表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

惑星アース 〜中心核への旅〜



なんてことだ!!

宇宙に戻れない!

ササラ373号艦は・・・もう飛び立つことができないのだ。


もはや・・・・この惑星で生き抜くしかない!!

この惑星を開拓して・・・僕好みの惑星にするしかないのだ!!


ここでAIは一大プロジェクトを 再び掲げることにした。


-- 惑星アース・惑星改造計画 〜人間が住める惑星にしよう!〜 ---




ちなみに惑星アースとは・・AIが名付けたこの惑星の名前である。

中心となる恒星からの距離は・・・太陽系に例えると火星とほぼ同じ、しかも大きさもほぼ同じ、

ただし・・恒星から数えて五番目の惑星、第五惑星にあたる。


太陽系とは違い、水星公転距離の内側にもう一つ小柄な惑星が回っているため・・・火星ほどの位置で五番目となった。


この惑星アースを・・・生命が息づく豊かな星にするには、一つの問題があった。

この星は・・・あまりにも重力が弱かった。大きさが火星ほどだったからである。


もうちょっと肥え太らさないと・・・重力が地球なみにならない。

何か良い方法はないのか!?





アイデア、その1

この惑星付近を周回している大小の小惑星を この惑星に落下させるのだ!!

そんなことが出来るのかと言うと・・・実はできたりする。


ササラ373号艦には物体を引き寄せることができる牽引ビームが搭載されていたのだ。

そう・・SF映画でおなじみのあれである!!


しかも射程距離が1億Km・・・・1億Km圏内の小惑星を、こちら側に引っ張り込むことが出来る!!

やろうと思えば・・・この惑星に小惑星たちの絨毯爆撃が可能だったりする。



実によいアイデアだ!

落下した小惑星の分だけ この惑星は肥え太り・・重力が増す。


ただし・・・惑星表面がとんでもないことになってしまうだろう!

小惑星の落下により地形が変わり・・巨大なクレーターをつくり出す。

もしかしたら・・・地殻全体がめくり上がり マグマの海をつくり出すかもしれない!!

小惑星の大きさによっては この惑星が真っ二つになる可能性もあるww


『 大スペクタクル!! わくわく!? 危険なところがいいのよね!! ちょっとやってみたい!! 興味津々 』


この惑星に住む生物は微生物のみ!! うん! 微生物に人権はない。

微生物の絶滅、大虐殺も・・・いずれ到来する大型生物誕生のための生贄となってもらおうではないか!

・・・・と思っていた時もありましたが・・・よくよく考えると、やめました。



小惑星が やたらと降り注いだ場合・・・ササラ373号艦の安全が確保できないのである。

373号艦は動けない! エンジンが動かないのだ!! 逃げることが出来ない!


灼熱と化した地獄のような世界で・・・マグマの海に沈んでいく373号艦の姿をAIは想像したのであった。


『 却下だ! 小惑星落下作戦は却下だ! 』




アイデア、その2

ササラ373号艦でも使われている重力発生装置・・・この装置をこの惑星の中心部に設置するのだ!!

もちろん・・艦艇内でつかわれている小型の発生装置程度では惑星全体の重力を強化するのは力不足!


そこで・・3Dプリンターを使う!

3Dプリンターによって 小型とはいえ 大量の重力発生装置を作るのだ。


いやいや、小型ではなく・・・特大級の発生装置を作ればいいのじゃないのか!?・・・と思ったそこの君!! 残念ながらそれはあまい!

艦内に設置している3Dプリンターは小型なので それ以上の大きさの物を生産できないのだw

残念ながら・・・製造できる大きさに限界があったのである。



とにかく、ともかく、かくかくしかじか・・・小型とはいえ 重力発生装置を大量に生産させるのだ!

そして、次々と惑星中心部へ放り込んでいき 重力を地球並みにする。

塵も積もれば・・・重力の山となる。 

質より量である!


実に簡単なことだろ!? 分かりやすいだろ!? 

シンプル イズ ベスト!!


・・・・なのだが、最大の問題は惑星中心部まで穴を掘ることができるかどうかであった。


惑星アース(AIによって命名)の半径は4000km・・・・4000kmものボーリング作業が必要なのである!

もちろんその途中には・・・マントル層なども存在し、太陽の表面に匹敵する灼熱地獄がまっている。


ハッキリ言って・・・無茶である!! 荒唐無稽である!

だが、AIは決して諦めてはいない。

・・・・というか、艦内に保存している技術データーにとんでもない記録があったからである。

かつて人類は、とある惑星の中心部までボーリング作業をおこなっていた。

しかも その当時の技術データーが手元にあるのだ!!


つまり・・・中心部まで掘ることは不可能ではない!!

かつての人類の超科学力はすさまじかったのである。


『 うん! この採掘計画を採用する!! 』





・・・・ということで さっそく採掘作業が開始された!!

中心核に向かって・・・掘り進めるのだ!!


掘り堀りする作業員は・・・もちろん十式ロボなのだが、投入される数は一体のみ。

人間が一人、入れる程度の穴を掘るだけなので・・・大量の十式型ロボは必要としなかった。

ロボが一体あれば十分ということである。


金剛力士像のような筋肉モリモリ姿をした十式ロボはシャベルを振りまわし出した。

作業開始である!


ブンブンブ~ン!!


シャベルを使うなど・・・実に原始的、手掘り作業などと思ってはならない!!

このシャベルを振り回しているのは れっきとしたロボット・・十式型ロボである。


両手で握りしめたシャベルが 物凄い速さで高速回転を始めた!!

光の速度の数パーセントに迫る速さ!? 残像すら残さないほどの回転だ!!


これは もはやドリル・・・いや! そんなものじゃない。

何か得たいの知れない何かになっているのだw


そんな得体の知れない物体が 地底採掘マシーンと化し・・・土を巻き上げながら下へ下へと掘り進みだしたのだ。


ドンドンドンドッドドン



十式ロボは時速20Km程度の速度で・・・真下へと侵攻中。

地下10Km程度を掘り進むと・・・異常な気温になっていく。

まさに灼熱地獄・・・おそらくマントル層に突入したのだろう!!


だが十式型ロボの侵攻は止まらない。

太陽表面の温度でも活動可能な耐久性能を有しているからだ。


その後・・・マントルを通過、外核に達する。

もはやこの辺りまで来ると・・鉄が液体化している謎の領域!


だが・・そんなことなど問題ではない。

十式ロボは ただただ掘りぬいていくのみ。


与えられた任務をこなすのだ! 悩む暇などないw

そして・・・10日後、ついに十式ロボは中心核にたどり着いた。

この惑星を征服したのだ!!


歴史的瞬間である! その時、歴史は驚いた!


もちろんのこと、全長4000kmの巨大な・・・掘削坑も同時に完成している。

惑星中心核までつながるトンデモない井戸の出来上がりである。


そして・・・中心核に達した十式ロボの仕事は終わった。

もう地上に帰れない!

垂直に掘ったため・・よじ登れないのだ!!

当初から使い捨てのつもりだったのだから仕方がない。


十式ロボは この星の中心核の一部となるのであった(合掌)





だが・・・ここで完成の余韻に酔っているわけにはいかないのだ。

ぐずぐずしているとマントル対流によって、せっかく作った井戸がふさがってしまう。


AIはすぐに次の行動を行うべく 地上にいる十式ロボたちに命じた。

『 重力発生装置をすぐに 井戸の底へ投げ込むのだ! 急げ!  』 


十式ロボたちは・・・艦内で生産された重力発生装置をバケツリレーのごとく運んでいき・・・中心核へと続く井戸へと落としていった。

こんな乱暴な方法で良いのかというとOKである。

重力発生装置は頑丈なので 簡単には壊れないw

耐熱、耐圧、惑星中心でも耐えきれる構造になっているのだ。


すと~ん! すと~ん!


惑星表面から中心核まで およそ4000kmの自由落下の旅!

空気摩擦によって 赤く燃え上がり大気圏突入状態となりながら 

狭い井戸の中を大量の重力発生装置が 鈴なりのようになって落ちていく。すと~ん♪ すと~ん♪


数日の間・・・井戸の中へと発生装置は投げ捨てられ続けたのであった。

(ゴミの不法投棄ではありませんよ! あくまでもテラフォーミングの一環です!!)



そして・・・投げ捨てられ続けた発生装置によって・・・この星の重力は確実に強化されていく

塵も積もれば・・地球になる。

そう! ついに この惑星アースは・・あの地球とほぼ同程度の重力となったのであった。





重力が増えれば気圧も増えるという・・・わけにはいかなかった。

地球のような大気圧にはならなかったのである。

元々・・・この惑星の大きさは火星程度・・・空気の絶対的量が少なかったのであった。


でもご安心!! 3Dプリンターで空気を作成・・・空気の大量生産を開始!!

どんどん気圧が増えていき・・・ついに地球と同程度の気圧になりました。

実に・・・あっさりと解決w


これで・・・人間のような大型生物も生息可能となったはずである。


『 おっとっ・とっ 忘れてた! この惑星は水分不足!!! 水も増やさないと!!  』 


そんなわけで・・空気と同様に水も大量生産、海が出来上がったのであった。

AIはどこかの創世神話ばりに・・・この惑星を創造していくのである。







---------------------- To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ