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第42話:ぶら下がる人

 俺は駄目な人間だ。幼少期から今に至るまで、数多くの失敗を犯してきた。

 学生時代、よく遅刻をした。宿題を忘れた。授業中に怒られた。だから俺は、よく廊下に立たされた。多分その回数で俺より上をいく者はいないだろう。バケツを持たされた日もあったな。巡回の先生に見られて気まずい思いもしたし、本当に恥ずかしかった。

 しかし俺は、いつしかそれが癖になってしまっていた。他者から浴びる奇異な目に。それに、『私はきちんと反省をすることが出来る真面目な人間ですよ』という自分に酔いしれていたのかもしれない。真面目な人間はそもそも廊下に立たされないだろうが。

 しかし大人になると、なかなかそういう機会はない。廊下に立つというあからさまな反省のポーズよりも、その後にとる行動が大切になってくる。時は金なり、仕事のミスは仕事でカバーせねばならない。要するに今は、立たされる廊下がないのである。

 だから俺はこうして──早朝五時の公園で、鉄棒にぶら下がっている。

 ジャンプをしないと届かない位置にある高い鉄棒に、いくつかの二リットルペットボトルを、さながら防弾チョッキのように身体に巻き付けた状態で、ぶら下がっている。

「くっ、きつい……。だが俺は、駄目な人間なんだ。だから自分を、叱らねばならない」

 今日も俺は内罰的に、自分を痛め付ける。この行動が日課になって以降ずいぶん身体がたくましくなったが、罰でムキムキになってどうする、とまたしても自分を責めた。

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