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やったれ魔法少女

やったれ魔法少女 特別編

作者: チェンさん

皆さんこんにちは、いつも「やったれ魔法少女」を読んでいただきありがとうございます!今回はやったれな魔法少女たちの特別編を作りました。楽しんでいただけると嬉しいです。それではよろしくお願いします!

俺の名前は藤崎綾二。どこにでもいる平凡な高校1年生。勉強も運動もそこそこできるモブキャラで日々を過ごしていた。でも、ある日を境に俺の人生は一変する。もうみんなも知ってるよな?そう、俺のもう一つの姿が魔法少女ブラスターピンクだ。どうだ?カッコイイだろっ?そんなこんなで学校に通って怪獣と戦う日々。そんな日々の中で仲間もできた。相田侑亮、シューティングイエロー。築村溱、ドラゴニックブルー。こいつらも同じ高校の同級生だ。そしてこいつらも魔法少女に変身する男。こんな変わった仲間たちとそれなりに充実した毎日を過ごせているわけだ。


「藤崎〜怪獣が出たって〜!」


相田が言う。


「んじゃ、いっちょ倒しにいくか!」


俺たちは気合いを入れて怪獣の出現場所へ向かった。そこには今まで見たことのないまるで悪魔のような姿をした怪人が待ち構えていた。


「なんかやばそうだよ〜」


と相田。


「アイツも俺の力にする」


と築村。

すると、怪人が口を開いた。


「キタカ、マホウショウジョ」


「えぇー!喋っちゃったよ〜!!」


「確かにいつも奴とは違うみたいだ。でも、3人で力を合わせれば必ず勝てるはずだ!いくぞ!」


「「「変身!」」」


俺たちがアイテムのスイッチを起動し、変身しようとした時だった。悪魔のような怪人が黒い波動を俺たちにぶつけてきた。その波動に耐え、スイッチを起動した。


相田はシューティングイエローに、築村はドラゴニックブルーにそれぞれ変身した。あれ?俺は変身できない。


「どうしたんだよ〜」


「わからない、アイテムが反応しない!」


何度スイッチを押しても変身できない。こんなの初めてだ。一体どうなっているんだ。まさかさっきの波動でアイテムが使えなくなってしまったのか!?


「とりあえず、僕たちだけでやるしかないみたいだね!いくよ、築村くん!」


「あぁ!」


2人が怪人に攻撃を仕掛ける。しかし、怪人は2人の攻撃を次々と受け止めてしまう。


「マホウショウジョトハ、コノテイドカ」


悪魔が言う。


「ナメやがって!これでもそんなことが言えるか!!ドラゴニックハンマー!!!」


ドラゴニックブルーが必殺技を放つ。シューティングイエローも追い打ちをかけるように必殺技を打った。


「フルバースト!!」


2人の必殺技が怪人に炸裂した。技は見事に決まったように見えた。しかし、煙の中から傷の悪魔が現れた。


「ヒマツブシニモナラン、キエロ!」


悪魔が黒いエネルギー弾を2人に放った。ヤバイ!俺は何度もスイッチを入れるが全く変身できない。

黒いエネルギー弾が2人を吹き飛ばした。


「うわぁぁぁぁぁ!」


「ぐあぁぁぁぁぁ!」


あまりの威力に2人は変身を強制解除させられてしまった。


「くそっ!何で変身できないんだよ!」


このままじゃ2人が!そう思った瞬間、白い閃光が悪魔を攻撃した。ライトニングホワイトだ。


「何ボサッとしてんの!ここは退くわよ!」


「お、おう!」


俺たちは傷ついた2人に肩を貸し、その場を離れた。


「溱大丈夫?」


木山が心配そうに言う。


「あぁ。だが、アイツとてつもなくつえぇぞ」


築村は痛みを堪えながら言う。


「まぁ後は俺たちに任せろ!」


俺は雰囲気を変えるように明るく言った。


「無理だよ!今の藤崎は変身できないんだから!」


相田が必死になって訴えかける。続けて築村も、


「生身のお前が言っても殺されるだけだぞ」


「そんなことはわかってる。でも、行かなきゃ。例え変身できなかったとしても守らなきゃならないものが俺にはある」


俺の話が終わるのを待たず、相田と築村は気絶してしまっていた。


「お前らの出番はもうねぇ。だから、そこでゆっくり休んでろ…」


確かに後は任せろと大口叩いたものの、木山と俺だけでなんとかなるのか。それに今の俺は変身できないというハンデ付き。あの悪魔相手にどうにかなるとは到底思えない。だか、このままじっとしていてもどうにもならないのも事実なのだ。


「ねぇ、これからどうするつもり?」


「わっかんねぇよ、こんなこと初めてだ。だから、どうしたらいいのかなんて全くわかんねぇ。でも、アイツを倒さないと俺たちがこれまで守ってきたものが台無しにされてしまう!そんなのは嫌なんだ!」


「あんたらしいわね。いいわ!協力してあげる。」


「ありがとう」



場面は変わり、悪魔。


「マホウショウジョガイナイイマ、コノセカイヲホロボスコウキ」


悪魔は自らの影から手下の怪獣を無数に呼び出した。そして手下を使い、街を破壊し始めた。

街には人々の恐怖の声が鳴り響く。俺たちは街の人たちを安全なところへ誘導した。


「こっちです!早くこっちへ!!」


怪獣たちの侵略は留まることを知らず、次々と街を破壊した。木山はライトニングホワイトへ変身し、怪獣たちを倒していく。俺も変身を試してみたが、まだ変身できなかった。


「何で反応してくれないんだ!」


俺の前に怪獣が迫っていた。


「くそっ!動け!動けぇぇ!!」


何度もスイッチを押すが起動する気配がない。俺は怪獣に攻撃されてしまった。


「うわぁぁ!」


変身さえできれば。俺が地面に倒れているところを怪獣たちが容赦なく迫ってくる。ここまでなのか。そう思った時だった。緑色の魔法少女が怪獣たちを蹴散らし、助けてくれたのだ。


「おいおい、ボロボロじゃねぇか。大丈夫か?」


「あ、あぁ、ありがとう。助かったよ」


「事情はまぁ聞かなくていいや。ここは俺様に任せろよ」


「すまない、助かる!」


緑色の魔法少女は俺がその場から去るのを見届けると、怪獣たちをバッタバッタとなぎ倒していった。


「冥土の土産に名乗っといてやるよ!俺様の名前はスラッシュグリーン!よーく覚えてあの世に行きな!」


ライトニングホワイトも怪獣たちを蹴散らしていたが、無数の敵たちに体力の消耗が激しいようだった。


「はぁはぁ、ちょっとヤバイかも……」


ライトニングホワイトの後ろにまわり怪獣が爪を振り上げた時、別の怪獣が投げ飛ばされ、怪獣の攻撃を妨げた。


「ねぇちゃん、大丈夫か?」


スラッシュグリーンが言う。


「ちょっと休んでな!いくぜ、必殺技、ソニックハリケーン!!」


緑の竜巻が辺り一面の怪獣たちを消し飛ばした。


「ふーっ!やっぱ俺様最強ってか!」


「あ、ありがと」


ライトニングホワイトが少し引き気味に言う。


「いいってことよ!」


そう言って、スラッシュグリーンは次なる敵に向けて走り出していった。


人々を避難させていると、人混みの中に川端真央がいるのを見つけた。


「川端!」


「藤崎くん!」


「無事でよかった!」


「また私が心配で駆けつけてくれたの?」


「当たり前だろ!」


真央は顔を赤らめる。


「ここは危険だ!早くここから逃げよう!」


「でも、他の人たちはどうなるの?」


「大丈夫!俺が何とかするから!」


「何とかって……一体どうやって……」


そんな話をしていると、悪魔が真央の後ろに降り立った。


「真央逃げろ!」


「え?」


悪魔は真央を一瞬で気絶させてしまった。そして真央を抱えた。


「コレガオマエノオモイビトトイウモノカ」


「真央を離せ!!」


俺は悪魔に殴りかかる。しかし、魔法少女たちでも歯が立たない悪魔に生身で抵抗できるはずもなく、突き飛ばされてしまった。


「やめろ……」


「オンナヲカエシテホシクバワレニイドンデコイ」


「く……そ…………」


そのまま意識を失ってしまった。



「さい……な…さい……起きなさい!」


気がつくと木山が目の前にいた。俺は真央が拐われたことを思い出し、飛び起きた。


「真央!いっって……」


悪魔のダメージがまだ残っていた。


「起きたと思ったら!落ち着きなさい!!」


「落ち着いてなんかいられない!真央が!」


「わかってるわよ!」


俺はふと我に返った。


「ごめん……でも、助けなきゃいけないんだ……俺は……彼女にまだ何も返せていない……!」


「あんたってば、呆れた……。いい?あいつはどうやら私たちの学校に潜伏しているわ。あの悪魔を倒して、キッチリ川端さんを助けなさい!」


「わかった」


俺たちが学校へ向かう道中には無数の怪獣たちが待ち構えていた。


「あんたは構わず学校に向かいなさい!」


「ありがとう!」


「いくわよ。変身!」


木山はライトニングホワイトに変身した。そして俺の進む道を切り開いてくれた。


「さぁ!早く!」


俺はうなずき、走り出した。もうすぐ学校の門というところまで来たが、そこにも怪獣が待ち構えていた。

どうすれば突破できるかと考えていると、背後から声が聞こえた。


「こんだけ賑やかだと、うかうか寝てもいられないよね〜」


「同感だ。お前は校内へ急げ!ここは俺たちだけで十分だ」


「いくよ、築村くん!」


「「変身」」


シューティングイエローとドラゴニックブルーが校舎への道を作ってくれた。


「必ず助けろよ〜!」


「任せとけっ!」


俺はみんなのおかげで学校の屋上へと辿り着いた。そこには気絶した真央と悪魔がいた。


「マッテイタゾ」


俺は生身で悪魔に立ち向かう。


「はあぁぁあ!!」


しかし、悪魔に軽く吹き飛ばされてしまう。


「ヘンシンデキヌキサマナドイナイモオナジヨ」


何度も何度も悪魔に飛び掛かったが、その度に返り討ちにされた。


「ナンドヤッテモムダダ」


「無駄じゃない!仲間たちから託されたんだ!必ず助け出せと!助け出すまで何度だって挑んでやる!そして助け出す!真央を……俺の大切な人を!!!」


すると、ポケットのアイテムが光輝いた。


「これは……」


アイテムのモニターにはアップデート完了と書かれていた。アップデートって魔法少女の変身アイテムってアップデートできるの!?


「なんだかよくわかんねぇけど、ようやく反撃ってやつか!」


「変身!」


俺はブラスターピンクへと変身した。そして悪魔に攻撃を開始する。


「おりゃあ!!」


「ヘンシンデキタカラトテキサマニカチメハナイ」


「そんなこと、やってみなきゃわかんねぇだろ!」


俺は悪魔の体を蹴り上げ、そのまま高く跳び上がった。


「これならどうだ!ハッピーストライク!!」


渾身のハッピーストライクも悪魔には通用しなかった。悪魔はハッピーストライクを弾き、黒いエネルギー弾を俺にぶつけた。


「ぐあぁぁぁぁぁぁ!!」


やはり今までの怪獣たちとは桁違いの強さだ。凄まじいダメージで立っているのもやっとだった。でも、真央を助けるため、街の人々を守るため、


「負けるわけには……諦めるわけにはいかないんだ!!!」


そんな俺の言葉に応えてくれたかのように体から光が溢れ出した。するとブラスターピンクのドレスが変形、進化したのだ。


「うおっ!なんだこれ!服が変わった!それにすっげぇ力が漲ってくる!!」


俺の進化には悪魔も驚きが隠せないようだった。


「ナ、ナンダソレハ!キサマナニヲシタ!」


「さぁな!でも、これがスーパーブラスターピンクってやつかもな!!」


一気に悪魔との間合いを詰め、パンチを繰り出す。悪魔は攻撃に反応できず、俺の攻撃をモロに受けた。


「グアァァァァ」


「効いてる!これならいけるぞ!」


俺は連続攻撃を悪魔にヒットさせていく。悪魔は全く対応できていなかった。


「コンナハズデハ……」


「これが俺の全力だ!受けてみろ!!ハピネスボンバー!!!」


掛け声と共に全力の必殺キックを放った。悪魔はガード体勢に入ったが、それを突き破り悪魔を撃破した。


「やっっっったぜぇぇ!!!」


俺はガッツポーズを決めた。


一方学校周辺で戦っていた。シューティングイエロー、ドラゴニックブルー、ライトニングホワイトたちはというと、スーパーブラスターピンクが悪魔を撃破したと同時に、戦っていた怪獣たちも全て消滅したのだった。


「終わり?やっと終わった〜!」


「どうやら、アイツがやってくれたようだな」


「溱〜!もう動いて平気なの!?」


ライトニングホワイトも2人の元に合流した。


俺は真央をお姫様抱っこして学校を後にした。真央が目を覚ます。


「あれ?藤崎くん!?私どうしてたんだっけ!?」


「大丈夫、全部魔法少女が解決してくれたんだ」


「え!そうなの!?藤崎くん魔法少女に会ったの!!?えぇー!いいなぁー!!」


「まぁ俺みたいに日頃の行いがいいと会えるんだよ」


「なによそれ〜!!」


木山たちが俺たちを見守りながら言う。


「あの2人ほんっとなんで付き合わないのかしら」


めでたしめでたし。



「兄貴!おかえり!どうだった?向こうの魔法少女は!」


上野正樹が言う。


「あぁ、なかなか面白い奴らだったぜ」


スラッシュグリーンが変身を解除して言う。


「へぇー!いいなぁ!俺も会いたかったぜ、兄貴以外の魔法少女に」


「なぁにすぐに会えるさ、すぐにな!」



またさらに一方では、


「溱……今のままでは俺には勝てない……もっともっと強くなって早く俺のところへ来い……!!」


本編へ続く!!!!


いかがだったでしょうか。特別編で、いつもとはまた違ったストーリー展開を見せたので本編とは関係ないのかなと思いきや、本編へと繋がる大事な要素も詰め込んだ作品となっておりました。スラッシュグリーンと溱を待つ者の正体などなど、本編をより楽しんでいただくための伏線、ちゃんと回収できるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします(笑)

今回も読んでいただきありがとうございました!今後の本編をお楽しみに!!

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