第23話:違う顔が見てみたい
「聞いたんだけど、最近俺たちと同じ部署になったクールビューティー・高科先輩は、そのクールビューティーな見た目とは裏腹に、隙のある表情をよくするらしい。ギャップ、ハンパなくねえか? 彼女の違う顔が見てみたいんだが、どうすればいいと思う?」
俺の真剣な相談を受けた頼れる同僚・神田は一拍置いて、「頑張れ」とだけ言った。
「応援してくれるのは嬉しいけどさ〜、俺が欲しいのは応援じゃなくて助言なんだよ」
「……俺こそ、バカをあしらうための増援が欲しいぐらいだけどな。仕事に集中させろ」
頼れる同僚・神田はそう言って、目の前のPCに顔を近付けた。タイピング速度も上がっている。眉毛なんか、スキーのジャンプ台なのではと思うほど吊り上がってるぞ。
「俺は高科先輩の、笑顔と泣き顔が見てみたいな。フラッシュモブからのプロポーズとか、その両方が見られていいんじゃないか? なあ、神田も一緒に踊ってくれよ」
「……そんなことのために、プロポーズまでするな。あとフラッシュモブは、万人受けしないからやめとけ。やるなら、本当に喜ばれるか入念にリサーチしろ。俺は踊らない」
集中したいわりに、ちゃんと助言をくれる神田。なんだかんだ良い奴だ。神田だけに。
「なるほど、さすがは神田! でも神田が踊ってくれないとなると、メンバーは俺一人になるなあ……。踊るのが一人の場合は、『フラッシュマン』って言えばいいのか?」
「一人で勝手に光っとけよ、バカ」




