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第36話:お前は今

 俺のピークはあそこだった。そんなことを、母校のグラウンドを眺めて思う。

 お前と切磋琢磨していた頃は本当に楽しかった。お前の存在は俺にずいぶん刺激を与えていた。お前も俺に対して、そう思ってくれてたなら嬉しい。お前がサッカー部を辞める年は、まさに破竹の勢いだった。一試合でも長く一緒のコートに立っていたかったから、俺も信じられないぐらいの力を発揮出来た。そして最後の一年は、お前がいなくなったことへのフラストレーションを全てサッカーにぶつけた。そして奇跡的に全国大会に出場。まあ、初戦敗退だけどな。その時も、お前は会場まで観に来てくれたっけ。

 そして俺は運良くスカウトの目に留まり、県内の強豪校に進学した。その時は俺も、これから先の輝かしいサッカー人生を夢見た。でも、お前がいないサッカー部は空虚だった。その時に俺は、他でもないお前と高め合いたかったんだと気付いた。元々、身の丈に合わないスカウトだったんだ。結局俺は最後までレギュラーになれなかったし、サッカーへの情熱をも失い、その後進学した大学も途中で辞めてしまった。

 お前に会いたい。でも、今の情けない俺を見せたくもない。そんなジレンマを抱えながらも打開策を何も持たない俺は、ただボーッと母校のグラウンドを眺めている。

 お前は今、何をしているのかな。

 俺はずいぶん、落ちぶれたよ。

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