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異世界牛丼  作者: まさゆき
3/22

武装したマッチョと留置所 @ 異世界

磯部に話かけてきた兵士は、治安維持担当、ようするに職務質問であった。


磯部にはそのような事情がわからない。


いきなり、武装したマッチョが話かけてきたのである。


磯部は、泣きそうな顔でおびえながら、こくこくうなずく。


「あなたエスタミルの住人ですか?」


磯部は首を振る。


「どこに住んでるの?」


磯部は困る。


「えーっと、た、大山寺です」


「うん?、お寺?、宗教関係の人なの?」


「ちちち、、ちち、、、違います。」


「このエスタミルには何をしに来られたんですか?」


「・・・・・・・・(´・ω・`)・・・・」


「黙ってられちゃ、困るんだよな~ とりあえず、詰所まで来て詳しい話を聞かせてもらえるかな?」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・


・・・




「異世界、日本からの転生ねぇ・・・・」


武装したマッチョから、不審な目で見られながら、磯部はぽつぽつと事情を話す。


職場に向かってワゴンRを運転していたら、気が付いたらエスタミルの街頭に立っていたこと。

ウロウロしてたら、日が暮れてきたこと。

今までの人生を後悔していたら、職務質問されて、この詰所に連れてこられたこと。



やべぇ・・・・・・・・・


武装したマッチョは焦っていた。


妙な恰好をしたおっさんがいたので、軽く声をかけたら、地雷案件だった。


異世界うんぬん言っているが、要するにこいつ、ホームレスじゃねぇか、、、、


これで凶悪犯とか、いまにも犯罪を起こしそうなやつだったら牢にぶち込むところだが、

どうみても、そのような根性は持ち合わせてなさそうだ。


くそめんどくせぇ。

どうしたらいいんだ。。



「今日泊まるところは?」


「・・・あ、ありません・・・」


「(ですよね~ (-_-;)) 

  そうか、そうだな。 明日になれば、商人ギルドに連れて行ってやる。 ギルドにいけば日雇いの仕事を紹介してくれる。

  日給は安いが、日雇い労働者用の宿泊施設があるから、そこに行けばなんとか暮らしていけるだろう。

  今日は、留置所で寝心地はよくないが、ここに宿泊させてやる。  (くそくそくそ めんどくせぇ~~~) 」


「・・・は、あああ、 ありがとうございます。」


「気にするな、民のために奉仕するのが我々の仕事だ」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・



・・・・・




留置所の床は固かった。


すでに疲労困憊、いろいろなことが起こりすぎて寝られない。


いや、違う

違うぞ磯部。


磯部が死んだのが午前 7時前

転生先の世界についたのが15時ごろ

そう、時差ボケだ。


本来であれば、今は昼間。


さらに悪いことに、兵士は水しかくれなかった。


磯部は腹が減っていたが、武装したマッチョに怖じ気づいてしまい、いいだせなかった。


詰所に水があり、自由に飲んでよいと言われたので、のどの渇きは癒すことができたが、空腹はどうにもならなかった。


結局のところ、磯部は空腹と時差ボケでほとんど寝れなかった。




それでも、磯部は少しだけ夢を見た

父と一緒に田んぼのあぜ道を歩く夢


あのころ、子供のころは、一歩一歩前に進んでいる感じがした。

自分も、一歩一歩進んで大人になるのだと、そう思っていた。


いつしか、前に進んでいる感じがしなくなった。

大人ってなんだ?

もういい年だ。

あのころの父親の年齢はとっくの昔に超えてる。

それでも、どうやったところで子供のころに、まっすぐに見ていたあの場所にはたどり着けそうもない。

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