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異世界☆スライダーズ  作者: 素浪人
第1章 めぐり会い
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007 擦り合せ


「さ〜〜って〜〜っと」

サトルは間延びした言葉をいいながら、背伸びした。


「どっから手をつけるかのぉ」


「先ずは安全な場所が必要だな。それと、この世界の事を知らないとな」


「安全な場所は探さなあかんな、どんな世界かは人に会うんが手っ取り早いのぉ

ここから動かな話にならんちゅうことやな?」


「そうだな。こんな道があるなら、ここを歩けば人がいるだろう」


「どっちに行くかやな」


俺は左手に見える山を指さし。

「ああ、山側か」

右手を指さし。

「平らな方かだな」


ー どちらに行こうか? ー

無意識に右手で顎を掴み左手で右膝を掴んだ。


ー 平らな方が広い土地もあり、町がある確率が上がる。ただし町に近づく程、野盗など治安が悪い可能性がある。

山側は集落があるかもしれないが、無ければ山中で野宿か、野生動物に遭遇する確率も高い ー


そんな事を考えていると、サトルが口を開いた。


「ヒロシ、平らな方が体力要らんちゃうかなー?坂はキツいで」


「そうだな、山を登るのはキツいしな。平らな道を進んでいけば町があるかもな」


サトルはコクリと頷いた。


「じゃあ、行くか」


「せやな」


2人は平らな道を無言で歩き出した。


5分程歩いた所で俺は歩きながら、ふと疑問に思った事を質問した。


「サトルって、どんな風に“調停者”に会った?

俺は、最初の時は東南線って電車に乗っていたら、知らない駅に止まって“調停者”に会ったんだ」


サトルは足を止めたので、俺も足を止める。

サトルは驚いたように答えた。

「一緒やん!?もしかして、会ったのって西河西と北砂町の間ちゃうか?見たこともない暗いホームがあるとこちゃう?」

「そうだ!全く同じだ…」


そこから、サトルと“調停者”と会ったシチュエーションから、その日の行動などを15分程立話した。


そこで分かった事。


サトルと俺は東南線の浦高駅が最寄駅になる。住んでいた場所もかなり近い。駅を挟んで反対側だった。

同じ日の同じ電車に“調停者”と会っていたようだ。

サトルはその日東南線の浦高駅から茅所町から2駅先の大足町に向かっていたそうだ。


2回目の遭遇については歩きながら話した。


こちらも全く同じだと思われる。

2回目の遭遇場所は、浦高駅で間違いない。

サトルは大足町から乗り込み、俺は茅所町から乗り込み、浦高駅で15:30-16:00位に遭遇している。

浦高駅に到着した時間は大体しか覚えていない。

しかし、同じ電車だった事は間違いないだろう。


1時間程、喋りながら進むと川音が聞こえて来た。

右手の森に川があるらしい。

直ぐに見に行こうかと考えて止めた。

この道から川まで一番近い場所で川を確認したい。

外から見る森は入り易いが、中から見る森は方向が分からなくなり、外に出難い。

この道に帰れなくなり、遭難したら洒落にならない。


道を進むと川音が大きくなっていく。


30分程進むと右手の木がまばらになった。

その先にキラキラと光る場所が見える。


川に向かう道が無いのか周りを確認した所、獣道みたいに細い土道を見つけた。

ここが、川に向かう脇道だろう。


「サトル、ここから、川に行けそうだ」


少し前で脇道を探していたサトルに声を掛けた。

サトルは振り向いてこちらに向かってくる。


「お、この道、ええやん」

すこし、サトルは戯けるように言った。


2人で脇道を降りて川に向かう。


一気に開けた場所の左側に焚火跡がある。

先に気がついた俺の後ろをサトルがついてくる。


膝をついて焚火跡を確認する。

ここ最近は使われていないが、下土も硬いし炭はほんの少し残っている。焚き火の周りの石は隙間に小石を入れて綺麗に積み上げている。たまに使われているのだろう。

焚火跡の周りは小さな砂利になっており、雑草も生えた平地で川より一段高い。


「この焚火跡、しっかり使っているみたいだ。キャンプ場所として使っているなら、山側も平らな方も1日以内の距離でのキャンプ場所か人の住んでいる場所があるかもな」


「そうやな。わしもそう思うわ」


「今日はこの場所で一泊したいと思うがいいか?」


「ええと思うで、誰かが使っとったなら、他より安全やと思うわ」


「川から水も確保出来るしな」


こうして、異世界で初キャンプとなった。

タイトルを微妙に変えました(笑)



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