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愛は世界を救う、だろ!  作者: もへこかな
8/9

貧乏生活

俺の住んでいるコーカスタの街は、ユクタスという国の中でも3本の指に入る大きな街だ。

人口は約10万人程。

この街の東側には大森林が広がり、魔物や植物が多く存在する。

また西側には大きな川が流れており、川の魔物も多く存在する為この街には他の街よりも大きめの冒険者ギルドがあり、常に魔物討伐や植物の採取などの依頼が沢山ある。

その為冒険者が多く集まり、必然的に飲食店や宿屋などが集まる賑わいのある街となっていた。


華やかな貴族や裕福な市民が居を構える住宅街が繁華街より南側、一般庶民の集まる住宅街が北側に位置し、その中心にはこの街のシンボルと言えるユクタス最大の魔法学校、コーカスタ魔法学院がある。

魔法学院の中心にはシンボルたる理由になっている、街中どこからでも見ることができる程の大きな時計塔がそびえ立っており、その存在感を示していた。



だが、華やかな生活の陰には俺たちのような最下層の住民も数多存在し、実に人口の3割は俺たちのような貧民だと言われている。

街の中でも外と一番近い壁際、そんなところにスラムは存在していた。

俺の両親のように、親も貧しくて教育を受けられなかった者、冒険者を志してやってきても実力が足らず金を稼ぐことができなかった者、華やかな世界から何か事情があって転落してきた者等、貧民になる理由は様々だ。


お互いにお互いの事情は深くは聞かない。

それがこのスラムのルールになっている。

この世界は金を稼ぐ力があるかどうか、それが分かれ道となっている。

貧民の親に生まれてしまうと、お金が無く学ぶことも出来ない子供達はなかなか貧しい暮らしから抜け出せないのが現状だ。


教育が受けられない為犯罪も多く、スラムの中は治安も悪い。

子供たちは日常的に窃盗を繰り返し、生きる為に食料確保に必死だった。

教養のない親たちも、いくら頑張って働いたところで1日に貰える給金は二足三文で、何とかその日食べるものを買えるかどうか、細々と暮らしていくだけでやっとの生活だった。


そんな中、5歳になった俺の兄弟たちは何と、兄のリュート、2才年下で3歳のコーキ、3才年下のソーヤと貧乏子沢山というやつで、4人兄弟だ。


つまり、俺たちの両親はこの4人を食わせるのに必死だった。

仕方がないので兄弟の中でも年長者の俺とリュートは最近では手分けして繁華街を回り、何か食料になるものがないかと日々探して歩いていた。


兄のリュートは窃盗をするような度胸はなく、飲食店のゴミ箱を漁ったりしているようだ。

俺は元々現代人と言うこともありゴミ漁りには強い抵抗があり、街中を歩き回っては誰かの落し物の中から換金できそうなものをさがしては換金したり、物乞いのような事をして過ごしていた。


この生活を続けていてもなかなか食生活が豊かになる事はなく、常に空腹のやせ細った自分の体を見て何とかしなければ、と考えてみる。


そういえば、昔読んだラノベでは魔法で狩りをして獲物を捕まえていた。

この街は魔物狩りに適した街なのだが、何故この街にこんなに冒険者が居るのか、スラムの中の常識に囚われていた俺は今までその考えに至って居なかったのだ。

慣れとは恐ろしい。何故もっと早く気づかなかったのだろう、と考える。

これから何をするべきか、考えるだけでワクワクする。

やっと5歳です..まだまだ子供ですね 笑

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