事件発生
彼女とは趣味が同じの読書で話が盛り上がった。お昼休みの終わりにはかおる、みかと呼び合う仲にまでになった
今日はseniors街に引っ越す日だ。住めるマンションは決められているが部屋は自由なため、かおるの隣の部屋に住むことにした。
荷物は前日に持ってきているため、もう住めるようになっている。だが、街に入る前に身体チェック・持ち物チェックがあるうえ、どこに行ってもカメラがあり私もかおるもどこか落ち着きがない。しかし、老後を楽しむ人によって穏やかな時間が流れていた。
私達が部屋につくと部屋の前に草壁がいた。草壁とはこの1年でだいぶ仲良くなった。かおるも入れて3人で遊びに行くほどだ。かおるが密かに草壁に恋心をいだいているのは私とかおるとの秘密だった。他の3人はあまり仲良くなれずにいる。
草壁に近づくと「遅かったね。今日の13時から会議するから、3階の会議室に来てね。」というと「俺は用事あるから」と小走りで行ってしまった。草壁は仕事とプライベートのオン・オフがしっかりしているため、仕事中はどこか距離がある。
それからは、1週間後の開店に向けて会議をし、現場を見、アルバイト志望の高齢者との顔合わせをしていると、1週間は過ぎていった。
そして、開店当日。高齢者だけのこともあり、店にはいつもと違い穏やかな時間が流れている。私達は、アルバイトの人に仕事を教えている。
飲み込みはゆっくりだが、長年生きてるいる分お客さんと会話が弾みお客さんも楽しそうで私も楽しくなってきた。
だが、穏やかな時間はある事件で終わってしまうことをこのときの私は夢にも思わなかった。
開店して、3週間が過ぎ、街にも馴染んできた頃に事件はおきた。お店に来ていたお客さんが突然倒れたのだ。急いで救急車をよんだが、すでに遅く、息がなかった。
その後話を聞くと、原因不明の突然死だった。突然死は珍しくはないらしく、ここ1ヶ月で数十件起こっている。
常連のお客さんによると亡くなる人はたいがい、働いていない人ばかりらしい。どうやらなにかこの街には裏があるようだ。
草壁にこの事件を報告すると、「報告ありがとう。様子を見ようか。」と言うとなにか考え事をしだしこの事件はおいておくことにした。
このとこを泣くほど後悔することをこのときの私達はないも知らない。
それからは、数日間穏やかな日々が続いた。お客さんと歳が同じくらいのこともあり、アルバイトの人は誰もが楽しそうに働いていた。
その日が続くと思っていたが、大きな間違えだった。あの事件が再び起こったのだ。