動物園の動物
動物の考えること。
おれは動物園の動物だ。
みんなから、わーわー言われる。可愛がられて、いいように振舞う。飼育員に飼われる動物園の動物だ。
客寄せだ。パンダだ。パンダなんていいもんじゃない。ただの動物だ。
すごい奴は玉に乗る。お手をする。写真たくさん撮られる。テレビに出る。
ちやほやされる。きゃーきゃー言われる。いいもん食べる。
うまく生きてる。すごい奴だ。
うらやましい!
、と動物は思ふ。
おれもそうなりたい!
、と動物は思ふ。
しかし、結局檻の中と外では確固たる区別があるのでは
、と動物は思ふ。
檻の中にいる以上、檻の外とは本当には触れ合えない。
檻の外からこちらを見る。鑑賞する。
檻の中からあちらに見せる。外が喜ぶように振舞う。
主体性なんてない。手のひらで転がされている。
檻の中で、檻の外を喜ばすためだけに存在する動物。動物園の動物。
檻の中にいる動物。
一生鑑賞される動物。
飼育される動物。
ただ、そんな動物にも本能はある。
生まれて、生きて、いくために持つ本能がある。
それを解放させよ!!!
、と動物は思ふ。
野獣たる動物としての本能を爆発させろ!!!
、と動物は思ふ。
動物に生まれたからには、動物としての本分を全うすべきだ!!!
、と動物は思ふのである。