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金色のウロボロス 電拳のシュウ  作者: 荒野悠
第十二章 東国のテロリスト ――公安警察烏蛇編――
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第二百三話 亜梨沙の憂鬱

「ブラコン? 違うわよ」


 亜梨沙はあっさりと否定した。稲葉は安堵する。恋愛対象がブラコンだと何かと弊害が出るからだ。


「あ、そうですか。やっぱりただの噂だったんですねえ」


 亜梨沙は疲れ切った表情で、にんまりと笑った。


「大好きなだけ……ふふ♪」


 稲葉はアイスコーヒーを吹き出しそうになったが何とか堪える。


「ねえ、稲葉くん。本部にフィオナを置いてきちゃったけど大丈夫かしら」


「は……大丈夫とは?」


「私が不在だからって南にエロいことしたらどうしよう。やりそうなんだよね、あの子。南が抵抗しないことをいいことに……」


 亜梨沙はズズゥと音を立ててアイスコーヒーを飲んでいる。稲葉はフィオナの顔を思い出していた。


(ラクルテルならやりかねねぇな、クールな顔して肉食系だし)


「フェルから連絡来たんだけど、ダーカーの夜回りに南が参加するって」


「一人ですか? フェルディナン事務局次長がよく許可しましたね」


「んーん、アルテミシアの三乙女が同行するって。……あの子達さぁ、聖なる乙女とか、もてはやされているけれど、年頃のくせに三人揃って彼氏いないでしょう。アルテミシア騎士団って聖女祀っているから女系組織じゃん? 女子校みたいなもんじゃない? 絶対、むっつりだと思うのよね。夜道で南の純潔が奪われたらどうしよう……心配で夜も眠れないの」


「ああ……その疲労は捜査疲れじゃないんですねえ」


 稲葉は苦笑しながら亜梨沙の愚痴を聞いている。


「稲葉くんは南のこと好きよね」


「へ?」


 突然矛先が自分に向いた。稲葉は南のことを嫌っている。いびったこともある。普段からクソガキ呼ばわりしているが、その事実を知られるわけにはいかない。亜梨沙との関係や出世のためにも誤魔化すしかなかった。


「お、弟君(おとうとぎみ)は大変優れております。夜回りでも大きい成果を上げるでしょう! ご安心ください、副会長! 南くん、バンザイ!」


 稲葉の言葉で、亜梨沙が今日一番の笑顔を見せた。その瞳には涙が浮かんでいる。


「稲葉くん……そこまで南のことを想ってくれているのね。これからも先輩として面倒見てあげて。あの子、ボーッとしているから」


「はははは! 当然ですとも! お任せくださぁい!」


 笑顔が虚しいが、取り敢えず亜梨沙の好感度は上がったらしい。稲葉は心の中でガッツポーズを取った。

【参照】

フェルディナンについて→第二十四話 特殊能力者協会

南をイビる稲葉→第五十六話 異能訓練校

南をクソガキと呼ぶ稲葉→第六十四話 フィオナと稲葉

アルテミシア騎士団→第百五話 アルテミシア騎士団

アルテミシアの三乙女→第百五十九話 アルテミシアの三乙女

アルテミシアの聖女→第百九十二話 アルテミシアの聖女

南にエロいことするフィオナ→第百九十八話 フィオナの誘惑

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