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三話 幽霊セカンドライフ 修正済み

修正しました。

 



 俺を殺した獣の群れを祟り殺した後、俺は最初よりも自分の死体から離れられることに気が付いた。

 前よりも離れられるだけで、ある程度の距離まで動くと縛られたように動けなくなるのは変わりなかったが。


 心当たりは、獣の群れを祟り殺した後の胸から始まって全身をかけ巡った奇妙な熱い感覚だろう。

 状況から考えるに獣の群れを殺したことにより、あの現象が起こったんじゃないかと思う。


 まるで、レベルアップしたみたいなあの現象。


 そうだとしたらあの現象を繰り返すことで動ける範囲が増えていく可能性がある。


 幽霊になったせいか腹も減らず喉も乾かず眠くもならない。

 焦る要素が無くなったので、俺はじっくりとこれからのことを考えた。


 ......動物を狩るにせよ今はまだそんなに動けないな。

 動ける範囲は大体十メートルほどまで伸びたがそれだけだった。

 

 恨み言でも吐きたい気分だが、吐いても虚しいので気長に待つことにした。




 あれから数日が経過した。

 ただ動物がやってくるのを待つだけでは暇すぎるので、俺は色々と何ができるのか?今自分はどうなっているのか調べてみた。


 まずこの体は曖昧な存在らしい。

 一度雨が降った後にできた水たまりを覗いてみたらかろうじて人型と分かる靄が写った。

 基本的に物には触れないようで、どうやっても持てなかった。


 ただ俺の体が触れた部分は多分生命力みたいなものを奪うのか、植物や動物は触れ続けると弱っていき最後には枯れたり死んだりする。

 ゲームとかでよくあるドレイン的な効果があるっぽかった。


 獣の群れを祟り殺したのもこの能力が原因だろう。


 色々と調べてみたが今のところ俺ができるのはこのドレインだけっぽかった。


 だがこれはこれで結構強力な能力なのかもしれない。

 微々たる効果量のようだが、ドレインした動物は動きが鈍るし、鈍った所を追撃すれば大体狩れる。


 おまけに俺の本体(死体)や、最初に祟り殺した十匹の獣の死体の匂いに寄ってくるのか結構な数の動物がやってくる。


 俺は自分の死体や、獣の死体に近寄ってきた動物を片っ端からドレインして狩っていった。

 日を追うごとに死屍累々といった有様になっていくのは気が引けたが、俺の行動範囲と異世界セカンドライフ(すでに死んでいるが)のためにものこのことやってきた間抜けには死んでもらう!


 一応自分の死体を守るって意味もあるので、若干の大義名分を言い訳に狩って狩って狩りまくった。


 そんな感じで近寄ってきた動物を片っ端から倒していると、胸が熱くなって全身を駆け巡る感覚が何度かあった。


 すると思った通り俺の動ける範囲は少しづつ増えていった。

 他にできることもこれといってないので、死体に集まってきた動物を狩っては範囲を広げるというのを繰り返していった。


 動ける範囲がだいぶ増えたころ、俺は初めて異世界の人間と遭遇することになった。




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