練習
前回のリュートとの一件で魔法のコツを掴んだ俺は、更に腕を磨くべく日々練習をしていた。
主に両親の目を盗んでは水瓶の中に水を足してみたり。
リュートが転びそうになると風魔法でクッションを作ってやったり。
こういうの、生活魔法って言うのか?
とにかくまだ足取りがおぼつかない俺には魔法は非常に便利だった。
欲しいものに手が届かない時にも風魔法を使えば手元まで運べるし。
ちょっと高くて登れないところも、他の人に見られないよう気をつけなければいけないものの土魔法で階段を作れば登れるし。
いいな、これ。
何故他の人の目を盗んでかというと、他の人が俺みたいに魔法を使うところを見たことが無いからだ。
もしかして、魔法を使う俺を見て気持ち悪いとか呪われた子供だとか言って捨てられたら困るからな。
いや、多分捨てられても生きていけるけど。
一応成人する年くらいまでは親がいた方がいいと思うしね
みんなが使えるものではないんだろうか??
それを確かめるには俺はまだ幼すぎるので、もう少し状況を確かめてからにしよう。
毎日2回水汲みに出かけていた両親は、何故か最近1日1回の水汲みで済むようになって首をかしげていたが。
俺が呪いの子供じゃなかったら、水汲みの必要のない生活を約束しよう。