褒美の周りは騒がしい
お読み頂き有難う御座います。
前作にもご評価に数々のご感想有難う御座います。感謝を込めまして、今回はシュガール姫のお兄様のひとり、イーツ王子目線で御座います。
お気持ちに添えるかは分かりませんが、どうぞ良しなに。
「お初お目に掛かります。わたくし、カイダシ新聞社が局長、ヴィネ・カイダシと申しますわ!!」
「出たわね、高貴な私を脅かす悪の秘密結社!!」
「まあ嫌だシュガール姫様ったら、本当にスゥイーツ頭のお姫様ですわね!!秘密結社でなく!新・聞・社!で御座いますわ!!ホーッホッホ!!」
偶々通りかかった妹の部屋からダブルで奇声が響き渡っている。
凄く嫌な気配を察知した俺は、第四王子のイーツ。兄達には虐げられ、弟には軽く扱われ、妹にはコキ使われる立場の儚い美青年王子だ。
趣味の粘土細工に勤しみたいが、最近妹がサボるせいで公務が山積みで泣ける日々を送っている。有り体に辛い。
「んまーあ!!生でパルトフェ様を拝めるなんて光栄ですわ!後でこのハンケチーフにサインを頂けますかしら!?」
「え、……えーと」
「まあ、照れておいでですの!?私のような高貴さ溢れる平民に戦かれるのはしょうがありませんけどね!」
「何をデレデレしているのよ!!こんな乳だけ女に抜かれるような度肝なら、摘出しなさい!!」
物理で度肝を抜いてどうする。普通にそれは死ぬぞ。
パルトフェが殺人事件(犯人は妹)に巻き込まれようとしている!!
………どうしたものだ。流石に捨て置けない。
後、何でサインをねだられているんだパルトフェ。相変わらず年期入った鍍金姿が無駄に人気が高くて腹が立つな。
「………何をしているんだ、シュガールは」
「御用でしょうか、殿下」
最近お兄様達臭いと言われてから妹の部屋に実に入りにくい。
あの子は、デリケートで傷つきやすい男の心を全く理解してない。
双子の兄アマタなら問答無用で乱入するだろうが、マナーがなっている俺は、扉の外にいる護衛に声を掛けた。
コイツは確か、嫁が失言で牢屋に放り込まれた男だな。その割には黙々と職務遂行しているのが不気味だ。
普通、嫁を牢屋から出してくれと懇願するだろうに、全くその動きはなく淡々と毎日を仕事に費やしている。
そんな不気味な男なのに、妹からの好感度が何故か高い。実に腹立たしい。
「只今来客中です」
「聞こえている」
寧ろ人命に関わる不穏さが滲み出ていたから、部屋に乱入すべきかと声を掛けたんだ。王子である俺の意図を察しろ。
「姫様は新聞社の局長をお呼び立てになり、姫様の御用達である勲章をお渡しになるとかで」
「……シュガールが?御用達を?」
確かに我々王族にはそれぞれ所謂御用達を授与する権利がある。
妹はチョコレートだのシュークリームだの乳製品メーカーだの砂糖問屋……兎に角甘いものばかりに与えていたような気がする。
普通、王家の姫はドレスメーカーと宝飾品店や靴屋に与えることが多いのだが……。
シュガールはドレスが欲しい時には、何時も何十件とドレスメーカーを呼んできてゲリラ的に選ぶ。流行関係なしに。
この前半泣きで帰ったドレスメーカーが居たような。
考えてみればかなりのワガママだな、ウチの妹は。昔からよく考えてみりゃボーッとしているようで大概のワガママを押し通すし。
「何故新聞社に御用達を?」
「シュガール姫様の発想は柔軟ですので」
何だその、『俺だけはシュガールを分かってるぞ』的なマウントを取った目は。実にイラッとする護衛だな。
俺はシュガールの兄だぞ。そして王子だ。妹の事は振り回されているからそこらの男より詳しいに決まっているだろう。
パルトフェが忌み嫌うのも少々分からなくもないな。
「何ですの、この素敵なデザインなのに……不敬オブザイヤーってまさか……!?ドアプレートですの!?」
「光栄に思いなさい!!今まで発行したことの無い、とっておきの嫌がらせ御用達よ!!この私に対する不敬を年度末まで噛み締めて震えて眠りなさい!!」
「年度末までなんですね……」
…………。
奇声が意味の分からない事を叫びだした。……………不敬オブザイヤー?
ちょっと意味が分からない。パルトフェも何を無駄なツッコミをしているんだ。ちゃんとマトモな会話に軌道修正を図らんか。
「しかもお前の新聞社の扉のサイズを測らせて、ちゃんと特注してやったのよ!!何と言う細やかな心遣い!!私ったら贈り物まで素晴らしい王女ね!」
「はっ!?何て言う暇な事をなさいますの!?」
「これでこの一年、お前の新聞社は私に不敬を働いた罪を世間に嘲笑われるのよ!!」
「……姫様とカイダシ新聞社の対立は結構有名な話ですよ」
パルトフェの言う通り、確かに噂になっていた。この耳で聞いたからな。
何故なら兄弟の中では目立たない俺は、偶に護衛込みで市井に出向くことがある。
この前焼き魚の屋台の前で駄弁ってた、文字を読めないらしい平民も、シュガールと新聞社の罵詈雑言合戦が面白すぎると喋っていたな。
どうも文字の読めない民の為に、代読する者がいるらしい。
多くの民が情報に触れるのは素晴らしいことだが、……プライバシーもへったくれもないのが情けなく、ちょっと鼻水が出た。
「そうですわパルトフェ様の仰る通り!!ガーッカリですわ!!わたくし、姫様の御用達新聞社になれると信じ!職場と自宅の向こう三軒両隣に自慢して参りましたのよ!?
非道ですわ!!訴訟ですわ!!記事にするしか御座いませんわ!!」
「期待出来て良かったじゃないの!!悪は日の目に晒されて撲滅するのよ!!」
「悪ですって!?事実こそジャスティスですのよ!!」
………レベルが低い会話だ。
妹と新聞社の局長やらとの奇声がサラウンドで煩いな。目茶苦茶響いているじゃないか。コーラスでも始める気なのか。
普段ならコーラスだろうがオーケストラだろうが構わないが、今日は良くない。
何故なら、昨日から海を挟んで三軒向こうの国から来客が来ている。底辺ミーハーなデカ目女好きで有名なボンクラ王子だ。一応外交目的らしいが、このままの煩さでは彼の興味を誘い、突撃しかねない。
ウチの妹はデカ目ではないが、あのボーッとした可愛らしさは何処にも居ない替えがたい可愛さのオンリーワンだ。
万が一キモい目でシュガールが見られたら、悍まし過ぎる。色々蜂の巣にしてしまいそうだ。取り敢えず目を潰して……。
ああでも、顔はバレるからダメか。後で兄上達に自分達を何故呼ばないと怒られてしまう。
制裁者はひとりでいいだろうに。本当に兄上達と弟は心が狭い。
「入れろ」
「はっ」
今度は止められなかったな。
まあ、王子の俺を護衛ごときが止めるのは流石に不敬だからな。
……その面、無駄にイラッとする。
「………何方!?まあ!!生イーツ王子殿下!!」
「ナマイーツ?」
誰だ、このイジワルメガネ装備の女は。不敬だ。
抱えている不敬オブザイヤーの看板が目茶苦茶似合うな。確かにシュガールの見立て通りだ。俺の妹は慧眼だった。
どうでもいいが、大量のワニのぬいぐるみとクッション、及び飾り棚の上の大量の棘っぽい物?ウニか?に襲われる熊の置物が趣味が悪いな。
「イーツお兄様!!勝手にお入りにならないでっていいましたでしょ!!ひとり来ると5人集まってくるんですから!!」
兄を虫のように言うな!!傷付くだろう!!家族なら何を言っても悲しまないとでも思っているのか!?
「兄上達は知らんが、俺は群れる趣味はない!」
「ひ、姫様!!殿下がたは姫様の危機に集まる習性が有るだけの、頼れるお兄様なんですよ!!」
全くその通りだ。パルトフェも偶には本当の事を言うな。アマタと並んでチャラチャラしてるだけかと思ったが。ふむ、多少認めてやってもいいかも知れない。多少だけな。
シュガールが俺を毛虫を見るような目が無ければ、もっと良かったがな!
「あまり大声を出すんじゃない、シュガール。近くの国のスカスカ頭の女好きで有名な王子が来ているんだ。お前のボーッとした可愛さがヤツを魅了したらどうする」
ええ!?知らなかった!!みたいな顔で驚くんじゃない。朝食の場で父上の執事から話が有っただろうが!!と言いたい所だが、臣下と平民の前で妹を怒るのは良くないな。俺は分別のある王子なのだから。
「僭越ながら、イーツ殿下。このパルトフェに膾斬りのご許可を」
「俺が蜂の巣にしてからにしろ」
「………失礼なお兄様ね!!ボーッとしたは余計よ!!後、そんな危険人物なら牢屋で会談させて!!」
ふんっと鼻息荒い妹が吠えた。牢屋牢屋と、投獄の味をすっかりしめおって。投獄すると楽だからな。分からんでもないが。
それに、あのハイパーボンクラ出来損ないな実績持ち王子でも、何か仕出かさない内にそれは出来ない。仕出かしたら、牢屋を経由せず手出しする。していいと奴の祖国からお墨付きが来ていることだしな。
適当な冤罪でもいいんだが、それをシュガールに教えることは出来ない。颯爽とピンチ開始に駆けつけ、兄の威厳を取り戻したい我々の出番が無くなる。此処は穏便な風を装って行かねばな。最近公務をサボるから情報が偏るんだぞ、シュガール。
「一時の感情で投獄出来るならとっくに俺が投獄している。
大体、お前がポンポン放り込むから最近は俺も投獄を控えているんだぞ。スペースが無くなってきたんだ!」
「イーツお兄様の方がポンポン放り込んでるわ!!」
「してない。最近、牢屋の空き待ちだと分かるよう、簡易的に牢屋ネックレスを着けさせているからな。何時でも牢屋気分が味わえて罪を悔悛するそうだぞ。まあ、順番に放り込むがな!」
俺は穏やかな4番目の王子だから投獄を躊躇わないだけで、回数は控えている。慎みの有る王子だからな。
「牢屋ネックレス……最近同僚が死んだ目で着けていたあれが……」
ネックレスは牢屋の鉄格子をモチーフにした喉を飾れる俺のオリジナルレア品だ。センス溢れる高貴な品だが、欲しがるものは少ない。不敬をしてでも欲しいと言い出す気骨のある奴も居ない。全く、芸術が理解されないと言うのは虚しいものだ。
「………お、恐ろしいお話だわ……。シュガール姫様とヒンヤリプリンス、イーツ王子殿下の共通点が、まさかの牢屋ポンポン!!で見出しは決まりね!」
「ひ、ヒンヤリプリンス!?だ、ダサいわ!!イーツお兄様って、そんなダサい渾名を平民に付けられていたの!?」
「おい其処のイジワルメガネ装備の不敬、誰に向かってそのような渾名を付けている。
甘やかなどったら言う、実に気持ち悪い渾名のパルトフェよりは短いだけマシだが」
「イーツ殿下!?酷いですよ!!
そして局長殿、逞しすぎやしませんか!?貴女、今結構命の危機ですよ!!」
ふん、チャラチャラしているから変な渾名を付けられるんだ。
だが、これでも能力は高いし、戦闘力は有るし、敢えてなら周りに気を配れる男だからな……。最近シュガールから当たりが弱くなってきて不愉快だ。初回に庇わねばよかったか。
「騎士パルトフェ様!!命よりも眩いもの、それは真実!全てを照らし出し……待てよ、隣……スカスカ頭王子ですって!?ノリ王子のことですの!?」
「そんな名前だったな」
急ブレーキを常に掛けすぎたような女だな。急に甲高い声が低音になったから何かと思うだろ。
しかし、よく知っているな。名前通り、ワカメみたいな名前と頭が特徴の王子だった気がする。そうだ、砂糖と油分を混ぜたような頭の臭い男でもあったな。そういう体臭が奴の祖国には多いのだろうか。実に行きたくない。
「わたくし、そいつに婚約破棄と国外退去を喰らいましたのよ!?」
「「「…………」」」
新聞社の局長が、王子と婚約破棄?
随分と身分差の激しい組み合わせだったようだ。他国では常識が違うから仕方ないが。
「わたくし、今は新聞社で雇って頂いておりますが、没落させられましたがこれでも伯爵令嬢でしたのよ!」
伯爵令嬢か……。そんな身分で何故国外退去なんかを簡単に食らってるんだ。あの国は大丈夫なのか。
そして平民に養子に……そんな簡単そうに出来る話なのだろうか。余所事だから良いものの、ウチの国ではそう言う事は出来ないんだがな。貴族籍を抜けるのは結構大変だ。
「雇われてる割に家名が同じですね……」
「ホホホ!前局長が養女にしてくださいましたんですわよ」
何故急にプライバシーをベラベラ語り始める。女に限らんが、こういう奴は何をしたいのか意味が分からん。語られたところで覚える気もないと言うのに。
「まあ………。読み物みたいね。庶民に誑かされた王子に一方的な婚約破棄を喰らった令嬢を初めて見たわ。
パルトフェはこういうパターン見たことある?」
「ひ、姫様……。俺は無いですが」
「ホーッホッホ!!姫様、涙目になりそうですわ!
好奇心一杯の目でお見つめにならないでくださいませ!未だダメージは蓄積中ですのよ!!」
話が変な方向になってきたな。シュガールは容赦なく、しげしげとインケンメガネ装備女の回りを回っている。若干涙目、いや滂沱と涙を流しているな。仕方ない。心ゆくまで泣かせておこう。シュガールに呼び出された時点で、無自覚に抉られる対策を立てていないのが悪い。
そして、ついその元伯爵令嬢の新聞社局長の過去話を延々と聞いてしまった。
役立つ気配はないものの地味に面白かったが、国としての未来が無いな。早い所あの馬鹿王子を城から放り出さねば。
見張られながらも侍女や女官の尻を延々追いかけているそうだしな。
「ほう、本当に庶民が婚約者をパクる話が実在するのか」
「嫌だわイーツお兄様ったら。お母様だって従姉妹に婚約者を奪われたんですわよ」
「姫様、姫様!!部外者の前で国家機密を気軽に喋らないでください!!」
「大丈夫よ。パルトフェは身内だから二度と私に不敬を働けないし、カイダシ嬢はお母様を敵に回せないもの!」
「くっ、確かに王妃様に関してはトップシークレット扱いですわ!!業界では有名ですもの!!」
母上を敵に回したら確かに恐ろしいからな。
敵に回したのは例の従姉妹姫だ。何でも、婚約者と同衾している寝室の扉を小型の破城槌で破らせ、ふたりを吹っ飛ばしたらしい。
因みに、詳しいことを知る気にはなれない。大体廊下に運び入れられる破城槌なんてフィクション臭い。扉を破り、不埒者を成敗するなら斧で充分だろう。リアリティーに欠ける噂だ。大きいことは良いことじゃない。大袈裟にするにしても加減が必要だと言うのに。
「はい!望外の極みです姫様!二度と不敬を働かないよう努力致します!!出世頑張りますね!!」
「ふんっ、私を失望させたら即、極刑よ!せいぜい頑張るのね!!」
「わたくしをダシにしてイチャつかないでくださいませ!!」
………シュガールは急にベタベタとパルトフェにくっつき出したな。意味不明だ。
アマタの意味の分からんお節介が現実になったということか。
……まあ、正直苛つくし腹が立つが妹が……デレッと締まりない顔になっているから由とするか。
「ふぬっ、こらっ!入れろ!!此処に可愛らしい姫君がいると聞いたのだぞ!!是非ともぐはっもちゃっ!!」
背後で壁に海藻を叩きつけたような音が聞こえるが、気のせいだな。
あのジャンと言うもの、腹立つが護衛としては優秀らしい。俺付きの武官の声もチラチラ聞こえるな。成程、袋叩きか。後で労わってやるとしよう。
そっとドアに近づき、控えていた侍従に指示を出した。
「牢屋に突っ込んでおけ。其処の妹の護衛の忠義に免じて嫁を期間限定で出してやろう」
「承りました」
さて、部屋を明け渡した者に牢屋ネックレスを賜らせねばな。
しかし、早めにあの侍女も入れ直さねばならんし……牢屋を増設すべきかもしれん。兄上に進言しておくか。
「……ヒンヤリプリンス殿下、畏れながら」
「今後、その渾名で呼び掛けたら一族郎党、重労働の刑を科すぞ」
「イーツ殿下におかれましては!」
「聞く気はない。シュガール、俺は戻るぞ。奇声もその辺にしておけ。不埒者を呼び寄せて狙われては、オチオチ公務もしてられんからな」
「何よイーツお兄様のバカ!!急に変にデレデレしても騙されないわよ!!もう使い古しのその手には乗らないんだから!顔だけシスコンお兄様のバカ!!」
何てことを言うんだ!!俺はシスコンではない!!妹想いのイケメン王子なだけだ!!グサッと胸に来たぞグサッと!!
「シュガール姫様!!イーツ殿下が重傷を負われていますから!!」
「ふん!都合のいい時だけ構いに来るなんてウザいのよ!どうせなら甘いものを持ってきてよね!!」
………妹に滅多打ちにされた俺は公務をこなせるだろうか。すぐさま趣味の粘土細工に掛かりたい。
そうだ、今ならあのウニの置物よりも素晴らしいものを拵えられそうだ。
「イーツお兄様!」
「……何だよ」
「変なのから守ってくれて有り難う!」
「……シュガール!!」
やっと、分かってくれたか!!俺の想いを!!
……妹に振り回され過ぎな気がするが、良かった報われた!!
うむ、パルトフェの拍手も心地よいな。アイツの拍手は実にいい音を鳴らす。
「でもパルトフェがいるから、もう良いわ。何だかノリのお化けが彷徨いてて危ないみたいだし、カイダシ嬢も帰って良いわよ。いい記事を書いたら御用達を考えてやってもいいわ!お得なお取り寄せスイーツ特集とかね!」
「……イーツ殿下のお心はシュガール様にはきっと届きますわよ……」
「……」
追従の技術は流石元伯爵令嬢。多少マシなようだ。
「あっ!!イーツ!!お前、急に抜け出してシュガールの機嫌を取ろうとしてるな!!抜け駆けだ!!」
煩い次兄が来たな!!
そして何時まで付いてくる気だ、この女……いや、ご婦人は!!
「喧しいです兄上!!おい、そこの不敬イヤミ眼鏡。ヴィトー兄上には変な渾名は無いのか」
「不敬は兎も角、イヤミ眼鏡!?おおおおお酷いですわイーツ殿下!!直ぐ眼鏡を買い直しますので、その覚え方はお止めくださいませ!!」
「……その引き摺っている余所の国のアホ王子と言い、その横の御婦人と言い……何だかよく分からないが、イーツ迄変なフラグを建てているな……。
コレが噂の三角関係と言う奴か?何と無駄に面白そうな。よし、兄上とアマタとキヴィに教えて総出で揶揄おう」
「兄上ーーー!!」
変なフラグって何だ!!
数々の素敵なお話の中からこの作品に目を止めて頂き、お読み下さった貴方に感謝を込めまして。