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001-異世界物品召喚装置を作った俺はなぜか異世界に召喚という形で転移してしまう。ついでに勇者を殺せと難題を吹っ掛けられたが余裕なので何とかする

全体的に全部酷い小説です。

汚い描写が多分に含まれます。

お食事の際のお供にどうぞ♡

 特別に求められたい。

 そう思ったことはないかな?

 自分だけが知る知識で、自分だけしかできない事をやる。

 そんな環境に身を置きたいと、人間誰しも一度は思う。

 だが、甘い。

 そんな事は、ほぼ起きない。

 いいや、違うな。

 そんな偶然は、たまたま手の中に転がってきたりはしない。

 手を伸ばして、掴まなければならないのだ。


「ふふ....ふふふははは、出来たぞ!」


 薄暗い部屋の中で、俺は笑う。

 俺の手の中にあるのは、何だかよくわからない物体だ。

 だが何に使うかはよ~~~く分かる。

 夢のお告げで見た、異世界からものを取ってくる装置だ。

 これがあれば、俺は唯一の異世界の物品の知識を持つ人間になれる。

 特別な人間に。


「どうやって稼働させんのかなぁ」


 夢を頼りに段ボールと粘土で作ったはいいが、動かし方が分からない。

 色々いじくっていると、パーツが取れた。


「あれ?」


 これでいいんじゃないのか?

 夢では確かに、これを作れば特別な存在になれるって....

 いや、そもそも異世界のものを取ってくる装置だったような?

 誰が取ってくるんだ?

 俺か?


「うおッ」


 考えていると、「装置」が光り出した。

 慌てて目を覆う。

 爆発するのか?

 火災保険入ってないぞ。

 明日からどうするか.....


「成功だ!!」

「成功したぞ!」


 そんな事を思っていたら、周囲が騒がしい。

 腕を目から離すと、周囲の光景は俺のよく知る地下室ではなかった。

 どこだ? ここ。


「――――成功したようじゃな」


 その時、正面から声が聞こえる。

 俺は顔を上げ、その先の暗闇に何かいる事を知った。

 目を凝らすと、最初に双眸が見えた。

 それから、髪が。

 身体が。

 胸のデカい美人が、くそデカい椅子に座っていた。


「貴様、異世界人か?」


 俺に話しかけてるのか?

 よく分からないが、毅然としておいた方が印象よさそうだな。


「おい! 早く答えろ! 魔王様がお聞きに――――」

「......ええ、して――――俺に何用でしょう」


 魔王という単語を聞いた途端、俺は恭順モードに入る。

 ここがどこかとか、誰がどうとか関係ない。

 権力者に逆らったら身が滅ぶ。

 俺は一応、長いものには巻かれる派なのだ。


「ほう、落ち着いたその態度。さては歴戦の猛者じゃな?」

「さて、どうでしょう。魔王というからにはさぞお強いのでしょう? 貴女に比べれば俺など......子供のお遊戯かもしれません」


 数年前までは確かに、俺は特別になろうとして気狂いみたいな修行をやってたが、そのうち無意味だと気付いた。

 結局こういうのは素質だ。

 特別に見られるような人間ってのは、常に偶然によって得た素質と、偶然によって得た機会で特別を手にする。

 俺にはこの超いい頭があったので、異世界物質転送器を完成させられたのだ。


「ふん。おべっかばかり上手いようでは困るがのう。よかろう、貴様を異なる世界より呼んだ訳を話そうではないか」


 異なる世界....って事はここは異世界って訳か。

 つまり装置は成功!

 あとは帰ればいいだけだが、方法が分からないな。


「.....待っていただきたい、俺は帰れるのでしょうか?」

「貴様の戦功次第じゃな、土産も付けてやろう」

「おお、有難い。....お話を遮ってしまい、申し訳ない」


 異世界のブツを持って帰れるなら、それでいい。

 俺の望みは地球で特別になる事だ。

 テレビに出て、新聞にも載って、俺の天才的発想をバカの妄想と罵ったバカ掲示板が俺の話題で埋まるんだ。

 いや、それはちょっと.....どうせあいつら悪口しか言わない暇人だしな.....

 そうだな、悪口しか言わないから罵られてもしょうがないか。

 夢はでっかく行かないといけない。


「――――貴様には勇者を倒してもらう」

「はぁ」

「翌日までに作戦を考えよ、場合によっては戦力も貸す。できなければ首を撥ね、次の異世界人を呼ぶまでだ」

「えぇ...?」


 つまり、つまりだ。

 それって、それって......

 次の奴が、異世界初の帰還者って名誉を受け取るって事だよな.....?

 ふざけるな、そんなこと許してたまるか。

 これは俺の、俺だけが受け取るべき神様からのご褒美なんだ。


「...そのような簡単なことでよろしいのでしょうか?」

「何じゃと? 妾の部下たちが成功しなかったことを、成し遂げるというのか? 貴様は」


 俺は周囲を見渡す。

 どこを見てもバケモンばっかだ。

 つまりこいつらは、勇者が何かも知らないに違いない。

 そんなんで勝てるわけないだろ。


「勇者であっても人間の筈、であれば勇者を殺すのは人間にしかできますまい」

「よかろう! その意気に惚れた! 作戦案を待っておるぞ!」


 俺は悠々と、広間を後にする。

 後にして、気付いた。

 アレ?

 自信満々に言ったけど、これ失敗したら俺処刑って事?

 それは....いやだな。

 廊下に出た俺は、そこで待っていた人物に話しかけられる。

 筋骨隆々の緑肌の男だ。

 体臭がヤバイが、浮浪者よりはましだな。


「キサマがイセカイジンか?」

「そうだ」

「アルジが呼んでいる、来い」

「承知した」


 俺は、こいつフロ入ってんのかと思いつつ後に続いた。


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