──君は、僕のスプリンター。
あの丘を超えて
虹の始まりを追いかけたあの日
どこまでも自転車こいで
辿り着けないまま夜
君とのお別れ
また会おうねって
明日もあるからさって、時間
1限目からの体育の授業だっけ
眩しすぎるから君
少しだけ見て男女ペアでって、何するの先生──?
一緒に、跳び箱とかって、
柔軟体操とかって、
ヤバすぎるよね……
始まる一日が、これって
今日は、購買で君にジュースおごるよって、放課後
君のこと目当てで入った陸上部
叶わないけど、必死こいて筋トレ
良いんだって、練習も放課後も試合も
陸上競技場で、君のこと応援できるなら
って、言って、俺の番が来た
コール漏れしないように
スタートライン並ぶ場内アナウンス
大好きなあの娘は、県選抜の全国出場決まってっから
俺のことは、良いんだって──、
スタートライン並ぶ猛者たち
俺だって、ブッチギリの青春
大好きなあの娘と全国行けるようにって、走り続けた放課後
タイム競い合って
速くなったねって、君の笑顔
忘れられないから──
──必ず行く。
君との全国大会
スタートの音すら超えて
フライングとか気にしない筋肉の躍動
漲るのは君への想い
告白するんだ。──全国大会の夢叶ったら
君と行くんだって、
ヤバいくらい力走
去年の覇者も
ニューフェイスの期待な留学生も
俺と並ぶ未知数の数メートル
その先へ──
──負けられねぇ……。
細胞は、フルスロットル
あの娘と行くなら、
僅かな時間さえ超えろ
スパイクよりも心深く──
決めろっ!!
ゴール切った瞬間
あの娘いたっけ
息切れした最終地点
まだ見ぬ電光掲示板
通ったのは、全国選考ギリギリで──
──三位。
良かったよ。
君の喜ぶ顔と揺れる胸。
全国屈指のアスリートなのに、君のおっきな胸──
いや、ごめん。
でも、良かったよ。マジで──
来る日も来る日も、
放課後に練習してた部活
君となら──
どこまでも、かけれるから
最後の夏──
からの今の進路先
同じ場所へって、
信じられないくらい
お互いを応援し会う時間
君となら──
どこまでも、走れるんだ。僕は──