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勇者側の事情

大司祭、剣鬼が死んで一週間。勇者パーティー各々が国の各地に出向いていたため、二人の訃報を知るのにかかった時間だった。

元々勇者パーティーの内、大賢者を除いた4人は、同じ高校で、異世界転移する前からも仲が良かった。こちらの世界に来てからもそれは変わらず、勇者と拳王の二人は当然激昂する。

それを大賢者がいつも通り諌めていく。大賢者は、勇者パーティーの4人が前衛職に偏っていたため、新たに別の異世界から呼ばれた。年齢や故郷こそ違うものの、大賢者自身のコミュニケーション力とお姉さんポジションで他の4人ともすぐに信頼関係を築けた。ただ、大賢者自身も仲間を殺され、思うところはあるようだ。あくまで、勇者と拳王が暴走しないように、怒りに身を任せると自分の身が滅びに近づくことを年の功で知ってるが故だった。


大賢者は、大司祭、剣鬼がどのようにして、殺されたか詳細を確認し、今までの魔王軍と根本的に戦い方が違うことに気づく。そうなった以上、こちらも戦い方を変えないといけないだろう。ただ、勇者の怒りはおさまっておらず、作戦を考える前に出て行ってしまう。拳王も後を追いかけたそうだったが、何とか止めれた。

勇者が持つ兵器を使えば、砦くらいは楽に落とせるだろうが、万が一を考えておかないとならないだろう。


※※※※※※※※※※


勇者が激昂型の人間であるのは間違いないが、次に来るとは思っていなかった。

実は拳王が来ることを予想していたため、武闘家がアンデッドを嫌うことから、死霊術師ネクロマンサーとドラゴンゾンビを配置していたのだが、死霊術師が正々堂々戦いたいとゴネたため、特に策を与えず、相性でゴリ押ししようと思ったのが裏目に出た。

当然、勇者の使う光魔法とアンデッドの相性はかなり悪く、戦う前から敗戦濃厚。ドラゴンゾンビは死霊術師ネクロマンサーを砦から逃走させる時間を稼げただけ良かったと思うべきか。


何とか逃げてきた死霊術師に対して、ネチネチと嫌みを言いながら、勇者の使った光魔法について聞く。俺が見ていたのは光は一瞬一発でそれでドラゴンゾンビが消滅した所しか見ていない。加えて死霊術師ネクロマンサーは敗走しながらも、ただの光魔法では感じない様な、神が顕現するかの様な後光や気配を感じたようだ。


敗走したとはいえ、魔王側で神の器になり得る死霊術師が神の力を感じたのであれば、間違いないだろう。

逃走した女神は勇者に憑依している可能性が高い。しかも神威を使った可能性が高い。

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