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異世界☆スライダーズ  作者: 素浪人
第1章 めぐり会い
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018 制限解除

(ドクン)

3回目を感じた後、俺はベンチに座っていた。

周りは暗い。目を閉じているのか開けているのさ判らない。


恐らく、前を向いているだろう。


黒く染まった世界にノイズが走る。


前と同じだ、青白く人型の輪郭を作る。

全身黒のシルクハットに燕尾服、両手を杖に置き、俺の前に座っていた。


ー ゛調停者゛か… ー


ふと、隣に人が居る事に気付く。

輪郭が少し光っている。


両隣にサトルとマサユキが居た。

2人も気づいたようだ。


「3人揃って、良かった。安心したよ」

゛調停者゛少し高揚感のあるように話した。


「僕に聞きたい事が沢山あるようだね?」

゛調停者゛がコクリと首を横にする。


「あるわい!何で一緒にスライド(転移)せんのや!!!アホかっ!」

サトルが叫ぶ。


「すまない、うーん、どう伝えるのが良いかな…そうだ!3人が通るには小さいゲートがあって、2人なら通れるゲートがあったとしよう。

仕方ないから、もう一つゲートを探した。

2人のゲートがヒロシさんとサトルさんだった。

1人のゲートがマサユキさん。

ただし、1人のゲートには、ヒロシさんもサトルさんも大きくて入れなかったんだ。

だから、こうなった」

゛調停者゛は優しい口調で答える。


「だったら、出口は同じ時間に合わせばええやろがっ!!!」

サトルが叫ぶように答える。


「あまり時間を掛けられないけど…」

一呼吸置くと、ジっとノイズが走る。

「説明が難しいな。空間は固定出来たんだ。でもね時間は難しくて、こうなったんだ」


「わからんわっ!!」

サトルが叫ぶ。


「すまないね。こんなに短い時間じゃ説明しきれないんだ」

゛調停者゛は一呼吸おき、続ける。

「先ず、僕の説明を聞いてほしい、いいかい?」


「わかったわ!」

サトルが怒った口調で答えた。


「ありがとう。君達の能力なんだけど、制限がかかっていたんだ。3人揃ったから、制限が解除される。」


「「「……….!」」」


゛調停者゛は、俺達の表情を見る仕草をして続ける。


「スライダー(転移者)は、1世代で1人なんだ。

今回は、3人居るよね。イレギュラーなんだ。

1人のスライダー(転移者)が持つ能力スキルが、3人に別れてしまったんだ」


ジッとノイズが走る。


「3人揃ったから、能力スキルが解除されて、本来の能力に戻るんだ。

うーん、1人だけなら、種が植え付けられた状態で、3人揃って、これから芽が出る状態かな。

でも只集まるだけじゃダメ。3人が心を通わせて、お互いを思う気持ちがないとね」

゛調停者゛は右手の人差し指を立てて続ける。


「いいかい。芽が出たからって、ちゃんと育てなければ、枯れてしまう。君達は3人それぞれが、自分の能力を使って、様々な経験をして、育てて行くと良いよ」


ジジッとノイズが走る


「じゃあ、どうやって育てるんだ?」

俺は声に出して尋ねた。


能力スキルは戦いの中で成長していくよ」

ジジッと゛調停者゛にノイズが走る。


その瞬間、俺の身体が強く発光しだした。


「ああ、良かった。無事に芽が出たみたいだ。」

゛調停者゛は両手を開きこちらに向けた。


「君達の育てた能力スキルは大きな力になるんだ。この世界を沢山見て、沢山の経験を積んでほしいな。

君達は優しい筈だから、君達の目で見て良い事には手を貸して、悪い事は懲らしめてあげるといいよ。

ああ、もう時間みたいだ」

ジジジッと゛調停者゛にノイズが走る。


「そうだ、ヒロシさんに伝えないと…君の゛思念伝達゛は、スライダー(転移者)が分かれたから現れた能力だよ。僕もどんな風…育つか…判…ない…ら」

ジジジジッと゛調停者゛にノイズが激しく走る。


「おい、待ってくれ!!」


「ごめ….ね、も…か..んだ」

゛調停者゛がそう答えながら消えていく。再び暗闇に戻るが、俺達の発光が確認出来る。


同時に意識が遠のいていく…….


俺はゆっくりと意識を取り戻していく…


俺はベッドの上に居た。

窓が閉まっている為、薄暗い。ただ、隙間が明るい。


ー朝か…. ー


俺はベッドから起き上がり、腰かける。


サトルもマサユキもベッドから起き上がり、腰をかけた。


「なあ、俺達は何をしたらいい?」

前を向きながら、横のベッドに座っている2人に聞いた。


「わからん」

「わかりません」

サトシとマサユキが同時に答えた。


「だよな」

俺は呟くように答える。


俺達3人は、暫くの間、会話もなく座っていた。

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