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異世界☆スライダーズ  作者: 素浪人
異世界からの冒険者たち
23/38

023 初戦闘 -2-

「やばいわ、魔力マジックポイントを、ごっそりもっていかれたわ!」

足を投げ出し、両手を地面につけた、サトルが喋った。


「そうですね。残りは1/3程です」

マサユキが素早くサトルを鑑定して、答える。


「まじかいな、えっと、使ったんは7発やな、残りは3,4発ってとこやな」

サトルは右手を折りながら数える。


デパの街で魔法の練習をした際に、ファイアボールが、10から11発程度、撃てる事がわかった。

また、サトルは自身の魔力マジックポイントを感じる事が出来るようだ。ただ、サトルは感覚として、減ったか戻ったかわかる程度だそうだ。


マサユキは鑑定で魔力マジックポイント、能力を視認できる。魔力マジックポイントは数値化しているか聞いた所、頭にゲージが浮かぶ感覚に近いそうだ。目には見えないが感じるとの事だった。

また、人、魔物に関わらず、状態がわかる様だ。


「マサユキ、水を貰えないか?」


「はい、ヒロシさん、どうぞ」

マサユキがペットボトルの水を空間魔法で取り出し、俺に渡した。


「サトル、ヒロシは水を飲むか?」


「私は結構です」

マサユキはそう言い立ち上がる。


「ワシは貰うかな」

そう答えたサトルにペットボトルを渡した。


「えーとですね。この魔物は角熊(ツノクマ)ですね。

ほぅ、角は10万ドン、皮が25万ドン、片手が5万ドン、肉が全部で10万ドン、骨格が10万ドン、魔石が10万ドンの価値がありそうです。

ふむ、魔石の価値が高いですね。そのままの金額で買取にはならないかと思いますが、30〜40万ドン程度にはなるでしょう」

マサユキが鑑定結果を教えてくれた。


「マサユキ、収納出来るか?」


「残念ですが、無理です」

残念そうにマサユキが答える。


「魔石だけでも…と言いたいが、解体している時間が惜しいな」

俺は立ち上がり、人差し指を空に向けた。

サトルも続いて立ち上がり、お尻を手でパンパンと払った。



魔物には魔石と呼ばれる核の様なものがある。魔物と動物の大きな違いだそうだ。

魔物は非常に凶暴で、手懐けることは出来ない。

魔物と動物を見た目で判断するのは瞳が判りやすいそうだ。


ー この魔物の目は赤いんだな ー


「そやなぁ、しかも、魔物から大量に血が出とるし、別の魔物が来んとも限らんしの。さっさと離れるんが、賢いと思うわ」

サトルが腕を組み答える。


「残念ですが、角熊(ツノクマ)は諦めますかぁ」

マサユキは諦めた顔をした。


「せめて埋めていきたいが、その時間も惜しいな。せめて、林に移動するか?」


「そやなぁ」

「そうですね」

サトルとマサユキが同意した。


俺は角熊(ツノクマ)から、剣を抜き取り、布で拭いた。

近くにあった鞘に収めて地面に置いた。


俺達3人は、角熊(ツノクマ)を林の中まで転がした。

まだ、角熊(ツノクマ)の体は柔らかく、また重い為、思ったよりも時間がかかってしまった。


角熊(ツノクマ)を移動させると、一通り体に付いた血を拭く。

戦闘と、林に転がした事で血が付いてしまった。


「とりあえず、林を抜けた先の焚火跡まで戻ろう」

林を通る手前にあった焚火跡を目指した。


マサユキが魔物や人に注意しながら、俺達3人は足早に林を進んだ。

林を抜けと暫く先に焚火跡が見えた。

一晩分の薪を拾ってから、焚火跡を目指した。

30分程で焚火跡に到着した。


空が赤くなり、周りに暗さを感じる。


「やっと着いたな」

ぽつりと呟いた。また角熊(ツノクマ)の事を考えたらゾクリとした。


ここに来るまで、戦いの高揚感を引き摺っていた。

サトルやマサユキも同じだろう。

戦いの後に冷静に角熊(ツノクマ)を鑑定したり、退かすなど、普通の状態では無いから出来たのだと思う。


焚火跡に感じ生活感から、俺はようやく、頭が冷めてきた。


「今更なんですが、怖かったですね」

マサユキが、焚火跡をぼーっと見ながら呟いた。


「そやな」

「ああ」

俺とサトルが答える。

サトルもマサユキ同様に、ぼーっとしている。


俺は拾ってきた薪を並べて、焚き付けを置いた。

ヒロシのライターを借りて火をつける。


マサユキは収納していた、干し肉と携帯タンク、コップを取り出した。


サトルは周りを警戒している。


3人共、無言だった。


薪に火がつくと、俺達は焚火を囲んだ。


「さすがに生肉を焼く気になりませんでした。食べたいなら出しますから…」

マサユキは、俺とサトルに干し肉を配る。

干し肉を受け取りながら、首を横に振った。


干し肉と水を腹に押し込み、焚火を見つめた。


「あの時は必死だったが、生きていて良かったな」

焚火暖かみを感じて火をぼーっと見つめながら、膝をかかえて呟く。


「そやな…」

「はい…」

2人もぼーっと膝を抱えている。


暫くの間、俺達は無言で焚火を見ていた。


翌朝。


俺達は、街に戻る為に街道を歩いた。


ー これがこの世界の日常か…….ー

昨日の戦いを思いだし、頭の中で呟いた。


「昨日は疲れたな!今日は宿屋に泊まろう!」

明るい声で俺は喋った。


「賛成やっ!今日はベッドで眠るんや!

サトルも明るい声で返す。


「いいですね!私も賛成です!」

マサユキが明るい声で続く。


昨日の戦闘の余韻は、もう残っていない。


7/27 ツノ熊から角熊に変更しました。

誤字も多くてスミマセン、気がついたところは修正しました(-_-;)

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