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第6話 買った喧嘩

 町の外に移動する。


「へっ、生まれてこの方、頭はダメダメだが、チカラだけはあるからな。アタシを楽に殺せると思うなよ」


「そういうのいいんで。殺すつもりもないですし。さあ、つきましたよ」


「じゃあ、早速ヤるか」


「では、この鉄貨が地面についたときに『はじめ』ということでいいですか」


「ああ」


「行きますよ」


チャリーン………ポト


 鉄貨が地面に着いた。


【コピー】《分身》発動。


「はっ!?」


 春秋は10人に《分身》する。それに獣人の女は驚くが、これで終わらない。


《精神魔法ー認識阻害》発動。


 宿で使ったときと同様に《認識阻害》で獣人の女の距離感覚を歪める。


「少しは頭を冷やせ、この酔っぱらいが」


 《分身》の攻撃は当たるが獣人の女の攻撃は当たらない。


「クソッ」


「全然当たらないな」


 絶え間なく春秋の攻撃は続く。


「あくびが出るほど弱い。それで戦うことが好きなんですか? 自分の勝てる相手としか戦っていないんですね」


 獣人の女は春秋の挑発に乗らずになんとか対処しようとする。


「(そうかっ)」


 獣人の女は何か思いついたのか、戦闘中にも関わらず、目を閉じる。


「死ね!」


ドゴ!


「ハハハ、当たればアンタなんかアタシの相手にならないカスなんだよ!!」


 獣人の女の攻撃が《分身》に当たり始める。


「やっと距離感がおかしいことに気がついたんですか。それで耳を頼ったと。じゃあこうしよう」


《精神魔法ー認識阻害》発動。


「俺はあなたの聴覚も視覚もいじることができる。感覚に頼っている時点であなたに勝ち目はありません」


 再び《分身》に攻撃が当たらなくなる。


「グゾがッ!!ヤメろ!!」


「止めてほしいんですか?」


「正々堂々戦え!」


「いいですよ」


【コピー】《分身》解除。

《精神魔法ー認識阻害》解除。


「ほら、俺は逃げも隠れもしてません」


 春秋は腕を広げ、自分の居場所をアピールする。


「コロス……!」


「口で『コロス』って言っても俺は死にませんよ」


「シネ!」


 獣人の女は俊敏に動き出すが、春秋にとっては遅すぎる。


【コピー】《空気複製》発動。


ボウッ!!ズズズズ


「グフッ、ゴホゴホ」


 空気がコピーされ、非常に高い密度の空気が一気に膨張する。

 獣人の女は風圧で数メートルほど吹き飛ばされ、体勢を崩し、身体を地面に引きずる。

 春秋に届く前に【コピー】は解除したため、春秋はかろうじて立っていられた。


「まだヤる気ですか?あなたと戦っても、こちらとしてはただ時間を浪費してしまうだけで正直言って、暇つぶしにすらならない」


「………」


 静寂に包まれる。


「……」


「…………」


「(はぁ、酔っぱらいの相手はどの世界もすべきじゃないな)……帰るか」


 春秋は獣人の女に背を向けて歩き出そうとする。


ブンッ


 突如、春秋の背後に風切り音が鳴る。


「……………」


「おいおい、不意打ちか?」


「…………」


「(様子がおかしい。何を企んでいるんだ?)」

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