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第53話:屋上に続く階段

「この前うちのクラスに来た転校生、ほんっと愛想ってもんがないわー。周りに馴染めそうにもなかったから、わざわざカースト上位の私が話しかけてやったのにさー? 面白いことの一つも言えないでやんの。人がせっかく、親切にしてやったのに」

「お前は人に親切をした気になって、自分だけ気持ちよくなりたいだけだろ」

 いつも私の話をうんうんと聞いてくれるお兄ちゃんが、珍しくそう口を挟んだ。

「……何よ、お兄ちゃん。私が悪いわけ?」

「声をかけてあげたことは、いいと思うけど……。『親切にしてやっている』なんて雰囲気を滲ませるお前に、環境の変化に戸惑う転校生の子が、気を許せるわけないだろ」

 ──そんな昨日のやりとりを、私は屋上に続く階段の下で、思い出していた。

「……あんな子がどうなったって、私には関係ない。私は自分の立場だけを守ることが出来れば、それ以外はどうなったって、一向に構わないんだから」

 不良生徒の金橋が居座るせいで他の生徒が寄り付かなくなった屋上に、あの転校生が毎日、重い足取りで向かっていたとしても。そんなこと私には関係ない。私には──

「……はぁ? なにそれ。チョーかっこ悪いじゃん──私。死ね。いっぺん死ね」

 私は両頬を両手で強く叩いた。そして気付けば、屋上に続く階段を駆け上がっていた。私には関係なくとも、私の心が彼女を放っておけない。こんな気持ちは久しぶりだった。

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