まだ、闘いたがっていた。
ついにラムリエとしての活動は終わりを告げるのか、とオレは思う。
いや、学校生活も終わりだ。
こんな大観衆の前でブラを公開されるなんて。
頭の中を七色のランジェリーが走馬灯になって流れていく。
いや、もしかしたらこれが本来の自分自身なのかもしれない、などと思ってもみるも。
親は泣くだろうな、と現実が頭をよぎる。
万が一ブラがごまかせても、ブチギレのマラ宮とタイマンが待っている。生き残っても地獄だ。
ああ、死のう。それしかない。
と、ほとんど決断しかけた次の瞬間。
意識がメルトダウンを起こし、時間の流れが穏やかになっていくのを感じた。
頭の中で誰かが叫んでいる。聞き覚えのある声がする。
≪吼えろ≫と、奴が叫ぶ。
≪卑劣、狂気、反吐、汚物―――お前にはまだ武器がある≫
と、ジェネシスが、オレを呼んでいる。オレを何度も戦場へ導いてきた声。
クズ同然のオレの中にある、最後のプライドは、まだ闘いたがっている。
「マラ宮ァアアッツ、逃げんのかよおおおォォォオオオ!!」
と、オレはほとんど無意識に叫んだ。
「おめえええみてえなゴキブリ野郎の蹴りなんて何発食らってもきかねええええんだよォオォォオオオ!!!」