような顔をしてたみたいッスけど……何か困った事でも?」
「は、はい。 実は……」
「なるほど、なるほど……それじゃ、この頼りになって可愛らしい美歌先輩が、迷える貴女の相談に乗っちゃうますッスよー!」
静かに頷いたと思った矢先に、テンションが高くなり、胸を反らし自分の事を親指でさして、頼もしさアピール(のつもりだよね?)をしていた。
(まだ何も言ってない……な、なんと言うか濃い先輩だなぁ。 嫌いじゃないけど)
決して悪くないし、怖くない先輩なんだけど……この先輩に相談して大丈夫なのだろうか?
なんだか、とんでも無いことになる気が……。
「わかった……分かったッスよ! ワトソン君!」
「誰が、ワトソンですか……それに私は女ですから」
「おぉ! ナイスツッコミッス! これから、経験を積めば立派なツッコミリストになれるッスよ!」
「ツッコミリストって……それより、何が分かったんですか?」
――――今、思えば……
「さては、あれッスね! 部活動見学に来たんッスね!」
「えっ……は、はい。 そうなんです……良く分かりましたね?」
「新入生、部室の前、切なそうな顔……これが示すのはただ一つッスよ!」
――――この先輩と出会った時点で
「ズバリ、部室にたどり着いたのはいいけど、一歩踏み出す勇気がないってやつッスね!」
「……まあ、大体合ってるのかな?」
――――私の運命は決まっていたのかもしれない
「ふっふっふ……可愛いッスねー、そんな可愛い後輩ちゃんを応援するッス!」
「えっ? あ……あのっ……なんで、手を握るんですか?」
「一緒に入ってあげるッス!」
先輩は私の手を握りしめ、そのまま私の手を引いて……部室の扉を開けた。
「ジンさーん! 部活動見学の可愛い女の子がきたッスよ!!」
――――こうして、私の騒がしくとも楽しい
「ほらっ、早く挨拶するッスよ!」
「わっ、お、押さないでくださいよ……」
先輩に背中を押されて、一歩前に出る。
……もうこうなったら、なるようになれだよね?
「い、一年E組の月見瑠花です! た、体験入部をしに来ました!」
――――『学校救済部』の先輩達との高校生活が
「ようこそ、瑠花ちゃん! 学校救済部へ! 歓迎するッスよ!」
「…………えっ?」
――――幕を開けちゃったりしてます。
お疲れさまです、プロローグを読んでいただきありがとうございました!
慌てて色々と修正したので、分かりにくい部分がありましたら申し訳ないです。
これから、ドンドン、ネタもボケも一杯入れるつもりなので、期待しててください。
……とっ、言っても受験生なので更新のスピードは遅いですが……ゆっくり待ってください。
それでは、もしよろしければ、感想をお願いします!