表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/105

第2話:ロイヤルミルクティー

「おはよう」

 朝の昇降口ですれ違った彼女はいつもと変わらぬ笑顔で、僕にそう言った。同じ言葉を滑舌悪く、小声で返す。快活な彼女の笑顔とは対照的に、目も合わせられない陰気な僕。それも仕方のないことだ。言い訳がましいが、無理もない。

『気持ちは嬉しいけど、ごめんなさい』

 僕は昨日、彼女にフラれているのだ。彼女が歳の離れた異性を長年慕っているという話はこの高校では有名だ。だからといって、彼女への想いは簡単には捨てられない。僕は今日も後方の席から、一番前の席の彼女を見つめる。僕の視界に彼女がいることを嬉しく思う反面、せめて彼女が僕よりも後ろの席なら授業に集中出来たのにな、とも思う。

 放課後、コンビニに立ち寄った。彼女が愛飲するロイヤルミルクティーを手に取り、会計を済ませて外に出る。そんなオシャレな物は普段は飲まないが、少しでも彼女に近付きたかった。通行の邪魔にならない所まで移動して、キャップを外す。腕を腰に当て、口内に液体を流し込んだ。なんだかよく分からない味だった。

「あんまりよく、わ、分からないなぁ……ぼ、僕って、味音痴、なのかなあ」

 美味しいのか不味いのか、それすらも判別がつかない。強いて言えば、涙の味がした。

 人目も憚らず号泣する僕とすれ違いで入店した人が、僕を見て引いていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ