表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/93

第25話「次なる町へ」

 僕たちは、無事に村の中へと入る事が出来た。

 村には兵士以外にも村人がいたのだが、ヒルデが睨むと大人しく道を開けてくれた。

 僕らは、適当な民家の前に立つと、扉を開く。


「お邪魔します。旅の者なんですけど、お話を聞かせてくれませんかー?」

「ひぃぃ!?」


 奥の部屋から出てきた女性は、悲鳴を上げて逃げ出した。


「えっ? あっ! ちょ、ちょっと待ってよ!!」

「いやぁぁ!!」

「……はあ」


 ため息をつくヒルデ。

 彼女は、逃げる女性を追いかける。


「きゃあ!」


 ヒルデに追いつかれた女性が、尻餅をついた。

 彼女は、そんな彼女を冷めた目つきで見下ろしている。


「……ふむ。血を吸ったおかげで多少は力が戻ったな」

「あ、ああ……」

「おい。貴様。私を無視するとは、いい度胸をしているな」

「ひっ!」

「まあ、いいじゃないか。……それで、話を聞きたいんだけど良いかな?」


 怯える女性に手を差し伸べると、彼女は恐る恐る僕の手を掴んできた。

 こうして僕達は、女性に色々と尋ねたのだった。そして話によると、ここから少し離れた場所に、大きな町があるのだとか。

 村の女性は、親切にこの辺の地図を用意してくれた。


「ありがとうございます」


 僕は礼を言うと、早速、町の場所を確認する事にした。


「えっと、ここが現在地だから……。こっちの方角かな」

「よし。ならば向かうとしよう」

「そうだね。……後は、馬を調達しないとだ」

「そんなもの。あの兵士共が使っていた馬を盗んでしまえば良かろう」

「人から盗むのは、良くないよ」

「何を言っている。奴らは敵だ。そして我々は勝利した。いわば、あの馬は戦利品だろう?」


 そう、ヒルデは当然のことのように言った。

 うーむ。それでも勇者パーティーの一員として、人からモノを盗むというのは如何なんだろうか……。


「それでしたら、その馬を『買えば』良いのではないですか? これなら罪には問われません」

「おーなるほど!」


 リディアの名案に納得する僕。

 確かに、お金さえ払えば問題ないだろう。……という訳で、僕は未だ倒れている兵士たちの元へ向かった。


「ねえねえ。この馬を買いたいんだけど、いいかな?」

「ぐ、あぁぁ……」

「売ってくれるんだね! ありがとう! はい、これが代金ね!」


 そう言って、硬貨の入った袋を渡す。何故か、受け取ろうとしなかったので、近くにポンと置いておいた。


「やった、馬が手に入ったぞ! これもリディアのおかげだよ!」

「このくらいお安い御用です」


 さあ、これで準備万端だ。

 目指すは、近くの町。僕たちは、馬に乗ると、意気揚々と出発したのだった。

『本作を楽しんでくださっている方へのお願い』


下にスクロールすると、本作に評価をつける項目が出てきます。


お手数おかけしますが、更新の励みになりますので、ご存知なかった方は是非評価の方よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お読みいただき有難うございます
気に入ってくれた方は『ブックマーク』『評価』『感想』 をいただけると嬉しいです

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ