妄想と現実
「ぎゅる~」
たかだか1リットルほど一気飲みしただけで体調が崩れるとは。
つくづく人の体は脆いと思う今日このごろ。
それとも自分の体が他人より弱いだけか。
「ふぅー」
まあ考えても仕方ないか。
小学生のころは体力は上の下だったのに中学高校と帰宅部でクラスで体力テストはベリ2ぐらいだったしな。
最近は軽く100m走っただけで息切れしてたし。
よく考えれば最近の自分はマラソンのみなら小学生の時のほうが断然長い距離を走れたしタイムも早かったような。
びしゃびしゃ
ゆったりと水に浸かっていた。
「えっ」
かすかに見える日の光眺めていると月のような衛星が2つ確認できた。
いまいち実感がわかず反対の方角を眺めると真っ赤に強く光る恒星がありなんとなく惹きつけられ魅了させられていた。
「・・・・・」
1日たってようやく少なくても地球ではないと理解したが何とも言い難かった。
それはなんとなく24年生きてきており、ライトノベルやネット小説を読み勝手に妄想して異世界行ってみたいなとかチート万歳と思ってもいままで特に成功した経験もなく異世界に行くよりフリーターやって休暇は家でネットやってる方がましだと思ってたからである。
でもやはり人並みに安定した生活や彼女を求めてはいるが自分にできる気がせずなんとなく尻込みしていた。
そう思えば今回はチャンスであるものの持ち前のやる気のなさにより3日坊主になると思えばなかなか前向きになれず悲観的だった。
どのみち帰る当てがないここで生きていくしかないのだが。
「よしっ」
時計が7時をさしそろそろ移動しようとしていた。
枝に干しておいた服を着る。
まだ当たり前のように湿っていてびちゃびちゃと身体に吸い付き非常に気持ち悪かったが着てればそのうち乾くかと思った。
空のペットボトルに水を入れて出発した。
歩き始めて3時間ほどは現代人としては永遠とも等しく続く森に珍しさを覚え鼻歌を歌いながら歩いていたが代わり映えのしない風景に苛立ち。
何度も何度も時計を見ながら歩いていた。
何時になったら森に出れるんだろうと思うが時計の針はなかなか進まず空腹と疲れから頭はボーっとしながら足だけ前えと進めていた。
空は快晴であり無情にも体力を奪っていった。