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第41話:ドッグランデブー

 僕はこの瞬間を、何よりも待ち望んでいる。この時間、この場所で、彼女と会うのを待ち侘びている。身を焦すとはまさにこのことだろう。彼女と再会してからは、まさに至福のひとときだった。僕らは時間の許す限り、力の限り、大地を駆け回った。

 でもそんな時間は、長くは続かない。所詮僕は、運命という首輪に縛られた存在。自己決定権など持たぬ脆弱な生物。彼女と引き裂かれる未来は決定している。しかし僕はそれに抗いたかった。そう、これは運命を打ち倒す、僕の壮大なる物語──「ワンッ!」

 ものが──

「ゥワンッ!!」

「……あー、もう! わかったよ!」

 ぱちくりおめめを輝かせながらお座りする愛犬のコーギー・ポチ之助に、私はリードを付ける。運命という首輪を真っ向から受け入れてやがるなぁ、こいつ……。

 先程から私が妄想していた『ドッグランだけで会えるカワイコちゃんに恋焦がれる愛犬』像に、現実のこいつは微塵も合わせてくれない。よその犬と遊ぶことも楽しんでいるが、帰宅後のご飯の方をより楽しみにしているといった顔だ。

「……犬にロマンチックなラブストーリーを求めた私が間違ってたかー」

 その通りですよ、とでも言うかのように、ポチ之助が「ゥウワンッッッ!!」と吠えた。

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