警察と話す時は気をつけよう
「ねぇ作者。1つ前の話で質問があるのですけれども」
な、なんでしょうか。
「宋史浩意と細流蒼は死んでないのではなくて?」
え、えぇ。死んでませんはい。
「じゃあなんで『死体』が消えたなんて言ったのかしらぁ?」
……
「あら、答えられないのかしら。SA☆KU☆SHA☆SANN☆」
す、すみませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
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「……まぁ警察の人が間違えたということにしておきましょう」
「何か言ったか?蓮」
「独り言よ」
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「なんだね君は!」
「なんだね君はってか。そうです、私がゴールド探偵、蓮ちゃんです。あっ変な蓮ちゃんったら、変な蓮ちゃん。変な蓮ちゃんったら変な蓮ちゃん。っと、布団が吹っ飛んだ」
静まり返る。
「……出ていきたまえ!!!!」
「ちょ、ちょっと私に触らないでよ!」
蓮ちゃんはたくさんの警察官に抑えられる。
実はここは愛知県警の本部長の部屋だ。
そう、蓮ちゃんはあれから真っ先にここに乗り込んだのである。
「……やっぱあの時逮捕しておけばよかった……」
もう後悔しても遅いですよ剣璽さん。
「剣璽剣志課長殿。これは一体どういうことかね。説明して貰おうではないか」
「佐々木本部長。私は一切関係しておりません。この女が勝手にやったことです。なので私は帰りますさようなら」
「ちょっ待ちなさいよ剣璽!」
と、剣璽がドアノブに手をかけようとした瞬間。
「ほう。いいのかね?用件は今日起きた金松蓮の殺人事件のことだろう?」
【……】
おーい、だからこの作品にシリアスなんてあっていいのか?え?いいの?いいの作者!?
剣璽が手をかけるのをやめ、振り返るの同時に、佐々木本部長は他の警官に目で出ていけと合図をすると、他の警官はすぐさま敬礼をして、部屋を出ていく。
「……さて、邪魔者はいなくなったことですし……」
「えぇそうね佐々木本部長」
「久しぶりだな蓮。まさか乗り込んできたのが君だとは思わなかったよ」
「えへへっ」
「褒めてねぇしその喜び方可愛くなぇよ」
「いや、とてつもなく可愛い」
佐々木本部長殿おおおおおおおおおおおおお!?ついに目と耳と脳までやられましたかぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
「それで?佐々木。今回の件だが--」
「上の指示だ」
「へぇー上の指示ねぇ」
上。愛知県警本部長の上、つまりは--
「公安か……」
「あぁ。だから仕方なく、証拠も全て公安に渡した」
「あれ?私は証拠にならないの?というか犯人じゃないの?」
自分でそれを言いますか……。
「……まぁ受け取りに来た奴がその……」
「……おっと……」
「へぇ?あいつなのね。赤犬……!」
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だがそれと同時刻。
「……余計な手間をかけさせやがって……!」
「落ち着いてくでさい赤犬さん」
「俺の独り言だ。黙って運転に集中しろ」
「はい……」
高速道路を走る大型トラックの運転席・助手席には男が2人仲良く乗っている。
この2人は公安の人間だ。
しかし……あいつは何故この2人を……?
「赤犬さん!後ろ付けられてます!」
「ん?」
部下にそう言われ、車のミラーで確認する。
同じ車が3台。横に並ぶように並走している。
あれはまさか……!?
「日新。撒けr--」
バン!
赤犬が部下に言おうとした瞬間、銃声と共に血飛沫がかかる。
それと同時にトラックがスリップし、ガードレールに何度もぶつかり、道路を封鎖するようにして止まる。
シートベルトをつけていなかった赤犬は運転席の中で飛び回り、頭に強い衝撃を受け、動けないでいた。
そんな中、またもや銃声が聞こえてきた。それは赤犬の横のドアを狙っていた。
「レッド。無事?」
それは女の声だった。
「無事なわけがないだろ……イッテ……」
「あら、そう。警察から奪ってきてくれてありがとう」
「マゼンタ……」
「これはシルバー様の手柄。って無能なゴールドに伝えといて。--レッド?」
ドアが開く。
その時、ようやく声の主の姿を見ることができた。
黒髪の黒目。だが、日本人ではなさそうな雰囲気。また、黒いスーツを着ている。
「少々荒すぎやしないかい。そのシルバー様のやり方」
「別にここであなたを殺してもいいのよ?」
「へぇ?--俺を殺したら組織内での全面戦争になるけどそれでもいいなら--殺してみろ」
頭から流れる血が止まらない。頭だけではない。体中からだ。
「……まぁいいわ。少なくとも、これで組織の失態を処理できる」
「組織の失態……?マゼンタ。お前は俺を殺しに来たのではないのか?」
「はぁ?なわけないでしょ。あなたを殺して何の意味があるのよ」
「じゃあ何故お前がこんなことを!」
「だから言ったじゃない。--組織の失態を処理しにきたのよ」
「まさかッ!」
「……準備出来たみたいね。じゃあ引き続き頼むわよ?赤犬」
「待て!マゼンタ!」
遠ざかっていくマゼンタに叫ぶ。
だが、止まることなくマゼンタは車に乗って、組織の者達と一緒に高速道路を逆走して逃げて行った。
「くっそっ!」
結局何が目的でこんなことをしたのかわからなかった。
なんとか力を振り絞って外に出れた赤犬。
そこでトラックの後ろがグチャグチャになっていることに気付く。
慌てて中身を見に行くと、もぬけの殻になっていた。
「チッ!あの二人が目的か!」
すぐさま携帯を取り出し、電話をかける。
『エッチなお店♪私達とイイことしな〜い?予約受付中よ♡』
すぐさま切る。
どうやら掛け間違えたらしい。うん。掛け間違いだよね。
もう一度掛け直す。
『さっきは切られたけど、やっぱり興味あるのね♡今からでも大歓迎よ♪へ・ん・た・い・さん♡』
すぐさま切る。
やっぱ掛け間違いだよね。うん、こんな重要な場面でこんなことあるわけないもん。うん。
もう一度電話番号を確認し、電話をかける。
『もう♡早く来なさいよ♡』
「いい加減にしろよ!?俺!?」
と通話相手に怒鳴り込むのと同時。車が何台か走ってくる音が聞こえてくる。ここはカーブを曲がってすぐのところだ。つまり、こちらを確認してからだと遅い。警察もまだ到着していないようだし……。
「ちょ待った待った待った!おいバフ!繋がれバカ!俺死ぬ死ぬ死ぬ!」
だが遅い。もう目の前に迫ってきていた。
「嘘だろおおおおおおおおおおおおお!?」
車が4台ツッコミ……もとい。突っ込み、大爆発を起こした。
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「ねぇ今回なんかめちゃくちゃじゃない?」
えー?いつものことじゃん。
「……」
じ、じかぃもお楽しみに!!!!!!!!!