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019. 星夜に灯る、ひとつの誓い

彼らが砦を発って初めて迎えた夜。

不安も疲れもぬぐえぬまま、それでも一行は星の下に集い、火を囲み、言葉を交わす。

それは、ただの旅のはじまりではなく、心と心が少しずつ繋がり出す“再出発”の夜だった――。


 静かな朝だった。


 砦の鐘の音が鳴ることもなく、出発を告げる号令もなかった。

 ただ、空を覆う淡い朝霧が、地上をゆっくりと包み込んでいく。


 レイナたち移動団の列は、砦の外に広がる緩やかな丘を下りはじめていた。

 石の壁に守られた砦が、背後に遠ざかっていく。

 それは今もなお多くの者にとって“命の砦”であり、“最後の拠り所”だった場所――。


 馬車の車輪がぬかるんだ土を軋ませる音と、かすかな蹄の足音だけが、朝の空気を切り裂いていた。

 それ以外に、誰も言葉を発さない。


 霧のなか、列の最後尾にいた老婦人が、そっと一歩立ち止まった。

 「……もう、見えなくなるね」


 その声に、隣を歩いていた青年が振り返る。

 その視線の先、丘の上にうっすらと残る砦の輪郭は、まるで思い出が霧に溶けていくように、静かにその姿を消しつつあった。


 「もう戻れないの?」

 列の中央、母親の手を握った幼い女の子が、か細い声で尋ねた。


 母親は、微笑みながらしゃがみこみ、その小さな手を包み込んだ。

 「ううん、戻ろうと思えば、いつでも戻れる。でも、今は……進むときなの」


 女の子は、不安げにきょろきょろと周囲を見渡す。

 けれど、母親の目が静かに自分を見つめているのを感じて、小さくうなずいた。


 列の先頭近くでは、レイナが振り返ることなく、ただ前を見据えていた。

 その足取りはゆっくりとしたものだったが、揺るぎない。

 彼女の後ろ姿を見て、人々は一歩、また一歩と歩みを続ける。


 誰もが不安を抱えていた。

 砦の壁のなかで守られていた時間が、突然途切れたのだ。

 今、彼らが足を踏み出しているのは、地図のない旅路。

 その先に何があるのかも、誰もわからない。


 それでも、歩いていた。

 足元の草が朝露に濡れて、靴が少し重くなっても、誰もその歩みを止めようとはしなかった。


 砦の姿が、ついに霧に飲まれて見えなくなったとき――

 ひとりの子どもが、小さな声で言った。


 「……じゃあ、ここが、“いちばん最初”なんだね」


 誰に教わったわけでもない。

 けれど、その言葉には、これから始まる長い旅路を受け入れる決意のようなものが滲んでいた。


 そして列は、静かに、確かに進んでいった。

 砦の記憶を背に、まだ見ぬ地平へ向かって。



 朝霧が少しずつ薄れ、陽が射しはじめる頃――

 列の進む道は、ゆるやかな下り坂から、やがて起伏のある山道へと変わりつつあった。


 最初の難所とも呼べる、石とぬかるみが混じった細道。

 車輪のあとには泥が跳ね、馬の足元は不安定に揺れる。


 「そこの石、外すぞ! 押さえてくれ!」


 先頭の馬車で、青年使用人の声が上がった。

 彼は体を斜めに倒しながら、道をふさぐように転がっていた大きめの石を押し出していく。

 荷馬車が揺れれば、中にいる患者が傷む。

 それが分かっているからこそ、男たちの手は休まない。


 「気をつけて! 前の車輪、滑りかけてるわ!」


 医療班の女性が駆け寄る。

 彼女の視線の先、緩やかな斜面の途中で、馬車の一台がぐらりと傾いた。


 「下に木板を! ほら、これ使って!」


 別の者が叫びながら荷台から滑り出し、急ぎ敷板を差し込んだ。

 泥と汗にまみれながら、それでも誰も文句を言う者はいない。


 この旅は“誰かのため”にある旅だった。

 だからこそ、ひとつの馬車が立ち止まれば、皆が支えにまわる。


 後方で、その光景を見ていたレイナは、静かに息を吐いた。


 「……いい子たちね」


 呟いたその声に応えるように、側にいた老医師が笑みを浮かべる。


 「若い者は動けますからな。年寄りの役目は……それを見守ることです」


 その言葉に、レイナは少しだけ微笑んだ。

 それでも彼女の手は、杖のように握る馬車の縁を離さない。足元はまだ不安定なのだ。


 一方、馬の首元を撫でていた子どもが、不安げに顔を上げた。


 「お馬さん、つかれてないかな……?」


 その隣で母親が首を振る。


 「大丈夫よ。ちゃんと、交代で休めるようにしてあるからね。お馬さんも、わたしたちといっしょ」


 子どもはほっとしたように馬の背を撫で、「がんばってね」と小さく声をかけた。


 山道は続く。

 先はまだ見えない。けれど、道の上には誰も倒れていない。

 ――それが、旅の第一日目における、ささやかな勝利だった。



 昼近くになって、陽の光が木々の間から差しこみはじめたころ。

 移動団の一行は、森沿いに続く緩やかな道を進んでいた。


 森といっても、鬱蒼とした密林ではない。

 春の光を受けて芽吹いた若葉が、風にそよいでいるだけの穏やかな風景だ。


 ――けれど、その空気を切り裂くように、小さな泣き声が響いた。


 「うわああぁん……いやだ、いやだぁ……!」


 隊列の中ほど、荷を積んだ馬車の脇で、幼い男の子が座り込んで泣いていた。

 足を引きずるように歩いていたが、とうとう疲れと不安が限界に達したのだろう。


 「またか……」


 近くを歩いていた若者が顔をしかめたが、すぐに歩調を緩める。

 男の子の母親が駆け寄り、しゃがんで両肩を優しく包みこんだ。


 「泣かないの。お兄ちゃん、頑張ってるでしょう?」


 けれど、子どもの涙は止まらない。


 「こわいよ……。夜になったら、おうちに帰れるの?」


 その言葉に、母親の手がぴたりと止まる。

 彼女の背後では、砦にあった仮設住宅がもう霞んで見えない距離になっていた。

 “帰れる家”は、もうそこにはないのだ。


 沈黙を破ったのは、荷馬車の上で毛布を直していた老婆だった。


 「坊や、おばあちゃんもね、最初は怖かったよ。砦に着く前……ずっと砂漠を歩いたの。目も口も痛くて、ひとりぼっちで、泣いてばっかりだった」


 老婆は笑いながら、男の子に手を差しのべた。


 「でもね、泣いててもいいの。ちゃんと、おとながそばにいるから。

 泣いたぶんだけ、元気も出るものよ。おばあちゃんなんか、いまじゃ笑いジワしか残ってない」


 母親がふっと微笑み、子どもも涙をぬぐいながら、差し出された手を握り返した。

 手のひらはしわだらけで、けれどあたたかかった。


 そのやり取りを、少し後ろから見ていたレイナは足を止めた。

 そして、荷車の影にいた子どもたちへと近づき、小さな声で語りかける。


 「ねえ、みんな。お話、聞きたい?」


 子どもたちは目を丸くして、こくりと首を振った。


 レイナは荷車の縁に腰かけると、小さく笑った。


 「むかしむかし、“風を食べる馬”がいたの。とても早くて、ひと足ごとに雲のうえに飛べるっていうくらい……」


 子どもたちは息をのむ。

 泣いていた男の子も、少しだけ前ににじり寄ってきた。


 ――その頃には、列の大人たちも、いつのまにか笑みを浮かべていた。

 誰かが笑えば、空気が和らぐ。誰かが手を差し出せば、それが次の優しさへとつながっていく。


 午後の陽射しのなかで、列はまた、静かに歩き出す。

 今度は、さっきより少しだけ足取りが軽かった。



 午後の陽は高く、移動団の影を長く引き伸ばしていた。


 道は相変わらず続いている。

 それでも、朝に比べれば皆の足取りには、わずかながらも落ち着きが感じられる。

 重苦しい沈黙ではなく、そこここに交わされる声や笑い――それは確かに、ひとつの“旅のリズム”が生まれつつある証だった。


 そんな中、一人の少女がふと立ち止まった。

 年のころは十歳ほど。医療班の荷馬車に付いて歩いていた助手見習いの少女だ。

 彼女は路肩に咲いた一輪の花に目を留めていた。


 「先生、この花……見たことない」


 少女の言葉に、隣を歩いていた老医師が足を止める。


 「ふむ、これは……“ユウガオモドキ”か。いや、花弁の形からすると、似た別種かもしれんのう」


 しゃがみ込んで花を見つめる医師の後ろで、少女がメモ帳を取り出す。

 そこにはすでに何ページにもわたって、植物や体調の記録、通った場所の地名などが書き連ねられていた。


 「ええと……“丘陵のふもとで発見。白花、五弁。葉の形は槍型。香り、なし”……っと」


 小さな手で鉛筆を走らせる。書きながら、少女は嬉しそうに小さく笑った。


 「先生、旅が終わったら、この記録で本を書こうかな。『旅する医療団の草花帳』とかって」


 「うむ、良い名だ。だがその前に、もう少し字を丁寧に書く練習をせんとな」


 からかうように笑う老医師の横で、少女はむっとした顔をしながらも照れていた。


 その様子を、少し離れた場所でレイナが見ていた。

 彼女は静かに、旅団の様子を見回す。

 疲れた顔もあれば、少し笑っている顔もある。

 今この瞬間を記すこと――それは“ただ進む”だけでは得られない、何かを宿す。


 レイナもそっと、自身の手帳を開いた。

 そこには、まだ砦にいた頃から書き続けていた文字が残っている。


 「この地に咲く、名も知らぬ白い花。

  わたしたちは、どれほどの景色を、この旅で見ることになるのだろう。

  足跡を刻む者として、書き留めてゆきたい。」


 そう書いて、レイナは静かにページを閉じた。


 記録とは、振り返るためのものではない。

 歩みを確かめ、未来へとつなぐための、小さな灯火のようなものだ。


 馬車の隊列がまた動き出す。

 路傍の野花が、風に揺れながら、その背を見送っていた。



 道は再び、なだらかな上り坂へと変わっていた。

 午後の陽がやや傾きはじめ、湿った空気が荷車の間をすり抜けていく。


 その中で、一際静かな空気に包まれているのが、医療班が連なる馬車の一群だった。


 帆布で囲われた車内には、体を起こすこともままならぬ患者たちが寝かされている。

 その表情は穏やかにも見えるが、それは決して病状の回復を意味するものではない。

 ただ、痛みに慣れ、声を上げる力すら残されていないだけだ。


 「……呼吸が浅くなってきたわ」


 医療班の一人――背の低い女性看護手が、額に手を当てながら小声で言った。

 相手は、砦にいた頃からずっと寝たきりの老人だった。

 持病を抱え、もはや回復は見込めないと言われていたが、家族とともに療養団への同行を希望していた。


 看護手の言葉に、近くの老医師が静かにうなずく。


 「日中の熱気が身体にこたえたか。だが、ここで止まるわけにもいかん。……風を通せ」


 若い助手がすぐに頷き、帆布の端をまくって小さな換気口を作る。

 その隙間から、森の中を渡ってきた風がゆるやかに入り込み、寝台の上にいる患者の白髪をわずかに揺らした。


 「すまんな、我慢してくれ。あと少しで小川沿いの野営地に着く。そこで身体を冷やしてやれるからな」


 医師は小さく呟くと、湿らせた布を丁寧に額にあてがう。

 その手つきには、長年多くの命と向き合ってきた者の、深い覚悟と優しさがあった。


 一方で、別の馬車では子どもを抱いた母親が、心配そうに問いかけていた。


 「先生、薬はまだありますか……? 夜になると、咳がひどくて……」


 尋ねられた若い看護手は、小さな革袋を開き、薬草を調合した小瓶をひとつ取り出した。


 「これを煮出して、少しずつ飲ませてください。温かくして飲ませると楽になります」


 「ありがとうございます……」


 母親は深々と頭を下げたが、その瞳の奥には不安の色が残っている。


 それを察したかのように、看護手はふっと微笑んでこう言った。


 「でもね、あなたが笑ってくれるだけで、子どもは強くなれますよ。

 この薬も大事だけど、もっと効くのは……お母さんの笑顔です」


 母親は一瞬きょとんとし、そして小さく微笑んだ。

 それは決して強がりではない、ひとつの“覚悟”の形だった。


 医療班の馬車が揺れながら、またひとつ角を曲がる。

 そこには、白い鳥が空をかすめ、風に乗ってふわりと羽ばたいていった。


 遠くから見れば、ただの一行にすぎないこの旅の列。

 けれど、ひとりひとりの中には、それぞれの物語が積み重なっていた。

 医療班の工夫と手当は、命の火をつなぎ、歩む力をそっと支えている。



 黄昏が森の端を黄金色に染めていく頃、移動団は川沿いの開けた場所に野営地を設けようとしていた。

 冷たい湧き水が流れる小川がそばにあり、獣の気配も少ない。安全で、水が豊富なこの場所は、彼らにとってまさに“今日一日を終えられる地”だった。


 医療班が病人たちの様子を見ながら馬車の配置を決め、使用人たちが薪を集めて炊き出しの準備を始めたそのとき――


 「――おーい、そこのお歴々。ひとまず、休憩は後にしてくれないか!」


 林の向こうから、快活な男の声が響いた。

 振り返ると、数騎の馬とともに、見慣れぬ冒険者風の一団が姿を現していた。


 「ギルドの者です! スタヴロポリの本部から、支援物資の搬入に来ました!」


 先頭に立つのは、まだ二十代半ばほどの青年。

 赤茶の髪に陽を受けて、肩にかけた革袋がやたらと重たそうに見える。


 「指示通りに来たぜ。……おお、けっこうな大所帯だな」


 彼の後ろからは、次々と荷を背負った者たちが現れた。

 干し肉や保存用のパン、薬草、湧き水を入れた樽、予備の馬具や調理器具、さらには子ども向けの毛布や玩具まで。


 その様子に、場の空気がふっと緩んだ。


 「わあ……これ、ぜんぶ、わたしたちのために?」


 とびつくように声を上げたのは、先ほどまで泣いていた子どもたちの一人だった。

 冒険者のひとりが荷から小さな布袋を取り出し、しゃがみこんで渡す。


 「これは“しあわせ種”って言ってね。旅のお守りだ。道中、落とさなかったら……ゴールまで連れてってくれるよ」


 「ほんとに?」


 「ああ、本当さ。……だって、ちゃんと届けに来たんだからな。君たちの未来に、ちゃんと間に合うようにってな」


 笑って頭をなでる冒険者の手に、子どもが笑顔で頷いた。


 そのやりとりを見ていたレイナが、一歩前に出て深く頭を下げた。


 「遠いところを、ありがとうございました。皆、今日一日を乗り越える力になります」


 冒険者の青年は、照れたように笑って肩をすくめる。


 「こちらこそ。……ギルド長の言伝です。“道は遠くても、心の灯を絶やすな”。俺たち、ああいうの苦手だけど……まあ、伝えておくのが筋ってもんで」


 夜風が少し冷たくなってきた。

 焚き火の炎が、ゆらりと揺れ、冒険者たちの姿を照らす。


 「本当は、俺たちも一緒に行ければいいんだけどな。……でも、安心してくれ。

 ここにいる皆は、“生きて前に進む”ことを選んだ。なら、俺たちも、その道を後押しするさ」


 炊き出しの香りが広がる中、冒険者たちは一時だけ列に混ざって共に火を囲んだ。

 それは長旅の中で、ほんの一夜だけ訪れた“ささやかな祝祭”のような時間だった。



 夜の帳が、森をすっかり包み込んでいた。

 野営地に設けられた焚き火の灯りが、点々と周囲を照らしている。


 天は、雲ひとつなく晴れわたり、満天の星が広がっていた。

 旅の疲れもあって、多くの者が早めに寝息を立てはじめたが、焚き火のそばにはまだ数人の影が残っていた。


 レイナは、湯を注いだ木の杯を手に、そっと湯気を嗅ぎ取った。

 薬草の香りが、体の芯にゆるやかに染み入っていく。


 「……今日は、よく乗りきれましたね」


 そう声をかけたのは、医療班の若き女性看護手だった。

 焚き火の反対側に座り、膝を抱えながら空を見上げている。


 「ええ。皆、よく頑張ったと思うわ。特に、あなたたち医療班の働きには頭が下がるわ」


 「いえ……まだまだです。今日も何度か、診立てが遅れそうになって……」


 看護手が肩を落とすと、レイナはにこりと微笑んだ。


 「遅れなかった。今ここで、命が眠れている。それだけで十分」


 その言葉に、看護手は一瞬目を丸くし、やがて小さく頷いた。

 焚き火がぱちりと爆ぜる。薪がはぜた音に、誰かがくすりと笑った。


 もうひとつ離れた火のそばでは、ユーリ・ナカムラが、元黒鳥の女性隊員たちと話をしていた。


 「……で、お前はどうなんだ。後悔してないか? あの世界の肩書き、投げ捨ててまで」


 低い声で問うたのは、背の高い女性隊員。腕を組み、膝に毛布をかけながらも、目は真剣そのものだった。


 ユーリは黙って星を仰いだ。しばらくの沈黙ののち、ゆっくりと答える。


 「肩書きなんて、持っていても心が追いついていなかった。

 今こうして、焚き火を囲み、人と語り、共に道を歩いている。……やっと、何かを選んだ気がするよ」


 その言葉に、女性隊員がふっと息を抜いた。


 「ならいい。あたしもさ、最初はわけわかんなかったけど、こうして子どもたちと一緒に歩いて……なんか、悪くないって思えてきた」


 「……それが一番、大事なことかもしれないな」


 星空の下、交わされた言葉は多くなかった。

 それでも、そこには確かな絆が芽吹いていた。


 一方、焚き火から少し離れた場所で、老医師が一人、帳面に何やら書きつけていた。

 隣には、助手の少女が眠そうな目をこすりながら座っている。


 「先生、今日は何を書くの?」


 「ふむ、今日の夕方咲いていた野花の話と、薬湯の効き目についてだな。

 それと……“冒険者が持ってきた干し肉は意外と美味だった”とでも書いておくか」


 「それ、記録ですか? 先生の晩ごはんメモじゃなくて?」


 「ほっほっほ。旅に必要な記録とは、胃袋の満足も含めてじゃよ」


 少女がくすくすと笑い、老医師もそれに応じて笑った。

 そんな何気ないひとときが、心の奥を温めていく。


 やがて夜は深まり、焚き火が次第に小さくなっていく。

 空の星々はなおもきらめき、誰かの眠る夢の中に、そっと希望の光を落としていった。

砦の喧騒を離れ、野営の静けさに包まれる夜。

病を抱える者、過去を手放した者、未来を信じたい者――それぞれが胸に小さな火を灯すように語らい合いました。

次回からは、古道を越え、本格的な旅が始まります。

どうぞ、これからの彼らの歩みにもお付き合いください。


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