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第79話「次なる目的地」

『……目覚めよ。目覚めよ、デント』


 どこからか、声が聞こえてくる。

 懐かしい感じのするその声は、僕の師匠のものだった。

 ……ここは、夢の中の世界か? 前にも同じようなことがあった。


「はいはい師匠。僕は、ここにいますよ!」

『……久しぶりだな。元気にしてたか?』

「はい。……あの、どうしてまた僕に話しかけてきたんです?」

『なに、可及の要件ではないのだが……。勇者と魔神の動向について、お前に伝えておこうと思ってな』

「ほおほお」


 勇者と魔神について……か。

 以前、僕がランドと戦ってから2週間が経った。

 あの激戦の後、ランドは魔神の協力を得て逃げ延び、王都へ帰ったそうだ。あれから、僕はランドと会っていない。

 彼がその後、何をしているのか全く知らないので、師匠が教えてくれるならありがたい。


『まず、勇者ランド・エルティネスは魔王討伐の旅を終え、王城にて凱旋パレードが行われたそうだ。そして、英雄として讃えられた彼奴は、国王直々に勲章を授与され、国王の娘であるセレスティナ姫との婚約も決まったらしいぞ』

「へぇ〜、そうなんですね! 良かったじゃないですか!」


 魔王を倒した勇者ランドには、もう怖いものなどないのだろう。

 それにしても、勇者と王女様の結婚とは……なかなか良いニュースじゃないか。


『……しかし、その一方で。勇者は、魔神と手を組み、悪の道に堕ちた。それは、お前も知っているな?』

「はい」

『魔神は、魔王を遥かに上回る力を持つ強大な存在。そんな彼女等が、勇者という後ろ盾を得たことで、更に力は増すことだろう……。デントよ、決戦の時は近いぞ』

「決戦の時、ですか……。でも、僕的には、あんまりやる気が起きないですねー。僕とランドって、もう決別したみたいな感じなんで、こちらとしては今更戦う理由もないというか……。まあ、向こうは違うみたいですけど」

『……デント。勇者と魔神を止められるのはお前しかおらん。儂もできる限りのサポートをする。だから……』

「はいはい。分かりました。……それじゃあ師匠、そろそろ起きますね」

『ああ、待て。大事なことを伝えねばならん。……お前は確かに強いが、魔神は普通の方法では殺すことができん。そこでデント。お前には、光魔法の使い手と会ってもらう』

「えっ!? 光の魔法?」

『その使い手は、王国の北側にある山岳地帯に住んでいる。名は『赤狼』という魔法使いだ。しかし、あいにく詳細な居場所はこちらも把握しておらん。とにかく、そこに行ってみて、情報を集めてくれ』

「は、はい……」

『では、さらばだ!』


 そう言って、師匠の声は消えていった。


(……光魔法の使い手、か)


 なんか行き先を指示されたけど、いまいち気乗りしないなー。

 まあ、観光所巡りの旅すがら、ついでに行ってみるかな。

 そんな事を考えながら、僕は目覚めるのだった。

『本作を楽しんでくださっている方へのお願い』


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