番外編--約束のその先へ
ネッ友の実話をもとに小説を作成いたしました!
面白かったらぜひ、代表作の「彼と私の平行線」チェックしてみてください!
あの日の記憶は、今でも鮮明に蘇る。
小学校の教室で夕陽が差し込む中、彼女から告白された瞬間。僕はまだ恋愛というものを知らず、ただその場の雰囲気に流されて「いいよ」と答えた。それから少しずつ彼女との時間を過ごしていく中で、自分でも驚くほど彼女のことを好きになっていた。
しかし、中学校に上がった春。僕の心に影を落としたのは、過去のいじめの記憶だった。小学校高学年の頃、些細なことで始まったいじめは次第にエスカレートし、僕の心を蝕んだ。周囲の誰も信用できなくなり、不登校という選択をするしかなかった。
そんな中、先生に勧められた別室登校。普通の教室には戻れない僕にとって、そこは新しい環境だった。でも、不安でいっぱいだった。扉を開けた瞬間、僕の視線の先にいたのは、彼女だった。
彼女もまた、この教室にいる。
「久しぶり。」
彼女は微笑みながらそう言ったけど、僕はまともに目を見ることができなかった。彼女の気持ちがわからない。僕たちの間には、いつの間にか気まずさが漂っていた。
時間が経つにつれ、少しずつ話せるようになった。彼女は昔と変わらず、明るく優しかった。けれど、どこか距離を感じる。僕の中でくすぶる感情を隠すため、過去の付き合っていた事実を忘れたふりをした。
中学3年生になり、受験シーズンが迫る中で、僕たちは勉強の話や将来のことを話すようになった。彼女の目標は、僕とは違う高校だった。それでも、一緒に過ごす時間が心地よくて、受験が終わるまではこの関係が続けばいいと思った。
でも、心のどこかでは、それでは足りないと感じていた。
ある日の放課後。テストが終わった帰り道、彼女と一緒に歩いていた。夕陽が長い影を伸ばす中、何かを話している彼女の横顔を見ていると、自分の胸の奥に秘めていた気持ちが溢れそうになる。
「……ねえ。」
僕は勇気を振り絞った。
「何?」
彼女が立ち止まり、僕の方を向く。その瞬間、心臓が壊れそうなくらい高鳴った。
「俺、やっぱり……まだお前のことが好きだ。」
静寂が訪れた。彼女の瞳が揺れるのが見えた。
「ごめん……。」
その言葉に、胸が締め付けられる。彼女は少し言いづらそうに続けた。
「今は……友達でいたい。」
それでも、彼女は最後にこう言った。
「卒業しても、連絡取り合おうね。それに、一緒に遊びに行こうって約束する。」
その約束が、僕の中でかすかな希望となった。
卒業式の日、僕は彼女と写真を撮った。彼女の笑顔は輝いていて、僕の胸の中で複雑な感情が渦巻いた。でも、彼女と過ごした日々が無駄ではなかったことを実感する。
これから先、僕たちの関係がどうなるのかはわからない。でも、彼女と交わした約束が、僕を前に進ませてくれる。
これは、終わりではなく始まりの物語だ。
高校生活が始まり、彼女とは別々の道を歩み始めた。連絡を取り合うことは少なくなったけれど、時折送られてくる彼女からのメッセージは、僕の心を温めてくれた。
「今度の冬休み、久しぶりに会わない?」
そんな一通のメッセージが届いたのは、冬休み直前のことだった。僕は驚きつつも、迷うことなく返信した。
「もちろん。」
約束の日、待ち合わせ場所に向かうと、彼女は昔と変わらない笑顔でそこに立っていた。でも、少しだけ大人びた雰囲気があって、僕は一瞬言葉を失った。
「久しぶり。元気だった?」
彼女が声をかけてくれる。その瞬間、心の中の記憶が一気に蘇る。
「うん、元気だよ。」
二人で歩きながら、近況を話したり、昔の思い出に笑ったりした。まるで時間が戻ったかのようだった。でも、僕の中には一つの迷いがあった。
(今の俺たちは、どんな関係なんだろう。)
その答えを見つけるため、僕は再び勇気を振り絞った。
「お前に聞きたいことがあるんだ。」
「なに?」
彼女がこちらを向く。その瞬間、夕陽が彼女の顔を優しく照らしていた。
「俺たち、これからもずっと友達のままでいいのか?」
彼女は驚いた表情を浮かべた。そして少しだけ考え込むように視線を落とした後、ゆっくりと口を開いた。
「それは……私も同じこと、考えてた。」
彼女の言葉に、胸が高鳴る。これが何を意味しているのか、まだわからない。でも、確かに一歩進めた気がした。
再会した冬の日、僕たちは新たな一歩を踏み出した。その関係がどんな形になるのかは、これからの僕たち次第だ。
ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。
この物語は、誰もが一度は経験したことのある淡い恋心や、成長の中で訪れる別れと再会、そして再び繋がる絆をテーマに描きました。主人公の視点を通して、未熟さや迷い、それでも進もうとする強さを少しでも感じていただけたなら幸いです。
また、この番外編を書く中で、私自身もキャラクターたちと一緒に成長していくような感覚を味わいました。彼らの未来がどうなっていくのかは、これからの物語に委ねたいと思いますが、一つだけ言えるのは、彼らがそれぞれの道を歩む中で新たな希望を見つけていく、ということです。
読者の皆様が、この物語を通じて少しでも温かい気持ちになっていただけたなら、これ以上の喜びはありません。コメントや感想など、お気軽にお寄せいただけると嬉しいです。
最後に、この物語にお付き合いいただき、本当にありがとうございました!
これからも彼らの物語を紡ぎ続けていくつもりですので、ぜひ応援よろしくお願いいたします。




