サバンナの女が男をブッ飛ばす
灼熱の太陽が照りつけるアフリカのサバンナ。
主人公のレイラは、野生動物保護パトロール隊の女性隊員としてここで働いていた。
今日もいつものようにジープを走らせ、動物たちの様子を見回る。
穏やかな一日だった。
ライオンが木陰で昼寝をし、キリンが優雅に木の葉を食べ、ゾウの群れがゆっくりと水場に向かっている。
レイラは胸をなでおろした。
「今日は平和だね……」
その瞬間——
遠くの草原を、黒くて大きなトラックが猛スピードで疾走してきた。
エンジンの爆音がサバンナの静けさを引き裂く。
運転席に座る男の手には、明らかに密猟用の大口径ライフルが握られていた。
レイラの目が鋭く細まる。
「動物達を守らないと!」
彼女は即座にアクセルを踏み込んだ。
ジープが砂塵を巻き上げながら黒い車を追う。
無線で本部に連絡を入れながら、レイラは叫んだ。
「止まりなさい! 動物密猟は違法よ!」
黒い車は無視してさらに加速し、巨大な雄ゾウに銃口を向けた。
ゾウは怯えたように鼻を上げ、群れの子どもたちを守るように体を寄せる。
「やめなさい!!」
レイラはジープを男の車の横に並べ、急ブレーキをかけて飛び降りた。
砂埃が舞う中、彼女は堂々と立ちはだかる。
男は車から降り、今度はレイラに向かってライフルを構えた。
薄汚れたシャツに冷たい笑みを浮かべ、指をトリガーにかけようとしたそのとき——
遠くから、ゾウの群れが一斉に動き出した。
大地を揺るがす重い足音。
興奮した雄ゾウの一頭が、黒い車の後部を勢いよく体当たりした。
ガシャァァン!!
車の後部が大きく潰れ、男はびっくりして振り返った。
「な、なんだ!?」
その一瞬の隙——
レイラの目が光った。
「チャンス! 今しかない!」
彼女は地面を蹴り、猛烈な勢いで男に飛びかかった。
男が慌てて銃を向け直すより早く、レイラの長い脚が弧を描き、男の手からライフルを勢いよく蹴り飛ばした。
「しまった!!」
男が焦りの声を上げた瞬間、レイラは腰を落とし、全身のバネを利かせて右腕を振り上げた。
「てりゃぁぁぁぁぁ!!」
完璧なフォームのアッパーカット。
拳が男の顎を真正面から捉える。
ドゴォォォン!!
男の体が一瞬浮き上がり、
「ひぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」
情けない悲鳴を上げながら、派手に砂の上に倒れ込んだ。
口から血と歯が飛び、意識を失う。
レイラは息を整え、倒れた男を見下ろした。
拳を軽く振り、クールに一言。
「動物たちを傷つけるなんて……許さない。」
遠くでゾウの群れが、まるで拍手するように鼻を高く上げてトランペットのような声を響かせた。
他の動物たちも、どこか安心したように動きを緩める。
レイラは男の両手を後ろ手に縛り、無線で応援を呼んだ。
意識を取り戻しかけた男の襟首を掴み、冷たい視線を突き刺す。
「二度と動物をいじめるんじゃない。一生をかけて檻の中で反省しなさい。」
男は震えながら何度も頷くしかなかった。
その日、サバンナに少しだけ平和が訪れた。
レイラはジープに乗り込み、再びパトロールを続ける。
夕陽に照らされた彼女の後ろ姿は、まるでサバンナの守護者のように力強く、美しかった。




