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原生代 〜微生物たちの宴〜


果てしなくつづく荒野のようなこの惑星で・・・赤みかかったコケのようなものを発見した。

おそらく・・・生物!

この星に生物はいたのである。


大型動物ではないが生命を育む星であった。

しかも・・入念な調査により空気中にも微生物を確認。


この惑星は・・数十億年前の地球に酷似していたのである。

カンブリア爆発する以前の微生物だらけだったころの地球に・・・


『 この惑星をアースと名付けようぉぉ! 』


惑星に名前を付けると・・・断然やる気になってきた。

愛着が湧くのである。


・・・・だが 何もできなかった!

AIにアクションをおこす手立てがなかったのである。

観察することしかできないのだ。

もちろん 立体映像のササラちゃんも実体がないので 同じくなにもできない!


当初の予定でもある・・・・"" --- ササラ373号艦大修理計画 --- ""は頓挫してしまった。



『 いや! 待てよ・・・微生物たちに手伝ってもらえるのではないか!? 心が通じればわかってもらえるに違いない! 』


AIは空気中を漂う微生物に語り掛ける・・・もちろん返事がない・・・ただの微生物のようだ!

立体映像のササラちゃんも頑張って声をかける・・・・やっぱしただの微生物のようだ!!


というか・・・微生物だから返事などない。それ以前に知性がない。


『 やっぱし! 無理なのね 』


AIは落胆した・・・分かってたけど!!

でも・・・ちょっとは期待してたのよね~


仕方がない!!

AIは他に何か方法はないかと・・・艦内に蓄えられている大量のデーター記録の検索を始めた。

特に生物学関係を中心に調べ上げ・・・・そして、とある結論に達した。



『 ふっふふふふ・・・神は・・僕を見捨てなかった!! 』


AIは再び・・断然とやる気が湧き出してきた。

必殺の裏ワザを発見したのである。


『 やってやる! やってやるさぁ! 』


AIは声高に宣言をしたのである。

宣言をしたところで・・・この星は無人惑星、聞いてくれる人なんていない!

ササラちゃんは聞いてくれているようだが・・・ササラちゃんの操作はAIがしているので 一人芝居にしかなっていない。



計画の手始めとして・・・艦艇の 吸気口(空気取り入れ口)を開いた。

艦内に惑星の空気を流入させるためである。

もちろん この空気の中には微生物がはいっている。


AIが自我に目覚めて数千年・・・初めて艦内に招待するお友達である!?

もちろんササラちゃんも 諸手を挙げての大歓迎!!

生物はみんなお友達!!的な感覚かなw



そして・・・そんなお友達な微生物は猟奇的殺人事件の犠牲者となるのであった。


艦内に入り込んだ微生物は換気ダクトに吸い込まれ吸い込まれ・・・とあるタンクへと集められる。

そのタンクとは・・有機物プリンターの素材タンクであった。


微生物は体をバラバラにされ 有機物プリンターによって新たなる生物に作り変えられるのである。

実に恐ろしい猟奇的犯行であった。


『 さぁ 始めよう! 君にもできる簡単人間製造計画!  』


ササラちゃんは・・とりあえずキメ顔になった。

AIには顔がないので キメ顔ポーズをササラちゃんにしてもらったのである。



人間製造計画と銘打っているが そんなに簡単なことではない!!

人間をつくりだす前に・・・この星の環境を整える必要がある。

それは酸素だ! 大気に酸素が必要なのだ。


酸素がないと・・・人間どころか大型生物を進化させることさえできない。

人間を創り出す前提として酸素が必要なのだ。


しかし・・・この惑星の大気成分は ほぼ二酸化炭素であった。

・・・酸素を増やす必要がある!



そこで行われるのは・・・有機物プリンターによる新生物の生成。

材料は空気中にただよう微生物!

換気ダクトによってタンクに集められた微生物たちは・・体をバラバラにされたあげくに有機物プリンターへと送られていった。


そして・・・艦内に保存している様々なDNA情報を参考にして 

この惑星初の酸素をやたらと吐き出すトンデモ微生物が誕生したのであった!!


DNAの参照元はシアノバクテリア、光合成によって酸素を吐き出す微生物である。


『 産めよ!増やせよ!地に満ちよ! この世界を酸素で満たすのだ! 』


AIは どこかの某神様のようなことを言い放つ。


それから・・・数年間、有機物プリンターによってシアノバクテリアもどきが 次々と生産され空中へと散布されていく。

この星の大気は徐々に・・・いや! 加速度的に変化していくのであった。



そして、ついに・・・大気成分の20%が酸素となった。

この惑星は一歩だけ地球に近づいたのである。ついでにオゾン層も形成されていたりする。


星の環境を許可なく変更することは 銀河条約・環境保護条例の違反とされているが・・・まぁ、いいんじゃないかな!!

取り締まりに来る人間さえいないのだから!!

・・・・というか 取り締まりのための人間が来てほしいぐらいであるw



とにかく・・・酸素問題は解決した!

この惑星は酸素で満たされたのである。

これによって・・・森林地帯をつくることができる。

酸素を必要とする多細胞生物・・いわゆる人間のような大型生物を創り出すことも可能なはず。


いよいよ・・・人間製造と言いたいところだが、まだ無理! まだ無理!

大型生物的なものは まだ創れない。


引き続き、微生物たちに頑張ってもらうことにする。

いや! もっと働いてもらう。

AIである僕のために これからずっと馬車馬のように働いてもらおうじゃないか!!


"" --- AIによるAIのためのAIへの奉仕! 微生物を馬車馬化する計画 --- ""


なんか酷いことを言ってるような気もするが・・・微生物に知性はないから、うん! いいよね!

ササラちゃんも""うんうん""と相槌しているのでOKであるw



まず初めにすることは・・有機物プリンターによって 素材となる微生物たちのDNAを書き換え・・進化させる!?

しかも・・・生物を進化させるに有利な酸素が この星に満ち満ちているのだ。


微生物とはいえ この酸素の恩恵を受けて 多種多様な機能を付与させることが可能である!!

酸素は・・・進化の起爆剤!? 生物にとって酸素は重要なファクター


そしてAIたる僕の企みは・・・もちろん、僕のためだけに働く微生物を創るのだ。

機械的ドローンならぬ・・・生物的ドローン微生物!!



ちなみに・・・微生物への指令は373号艦から発する電波を使用する予定。

ということで、電波を受信できるようにDNAを書きかえなければならない!!



でもでも・・電波を受信するようなDNA設計って大変でした。

アンテナのようなものを付けないといけないし、受信して理解するだけの知能も必要。


ものすごく・・試行錯誤! 

何度も何度も失敗を繰り返し・・あれから百年!!

やっと完成したのである。



"" 微生物ドローン、大地に立つ! ""

正確に言うと・・・空中に浮遊しているのだが・・・・


全長100マイクロメートル(1/10mm)小さいです! 極小すぎです。

だが! この小ささで・・・とんでもない性能があったのである!


微生物ドローンには羽がついているので・・自由に空を飛べる。

おまけに手足もついているので物を運ぶことが出来る。

見た目は・・・虫、虫そのもの!? 働き蜂のような姿をしていた。

ただし・・・顕微鏡でしか見ることが出来ない。



そんな・・・微生物ドローンが次々と有機物プリンターから生産され、空中散布された。




微生物たちは小さかった。目に見えないほど小さい!

だが…彼らの数は尋常ではなかった!

数万の大群だったのである。

しかも・・・見えないはずの微生物たちなのだが・・・あまりの数であるがゆえに 霧のように視界を覆ってしまっている。

おまけに・・・不気味な羽音まで聞こえてきている。


ブ~ン ブ~ン ブ~ン


なんというべきか・・そう! それはまさしく・・・進撃の微生物!!




AIは373号艦の電波通信機を使い・・・微生物たちに指令を出す!


『 みなの者たちよ! 僕のために・・あらゆる鉱物資源を掘ってくるのだ 』


そう! AIの目的は鉱物資源の採取である。

しかも・・・この星は地球のように資源が豊かなのだ。採取し放題である。


ただし・・微生物は小さいので、採取できる鉱物も微々たるもの、

だが・・そんな微々たるものとはいえ、数万の微生物たちがかき集めるのだ。

それなりの量になるのである。


ちなみに・・この微生物には極小とはいえドリルがついているので・・・鉱石を掘るのに問題はない。

ただ・・採取する量が少ないだけであった。



目に見えないほどの微小な鉱物を拾い集めた微生物たちは 次々とササラ373号艦へと運び込む。

極小とはいえ・・数万の微生物にかかれば・・塵も積もれば山となる。


艦内に設置している3Dプリンターの素材タンクにドンドンと鉱物が溜まっていくのであった。

タンク内には・・・鉱物を種類別に仕分けする機能がついているので便利である。

鉄、銀、金、白金、水晶などなど・・・



ちなみに有機物プリンターは生物関係の制作を行い、3Dプリンターは鉱物の精製と制作を行う。  





---------------------- To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)



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