004-俺様の黄金の脳みその中に詰まった液化Auが導き出した超素晴らしい悪魔的発想大作戦を実行に移すために、俺は今できる事をする
「フハハハハ」
「すごい.....」
数時間後。
俺は胸を張って魔王の間から出た。
作戦案をガテガに頼んで羊皮紙に纏めてもらったんだ。
それをもっともらしく示して、魔王にいくつか許可を貰った。
・ゴブリン工兵小隊の貸与
・元自然軍軍団長の毒の使用
・一部物資の借り受け
・インプ工兵大隊への短期製造依頼
まず、ゴブリン工兵に関しては今回扱うものに数が要るので必須だった。
余剰戦力らしく、気前よく貸してくれたな。
毒に関しても同様。
一部物資というのは、兵に食わせるメシと、転移魔石などだ。
移動をどうしようか悩んでいたら、ゲケナが俺に提案してきたのだ。
「インプをどうするの?」
「フフ、聞きたいか」
例え状態異常を防げても.....というわけだ。
俺は出来れば触りたくないので、汚物慣れしてそうなインプに頼むことにした。
「そして、一番大きいのは...」
「私。.....ハオの力になれる?」
「ああ、必ずな」
勇者との戦いでは必須だ。
ああ、ついでだ。
「ゲケナ、剣技を見せてくれ」
「うん」
俺は中庭に移動する。
人間は珍しいようだな、かなり注目されているのがわかる。
モンスターどもにはどう映るんだろうな?
他の人間と同じザコか、それとも異世界人の特別な存在か?
まあ、バケモノ共に注目されようが関係ないが。
俺は人間に特別視されてーんだ。
「どこに剣を持ってるんだ?」
「待ってて」
ゲケナは中庭に刺さっていた錆びた剣を手に取る。
それでいいのか?
だが、すぐに納得する。
「はあっ!!」
「素早いな、それに重心の置き方も上手い」
それっぽい事を言っているが、俺は素人だ。
こういう時は褒めた方がやる気に繋がるだろう。
「ジェネラルゴブリンは皆こうなのか?」
「違う。私だけが、技術を磨いた」
「成程な」
確かに、ゲケナは浮いた存在に思える。
臭いし不潔なのは他のゴブリン共と変わらないが、華奢である事を活かして戦う。
ゴブリンはよく知らないが、デカくて強そうなのに皆従いそうなもんだがな。
まあ聞かないでおいてやる。
俺だって暇なのになんで働かないで親の年金で暮らしてるんだって言われたら相手に効きそうな反論できないしな。
誰だって言われたくないことは一つや二つあるもんだ。
「君の願いはなんなんだ? 自分を磨くには理由があるはずだ」
「...新たな軍団長にお仕えすること。でも、もういい」
「そうか」
自然軍は今軍団長不在なんだったな。
代わりが見つからないのだろう。
俺がなってやっても良いが、それには功績を立てなければ。
「それより、ハオ」
「ん?」
「あんな戦力で、本当に勇者を倒せる? 騎兵隊も連れないで、どうやって勇者と戦う?」
「良い質問だな」
地球で誰かが言ってたのを覚えている。
名言だから俺が言ったことにしよう。
「俺の作った格言だ。“戦いは始まる前に勝敗が決している”」
「...!」
「敵の土台を崩せば、根性や努力で勝敗を覆すなどと馬鹿げたことは起きないんだよ」
相手が始まる前から打撃を受けていれば、その分陣形を崩しやすくなる。
鉄則も鉄則だ。
「今回の作戦は、勇者に魔王軍の仕業だとできれば最終局面まで伏せる必要がある。ゲケナ、ゴブリン工兵は特に従順で静かにできそうで、命令はしっかり守るものだけを選別してくれ」
「うん...!」
「そして、勇者は俺が食い止める」
「えっ?」
「無論、武力じゃない。場合によっては味方に引き込むかもしれないからな」
勇者と話してみたい。
俺が嫌いな天才タイプなら、二度と生まれ変わりたくないと地獄で後悔するような目に合わせて殺す。
俺の好きな努力タイプなら、きっと俺の仲間になってくれる。
そして魔王をブチ殺して、俺が魔王軍を動かして元の世界に戻り、帝王として君臨するのだ。
あ、なんか可能そうなプランが見えてきたな。
やってみるか。
「どこへ?」
「インプに命じてくる。君はどうする」
「私も行く。私がいれば、話は通じやすいから」
「助かる」
インプのいる場所は、魔王城から少し離れた街だ。
歩くのはしょうがない、人の根源は歩くことにあるからな。
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