表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/93

第30話「告白?」

ここまでご高覧いただき誠にありがとうございます。

今後の励みになりますので、評価シートの☆☆☆☆☆をクリックして是非応援をお願いします!

「じゃあ、僕らはこれで失礼します」

「あ、待ってくれ」


 立ち去ろうとする僕を、ユミルが呼び止めた。


「なんですか?」

「いや、実は少しだけ聞きたいことがあってさ」

「聞きたいこと?」

「うん。……ちょっと、こっちに来てくれないかな?」

「え、はぁ……。まぁ、いいですよ」


 僕が承諾すると、ユミルは笑顔になった。


「ああ、君ら二人は待っていてくれないかい? 少年と二人きりで話をしたいんだ」


 ユミルは、ヒルデとリディアに向かって言った。


「……ふん。何だか知らんが、この私を待たせるなよ」

「デントさん、お待ちしていますね」

「うん。すぐに戻ってくるよ」


 そう言って、僕たちはその場を離れた。

 人気のない路地裏まで移動する。

 ユミルは、真剣な表情で僕の方を向いた。その瞳には、どこか熱っぽいものが感じられる。

 そして、改めて彼女が口を開いた。


「……た、単刀直入に聞くけどさ」

「はい」

「き、君は、私のような女をどう思うかな?」

「……へっ!?」


 予想外の質問に、思わず素っ頓狂な声が出てしまった。

 しかし、ユミルは特に気にしていないようで、そのまま話を続ける。


「その、実は君を一目見た時から気になってしまって……」

「ええっ!?」

「そ、その、もしよかったら、私のことを『お姉ちゃん』って呼んでほしいなって思って……」

「え、あの、それは……」

「だ、ダメかな……?」


 上目遣いでこちらを見つめてくるユミル。

 ……反則的な可愛さだ。


「い、いや、突然そんな事を言われても困るというか……」

「あ、ごめんね! そうだよね!」


 ユミルは慌てて謝ってくる。


「じゃ、邪魔して悪かった! また会おう! その時はお姉ちゃんと呼んでくれれば嬉しいな! お、弟くんっ!!」

「あっ! ちょっと!?」


 ユミルは早口で捲したてると、そのまま走り去って行ってしまった。

 後に残されたのは、呆然としている僕だけだ。

 それから数分後。

 僕がぼーっとしながらヒルデとリディアが待っている場所へ戻ってきた。


「あっ! 戻ってきたみたいですね!」

「おい、遅いぞ! いつまで待たせるつもりだ!?」

「……あー、ごめん」


 僕は、力なく返事をする。

 その様子を見て、ヒルデとリディアは顔を見合わせた。


「ど、どうされたんですか? 何かあったんですか?」

「ふん。やはり、あの女が何か企てていたのか? 貴様を陥れるために」

「う~ん……。そういうわけじゃないんだけどさ……」


 ……あれは、何と形容すればいいのだろうか。

 あえて言うなら、悪意は無かった。うん。

 ユミルさんは、僕に対して好意を抱いてくれているようだったし……それも、かなり熱烈なアプローチを受けたと言ってもいい。

 だけど、うーん……。


「なんだ。随分と煮え切らない態度だな。言いたい事があるならはっきりと言え」

「いや、なんていうかさ……」

「?」

「……なんか、女性の人って難しいなって思ったかな」

「はぁ?」


 ヒルデが怪しげな目を向けてくる。

 僕はそれに構わず続けた。


「まぁ、でも、悪い人では無さそうなんだよなぁ。ちょっと変わった人だったけどさ」

「ふむ。……確かに、あの女からは邪悪な気配を感じなかったな」

「そうそう。まあ、もうその話はいいじゃないか。それより、観光しよう観光」

「ふん。まあいいだろう」


 僕はヒルデを連れて、再び歩き出した。


「…………」


 後ろから、リディアがじっと見つめてきているような気がするけれど……どうしたんだろうか?


「ほら、早く行くよ」

「あ、はいっ!」


 こうして、色々あったものの、僕たちは再び街へと繰り出すのだった。

『本作を楽しんでくださっている方へのお願い』


下にスクロールすると、本作に評価をつける項目が出てきます。


お手数おかけしますが、更新の励みになりますので、ご存知なかった方は是非評価の方よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お読みいただき有難うございます
気に入ってくれた方は『ブックマーク』『評価』『感想』 をいただけると嬉しいです

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ