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第47話:二時間後に、また

 趣味があると心が豊かになる、というのは事実だと思う。そして、その趣味を共有出来る相手がいるということは、何ものにも代え難い幸福だと思う。

「えへへー、ようやく来れたね! 新装開店の大型書店!」

 僕と彼女は、共通の趣味である読書を通して付き合い始めた。二人の会話は、いつも本のことで溢れていた。だから自然と、隣町に近日大型書店がオープンすることが話題に上がった。お互いインドアだから隣町まで出かけるのは億劫だな、でも一度訪れてみたいな、というやりとりを何度も交わし、そうして今日ようやく、念願の書店に訪れたわけである。そして僕は、いつものように言った。

「じゃあ……。二時間後に、また」

 僕たちは同じ本屋内で、別行動をする。彼女はSF小説が好きで、僕は歴史小説が好きだ。だから本屋では、各々が一番行きたい場所へと向かう。「それってデートなのか?」と友人に言われたこともあるけれど、僕はこの時間が好きだ。本屋に行った帰り道、彼女に自分の読んだ本の話をするのが好きだし、彼女が読んだ本の話を聞くのが好きだ。お互いの好きなものが交わるその時間を、僕は奇跡と呼びたくなってしまう。

「うん! じゃー、二時間後にまた!」

 そうして僕たちは期待に胸を膨らませて、それぞれの地へと赴いた。

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