モンスター来庁中
「どうして私の申請は通らないんですかっ!!」
お前が毎週毎週、ご近所の人を申請し続けるからだよ。常識を考えろ。先輩と二人で対応している時点でお前はまともな人間じゃないんだよ。
「そうやって水際で申請を止めるのは違法ですよ!!」
お前の書類が揃ってないだけだよ。なんだこの読めない崩れ文字は、楷書で書けないのか、国民じゃないのか?
怒鳴れば書類を通せると思いやがって。そんな気軽に殺人を申し込みやがって。死ね。
大体、人を殺す為の書類がどれだけ複雑か分かってないだろ。しかもマイナンバーカード非開示。自分の素性を出さない相手をまともに対応するわけないだろ。個別の部屋も予約しねーで毎回毎回ふざけるなよ。お前のせいで、どれだけ仕事が圧迫されると思ってんだ。
あと、先輩が怖いんだよ。静かに怒ってるんだよ。冷静に対応してくれているけど、後輩の俺にとってはめっちゃ怖いんだよ。早く終わってくれ。
「町長に言いつけてやるからな、俺は同級生だからな!!」
知らねーよ。無駄に町長に手紙を書きやがって。相手にされていないの分からないのかよ。
口元に泡吹かせながら怒鳴り続けて汚いんだよ。唾を飛ばすな。気持ち悪い。
血管ぶちぎれて死ぬんじゃないか。こいつ。死んでいいよ。
「なんで死んだ方が良い人を殺せないんですかっ!!」
お前の方がよっぽど死んだ方が良いよ。ご近所さん10人以上申請上げるなんて狂人だよ。なんでお前に対しての申請が上がってないか不思議だよ。
どうして、どうして、こんな意味が分からない人を対応しなければいけないんだ。公務員だから仕方ないのか。そんな訳ないだろう。
「〇〇〇〇〇〇っ!!」
……すごい、もう何を言っているのか理解できなかった。感心しちゃったよ。会話のレベルが違い過ぎる。
クレームになるか? クレームじゃないのか、駄目か。もう少し言い方が違ったら警備員呼べたかな。
なんだ、本当に何を言っているか分からなかったから、分析もできない。
もー駄目、目の焦点が合っていないんじゃないか、こいつ。カメレオンみたいに目がぎょろぎょろして落ち着かねーな。
どうしてこんな奴が生きているんだ。
誰かこいつの殺人を依頼してくれよ。絶対に殺して見せるから。
――――
「先輩先輩!! あのモンスターが対象の殺人申請入りましたよ!! あれ殺せますよ!!」




