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異世界☆スライダーズ  作者: 素浪人
異世界からの冒険者たち
26/38

026 ムラン到着


「あれが、ムランか?」

小高い丘のような場所に立ち、進行方向を指差す。

遮るものが無いため、先まで良く見える。


盗賊の件から15日経った。

途中、雨にあった事もあった為、時間がかかってしまった。ただら魔物に遭遇する事もなく、無事にここまで来る事が出来た。


「そやろな」

サトルが答える。


「それにしても、大きな街に見えますね」

マサユキが。右手を開いて、目の上にかざして答える。


「ああ、そうだな」


貿易都市デパも大きい街だと感じていたが、その数倍はあるように見える。

大きな川の向こうに見える街は、真ん中には城塞都市のように1段高く、石壁に囲まれている。

その城塞都市を取り囲むように、街が広がっている。

また、その周囲にも街があり、3層の石壁で囲まれている。

3層目の石壁の周りも町が広がっているが、壁は存在していない。

恐らくは城塞都市のような、1層目の街が大きくなり、溢れた結果、2層目、3層目と壁を増やしていったのだろう。4層目の壁を作っている様子はない。

石壁から溢れたであろう、街の周囲には畑が広がっている。所々に見えるのは池のようだ。

畑にも転々と家が存在しているように見える。


ムランの街の北に視線をやると、湖が見える。湖の周りは森になっているようだ。森の先が見えない所を見ると大きいのかもしれない。


― それにしても、視力が上がった気がするな ―

身体能力向上のせいなのか、こちらの世界に来てから、遠くまで、良く見える。

近い所も見えるので、老眼も治っている。


「さて、行こうか!」


「そやな」

「はい」

サトルとマサユキが答える。


雲一つない空の下を歩いていく。


「なぁ、ムランで冒険者登録するんやろ?パーティー名とか必要なんかな?」

「そうですね。冒険者登録の時にパーティー名が必要になります」

サトルの質問に、マサユキが答える。


「ああ、冒険者ギルドに行く前にパーティー名を決めないとな………何がいいかな」


「デパの店にいらした冒険者パーティーは、゛疾風の狼゛さんや、″黒剣団″さん、″金色に輝くたて髪″さん、他の方々も、皆さん、かなり勇ましい名前でした」

顎に手を置きながら、マサユキが答える。


「あかん、それはあかん!痛い!つーか、痛すぎやろ!厨二病感がイヤや!!!ワシらは洒落た名前にしよーや!!!」

サトルが腕を交差させて、全力拒否した。


俺達は、歩きながら、パーティー名を話し合った。


「あっちからこっち、生き返ってやり直すようなもんやろ、″死に損ない″なんて、どや?」

本気でサトルが提案するが、俺とマサユキは全力で拒否。死んでないし、縁起が悪すぎる。

マサユキは相当嫌だったらしく、サトルに冷たい目をしていた。


途中、壁の外の街で聞いたところ、冒険者ギルドと宿屋は壁の中にあるらしい。


橋を渡り、街をしばらく進むととムランの門に到着。

結局、パーティー名は決まらなかった。


「近くまでくると、壁がでかいな」


「そやな、3・・・いや、5mはあるんちゃうかな」

サトルが上を見ながら答える。


「ここは、北のラルゴ王国、南のドベル王国、東のシンマイカ帝国からの防衛が目的でしょうから、こんなに高い壁を作ったのでしょう」

マサユキが説明してくれた。


門を見ると、何人かの兵士が、通行人を確認している。止められる様子もないので、俺達は門をくぐり、中に入る。


「おー、すごいのー!」

サトルが声をあげる。

目の前は、人が溢れ、活気に満ち溢れている。


「やはり、ムランは素晴らしいですね」

マサユキがそれに答えるように呟く。


「ああ、入ってすぐに冒険者ギルドがあるらしいが…、あれか!」

通りの右手すぐの角に、″ぼうけん″と掲げられた建物を見つけた。


ー やっぱり、ひらがなは慣れないな ー


「冒険者ギルドの登録は明日にして、宿屋に行かないか?」

人差し指を上に向けて、提案する。

空は赤く染まった綺麗な夕焼けを映している。


ー この世界の夕焼けは綺麗だな ー


「ええな!寝るとこ決めて、飯にしようや!」

「そうしましょう」

サトルとマサユキは、喜んで賛成する。


冒険者ギルドを過ぎて、通りを歩くと、幾つか宿屋があり、今日の宿を決めた。


「「「乾杯」」」

俺達は、今日の宿屋を決めて、酒場で祝杯をあげた。

酒場は溢れんばかりの人がいる。酒を飲むもの、話をするもの、“りばあし”をするものと様々だ。


「それで…………パーティー名なんだが…….」

そう切り出し、酒を飲み、ツマミを食べながら、俺達は話し合った。


その日、俺達のパーティーが決まった、″サンライズ″。


この世界の夕日は美しい。夕焼けをパーティー名にしようか、という話に纏まりかけた。

しかし、日が沈むよりは、昇る方が良いと言う話になった。


だから、朝日を表す、″サンライズ″とした。


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