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第29話:ワイルド

 私が通うギター教室の明美先生は、黒の革ジャンがよく似合うワイルドな女性だ。女性に対しての『ワイルド』という言葉は、必ずしも褒め言葉に該当しないのかもしれないが、しかし明美先生はきっと、それに対して「ありがとな」と言ってくれると思う。

「どうしたら明美先生みたいに、かっこよくなれるんですかね」

 授業終わり、私は明美先生にそう尋ねた。先生との出会いは今から一ヶ月前。駅前で路上ライブをする彼女の姿に一目惚れした。『興味を持ったことは何でもやってみる』を信条としている私は、ライブを終えた先生に迷わず声をかけた──それからなんだかんだあり、今まで能動的に楽器に触ったことがなかった私が、彼女が受け持つギター教室に入会するまでになった。初めて出会った時と変わらぬ凛々しさで、先生は答えた。

「そう言ってもらえるのは嬉しいけど、私は好きなことを追い求めてるだけだよ」

 好きなことを追い求める。シンプルな回答だが、先生が言うとずいぶんと様になる。

「先生って、ワイルドですよね」

 私の口から思いがけずポロッと出たその言葉を受けて、先生はまたも凛々しく言った。

「私に惚れるとヤケドするぜ、子猫ちゃん? ありがとな」

 先生はそう言って、去り際に私の肩をポンと叩いた。去りゆく背中を見て、私は思い知った。ハートを射抜かれた時、本当に『ズキューン』という擬音が鳴るのだなあ……。

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