第86話:私のために、私のままで
私は不思議でならない。両親は共に机の上で行う仕事をしているのに、私はそれがとても苦手だからだ。そのことを理由に抱いた『もしかして実の両親ではないのでは?』という疑問は、私が両親の顔の造形をばっちり受け継いでいることから消失したけれど。
以前、友人であるトモっちにボドゲ研究部に誘われたことがある。しかし私はこの性格だ。盤上競技には向いてない。だって小難しいんだもん。『自分の駒を用いて、相手の駒を直接的に蹴散らした方の勝ち』ぐらい単純なルールならいいんだけどさ。運動部もナシ。体力には自信があるけど、団体競技は苦手だ。だって、連帯責任とかめんどいじゃん。個人でやれるスポーツだって、部内のしがらみなんかは普通にありそうだしさあ。まあでも、エネルギーだけは有り余っていたから、暇さえあれば外を出歩いていた。でもどうせなら有益なことがしたいから、私は近所のパトロールに勤しんでいる。困っている人は放っておけないよね。まあその結果迷子になり、お巡りさんのお世話になったりもするけど。最近、カッコいいお巡りさんとも知り合えたので、そこはヒャッホウ! って感じだけどね。だから私は警察官に憧れている。まあ学校の部活とは比にならないほどしがらみも多そうな仕事だし、残念ながら『なりたい!』とは思わないけどね。要するに私は、テキトーなのだ。でも、そんな自分を無理に変えるつもりはない。
私は私のために、私のままで──やりたいことを、やりたいようにやるだけだ。




