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第20話「王国軍の斥候」

ここまでご高覧いただき誠にありがとうございます。

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「わあ! あれが人の住む場所ですか!?」

「うん。きっとそうだ」

「……あそこには、どんな人たちが暮らしているんでしょう?」

「さあ? でも、行ってみればすぐ分かるさ」


 僕らは更に足を速めた。

 すると、村の入口らしき場所に二人の門番がいるのが見える。

 こんな辺境の村に門番? 不思議に思いながらも、僕はその門番たちの方に向かっていく。

 彼らは僕達の姿を見つけると、慌てて槍を構えた。


「止まれ! ……お前たち、一体どこから来た?」

「ああ、すみません。僕達は旅をしているんです。実は、道に迷ってしまって……。ここら辺で、一番大きな街はありますか?」

「……悪いことは言わん。早く立ち去れ」

「どうしてです?」

「この紋章が見えないのか? 我々は、王国軍の兵士だ。この先にあるエルフの里へ侵攻するため、斥候として派遣されている。もう間も無く、大勢の兵士がやってくる。巻き込まれたくなければ、すぐにこの場を離れろ」

「エルフの里に、侵攻だって……」


 僕は絶句した。

 まさか、エルフの里が狙われているなんて……。


「ん? ……お、おい。そこにいる女、エルフじゃないか!?」


 一人の兵士が、リディアの方を見て叫んだ。もう一人の門番も驚いた顔を見せる。

 すると、村にいた別の兵士が駆けつけて来た。


「どうかしたのか?」

「え、エルフだ! 村にエルフが現れたぞ!」

「な、何だと……! そいつらを捕まえろ!」

「ちょっ、待って。 僕たちはただ……」

「問答無用!


 兵士たちが一斉にリディアを取り囲む。


「動くな! 大人しくしろ!」

「え、ええっ……!」


 リディアは怯えた様子で、僕の方に助けを求めるような視線を送ってきた。

 優しいリディアを怖がらせるなんて……許せない! 

 僕は咄嵯に彼女を庇うように前に出る。


「おい止めろ」

「なんだ、このガキは。邪魔するなら容赦せんぞ!」

「……子供だからといって、手加減するつもりはないぜ」


 三人の兵士が、それぞれ武器を構える。

 剣、槍、弓といった具合に、武装していた。

 どうやらやる気のようだけど、舐められたものだね。


「お前たち、僕が誰だか知らないみたいだね?」

「はあ? 何を言ってる?」

「まあいいさ。後悔しても遅いよ?」


 そう言って、僕は右手の人差し指を天に向けた。

 瞬間、バリバリッと激しい音を立てて稲妻が落ちると、男たちの身体に命中して悲鳴を上げさせる。

 しかし、死にはしない程度の威力で抑えてあるので大丈夫だ。


「ぐあっ! ……な、何だ今の攻撃!?」

「雷の魔法だよ。今ので分かっただろう? 僕らに手を出したら、ただじゃ済まないってこと」

「くっ、こ、このクソガキがぁッ!!」


 怒り狂った一人が、僕に斬りかかってくる。

 僕はそれを軽くかわすと、男の顔面に回し蹴りを食らわせた。

 男は吹っ飛んで地面に倒れ込む。

 もう一人の男が矢を放ってきたので、それも弾き返し、お腹を蹴飛ばしてから気絶させた。


「……さあ、残るはお前だけかな?」


 僕が挑発すると、残った兵士が震え上がった。


「……ひっ。ば、化け物め!」

「失礼な奴だな。誰が化け物だって?」

「ひぃいっ!! す、すいませんでしたーーー!!」


 恐怖心から、完全に戦意を喪失してしまったようだ。

 そのまま逃げ去っていく。


「ふぅ。これで一安心だね」


 振り返ると、そこには目を丸くしているリディアの姿があった。


「あ、あの……ありがとうございます。助けていただいて……」

「いやいや、気にしないでいいんだよ。それよりも、怪我はしてないかい?」

「はい。私は平気です。それより、貴方が凄すぎて驚きました」

「ははは。あれくらい大したことじゃないさ。……ところで、さっきの人たちが言っていた『エルフの里』のことだよ。王国の兵士たちが攻めてくるって……」


 僕の言葉に、リディアは顔を曇らせた。

 その時だった。背後に気配を感じ、僕は咄嵯に振り返る。

 すると、向こうから王国軍の紋章をつけた鎧を着た兵士の一団が迫ってきていた。

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