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第60話:にぎやかな屋上

「金橋さん、たかさわたか子先生の『アフタースクール☆あふ太』に出てくるヤンキーの娘と同じピアスしてたし、『もしかして私と同じで、あの漫画のファンなのかな』って思って、それで話しかけたの。でも私、口下手で、思ったことを全然口に出来なくて」

「……んなこと確認するために、毎日屋上まで来てアタシの周りをウロウロしてたのか」

 アタシがいるせいで人払いされているこの屋上に、転校生のこいつが何度も足を運ぶ理由は、まあ分かった。彼女が恥ずかしそうに俯いたことで、しばしの沈黙が生まれる。

「…………あー。アタシはあの漫画じゃ、主人公・あふ太の妹が好きだな」

 あの清楚系の!? と彼女は目を見開き、大きな声を出した。お前、そんな大声出せたのかよ。その時、屋上の出入り口が開いた。姿を見せたのは、見覚えのある奴だった。

「金橋! カツアゲとかパシリとかさぁ、そういうの、良くないと思うんだけど!」

「……同じクラスの、名取だっけ。お前、『アフタースクール☆あふ太』で誰が好き?」

「はあ? なにそれ? 寒いダジャレ言ってないで、早く涌井さんを解放しなさいよ!」

 絶対に何かを勘違いしているであろう名取の金切声が、屋上に響く。それはアタシにとって新鮮だった。入学式の日、あの素行が悪い三人組がアタシに撃退された腹いせに流した根も葉もない噂。そのせいで、この屋上はいつもアタシ一人だった。ずっと孤独だった。こんなにもにぎやかな屋上がなんだか愛おしくて──アタシは笑ってしまった。

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