神話の天使
サイネルダ国の8月13日。その日は、『聖天使祭』の記念日。『神話』の天使の話をしよう。
その国の都市ドミニカの小さな丘の上。
そこは、神話の話のモデルとなった場所。
*…*…*…*…*
『 神 話 』
ある日。人に仕える天使は疲れて、人の姿になり湖で泳いでいた。その時、悪魔に気にいられ、攫われてしまう。
たまたま通りすがりの青年が、その天使を救った。その事より、彼らは仲良くなった。
その後、青年は自分の正体を明かした。
たまに会う関係だったが、いつしか互いに惹かれあった。
神々に仕える天使は…許されない恋をした。
天使は、青年王を愛した。
一国の青年王も、天使を愛した。
神々は天使を許さなかった。邪魔となる青年を…青年の愛した国や世界まで、壊し始めた。それ程、掟を破った天使が許さなかったのだ。
その事を聞き、天使はとても苦しんだ。
自分が愛した青年は、この国の王…この世界を守る者。自分は、人の為に働く天使。
数多な『世界』や国々、青年の愛した国を救うのか?
それとも、神々の言うとおりにして、愛した者を皆殺しにするのか?
迷わなかった。天使は、もう決めていたから。自分の愛した青年の為に、この命を…捨てようと。青年の愛した物を、すべてを守りたい。ただ、それだけ。
その時の場面が、『聖天使祭』の像に、よくなっている。
その事より、数多な『世界』や国々を救う為…神々の審判で天使は、自らの首を刀で掻ききる。
青年は急いで、助けに来たが
もう、遅かった。
青年の腕の中で、黄金色の光となって消えた。彼の贈ったピアスだけ残して。
神々に刃向かい、その天使の死に場所が、それがここドミニカの丘の上らしい。
それで、天使が死んだ事より、神々の怒りは収まった。消えた事より…すべて救われた。
それから、青年王は失望していた。
自分の愛した女性が、死んだのだから。
だが、1月経ったある夜。夢の中で、天使と出会った。
天使は言った。
「私はいいから、他の人を好きになって」と。
それでも、彼は一生天使の事を愛し続けた。やがて王妃をせめられたが、彼はしなかった。
天使の事を、とても愛していたから。それが、出来なかった。
*…*…*…*…*
天使が死んで、数年後。
青年は、とても後悔した。青年は、彼女の死んだ日を『聖天使祭』とした。
その祭りでは、必ずイベントがある。
それは、好きな相手に、1組の銀色のピアスを分け合う行為…つまり、「結婚してくれ」と言うプロポーズ。
2つで1つの物。結婚指輪とは、また違う物。互いに…ただ1人を生涯愛し続けると言う『神話』の教え。何故、そんな事をするのか?何故なら、神話のカップルは、互いに死ぬまで付けていたから。よって、今の『聖天使祭』が出来たのだ。